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10.エピローグ
あっさりめのエピローグです。
また、もうキョウチクトウの花が咲いていた。
比那は、職場に向かって朝の街にスーパーカブを走らせて行った。
しかし、その向かう先はX病院ではない。
比那は、半年前に気もちを切り替えて、X病院を退職していた。
今は、高齢者向けの保健施設である「ココロノオト」という場所で介護の仕事をしていた……(施設の名前が若干怪しいのはご愛嬌である)
両親からはまた反対されたが、彼女もいい加減大人である。
春川とは、また忌野清志郎の追悼コンサートを観に行った。
RCサクセションの「雨あがりの夜空に」のイントロのインストゥルメンタルの部分、「プップププッププププープー、パッパパパッパポポーポー」というメロディを、比那は鼻歌で歌っていた。
……
キョウチクトウの香りが、比那の鼻腔を鮮やかに刺激していた。
「透明な決意」という新しい花言葉を、比那はキョウチクトウに与えたい気がしていた……。
比那は新しい花言葉を考えました。おしまいです。




