表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

多分、1センチくらい縮まったと思う

 高校生になってから、もうそろそろ二年生に進級しようかと言う時期になって、ふと気付いたことがあった。


 放課後、俺と同じ時間帯、同じ電車、同じ車両に乗る、同じクラスメートの女子が一人いる。


 俺がそうだと気付いたのはつい最近のことであって、彼女は多分俺よりも先にこの事には気付いていたかもしれないが。


 だが、だからと言ってどうという話でもない。


 互いに名前と顔を知っているだけの、本当にただの、単なるクラスメート同士。


 そもそも、ついこの間まで同じ車両に乗っていたことすら気付いていなかった程度の存在でしかなかった。過去形。


 では今は――今この瞬間はどうなのかと言えば。


「……」


「…………」


「「………………」」


 今日は他に空いている座席が無かったので、仕方なく……仕方、なく?隣合って座っているわけだが。


 なんか、こう……気まずい。しかもなんか微妙に距離がある。


 一緒に帰っているわけではないし、話し掛けるような間柄でもないし、だからって嫌ってるわけでもないし、向こうも俺のことを嫌ってるわけじゃなさそうだが……でもなんか気まずい。


 チラッと横目で彼女の様子を見ようとしたら、


「あ」


 目が合った。ので、思わず目を逸らしてしまった。


 一体何をやってるんだ俺は、余計に気まずくしてどうする!


 っていうか、向こうも横目で俺のことをチラ見してたよな?


 多分、向こうもちょっと気まずい思いをしているのかもしれない。


 ……それにしても、ちょっと可愛かった、かも?


 でも普段学校で顔を見る時は、普通っぽかったんだが……気のせいか?


 ダメだ、確かめようにもさっきの気まずさのせいで目を合わせられない。


 なんか気まずいし、なんか緊張するし、なんか可愛いし……


『次は、○○駅、○○駅〜……』


 っと、そろそろ降車準備をしなければ。


 座席を立って、


 ――でもその前に、()()()()()()()()()()()()()


 目を逸らしていた彼女と目を合わせ直して、


「じゃ……じゃぁな」


 これだけ。これだけで精一杯だ。


 だが、彼女は少しだけ驚いて――


「あ……ま、またね」


 ちょっとだけはにかんで、会釈してくれた。


 電車を降りて、点字ブロックから離れてから。


「か……かわいすぎる……っ」


 やばい、なんだ今のかわいさ。


 今、俺の顔は真っ赤っ赤になってると思う。


 ついでに動悸がする。


 ってか、明日教室で会ったらどんな顔すればいいんだ?


 ぐるぐると心と思考が渦を巻いていて――気付く。


 あぁ、多分これ……"恋"だな……




 ――勇気を出してみたら、俺の初恋が始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 0から1への進歩、大きすぎです……! 勇気を出すといいことありますね(*´ω`*) 縮まった距離は1センチどころではないのでは! こすもすさんどさん、ありがとうございました。
[一言] 初々しいですね(๑>◡<๑)
2024/05/30 17:42 退会済み
管理
[一言] この、甘酸っぱい恋愛頭脳戦(?)好きですわぁ~。 きっと向こうもドキがムネムネですよねぇ~。 アフターストーリーいろいろと想像してしまうじゃないか。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ