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パンを買いに行く  作者: kumako


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7/10

7.一年ののち

「一年の後」って、サガンの小説のタイトルですね。

 そうして、それから一年が過ぎた。日々は、少なくとも2人(比那と春川)にとっては何気なく過ぎていった。変化も進化もなかった。

 深化は……あったかもしれない。それぞれの年齢なりに。

 比那は37歳になった。春川は36歳になった。

 また、キョウチクトウの花が咲いた。梅雨の季節になった。

 その前に、2人は忌野清志郎の追悼コンサートに行った。


「もう亡くなって15年以上経っているのに……」

「それだけ愛されてたんだよ、だから未だに追悼コンサートが開かれてる」

「追悼ライブ、でしょう?」

「コンサート」

「ライブ……どっちでもいいわ!」

「コンサートってさ、もともと『競争する』っていう意味なんだって。だから、アタシは『コンサート』」

「春川、地味に体育会系だもんね?」

「地味に、は余計だよ」

「それにしてもさ」

「ん?」

 15秒ほどの間を置いてから、比那が言う、

「名古屋飛ばしじゃないけれどさ、Sってライブ開かれないよね?」

「だから、コンサートだって!」

「コンサートってさ、大きなイメージ。でもさ、清志郎さんにはライブっていう言葉が似合う気がする」

「分かってきた? だんだんに」

 春川は、うんうんとうなずく。

「分かってきた」

 だから、比那も。

「じゃあ、来年もだね?」

「来年は、凛として時雨」

「tk……じゃないの?」

「春川、間違うからさ」

「間違わないよ、失礼だな」

 春川がまた、年甲斐もなく拗ねる、

「間違うよ……どっちに?」

「どっちも」

「そうだね」


 そうして、2つの死が訪れた。

時間経過がメインの短い章でした。

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