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5層目の魔石精霊 後編

 それにしても、今回リリアーナの代わりに来た人間、そう、清元凪は、なかなか骨のある女だな。最初は気絶ばかりでやっていけるのかと不安になったが、現在では虫達の良いまとめ役になってきている。うん、凪は可愛いし、面白いし見てて飽きない。


 あっ、言い忘れていたが、リリアーナが去る際に凪を精霊ではなく、化け物に変えようとしていた。流石に、俺様のダンジョンを管理してくれる人に向かってその行いは酷すぎだ。だから、俺様はリリアーナが作った魔法陣に介入した。人間ではここの生活に耐え切れないと俺様は考えた結果、俺様は凪と結魂することにした。魂と魂の結び付きによって、彼女は人間だが精霊としての性質を得ることになった。

 

 可愛いかったから、結魂したのではなく、リリアーナの魔法陣が俺様が考えているよりも強力な物で、結魂でしか凪を救う術がなかったのだ。俺様も最初は戸惑ったさ、名前のない魔石精霊(仮)に異世界に飛ばされた瞬間、何も分からずいつの間にか結魂するなんて可哀想だと。でも、化け物になるよりかはマシだと悩んだ結果がこれだ。結魂は見事成功


 人間の結婚とは違い、結魂は魂を繋がる性質上、強い者の力に引っ張られてしまい、姿を変える者がいれば、能力やスキルなどを獲得する者達がいる。姿を変えた事例は、確かだな、えーと、そうそう、獣人が良い例だな。獣と人が結魂したことによって生まれた種族だと、シンカから聞いた事がある。

 

 俺様達の場合は、凪は俺様の魂に引っ張られ精霊化したのだろう、姿は変わらなかったが、俺様の魔力が凪と共有という形になってしまった。凪のステータスを確認した時は驚いたな、魔力が♾️、俺様と同じ魔力量になっていて結魂したら、魔力量も繋がるとは思いもしなかった。でも、凪は無限の魔力を使って色々なアイテムを生成していて奇抜な発想が面白くて、早く凪と一緒に遊びたい。野球やら、サッカー、レース大会にこの前はドッキリ大会なんかもやっていて、俺様も参加したい!

ボールを打ってみたい、パーティーで踊ってみたい、レースに参加して優勝してみたい!!!

 

 俺様の名前が無いから彼女はいや、俺様の妻である凪は、俺様の存在を感じ取る事が出来ない。今回の名前申請は絶対に通して沢山遊ぶぞ!


 すると、姉のアから思念が送られてきた。


「貴方、1人でぶつぶつと何を言っているの」


「アかぁ、どうしたんだ急に」


「それが聞いてよ! 私やっと花茶ちゃんと話せたのよ!」


「それは、良かったな」


「友達になろって言われちゃったわ!」


「友達か、俺様にも親友であるシンカがいるぞ。それに可愛い妻も」


「シンカ様はお気の毒ね。いや、あの異世界人もこんな弟と結魂なんて、お気の毒ね」


「こんな弟とは酷いな」


「それで、いつになったら名前の申請通るの? 貴方の妻は他のオス達に狙われているのよ」


「それは、分かっている。だから、今日こそは名前を通すつもりだ」


「それで、今回の名前は?」


「この前シンカに申請した時にチート行為を行った冒険者達の名前は消してと言われたからその冒険者達の名前を名残惜しいが辞めることにした」


「貴方ねぇ、何度も言っているけど、冒険者の名前を使うのはどうかと思うわよ」


「強い者こそ正義! 俺様のダンジョンをクリアした者達ならこの世界においての強者。その者達の名前を使うのは別にいいだろ。カッコいいんだし」


「貴方の場合は長すぎるのよ!」


「いいじゃないか! アこそ名前が短すぎだ!」


「いいじゃない、ア、とっても素敵な響きだわ」


「いや、名前を考えるのが面倒だったからだろ」


「そんなことより、さっさと女神シンカ様に名前の申請しなさいよ!」


 やはり、アは名前を考えるのが面倒だったんだな。


「それなら、思念を送らないでくれないか」


「分かったわよ、今回は絶対に名前を通しなさいよ。じゃあね」


「良い知らせを持ってきてやるさ!」


 俺様はアとの会話を終えると、名前申請の準備をした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] お友達になれて良かったですね♪次回はクモさんとムカデお母さんも入るのかな♪ [一言] あ~あ。とんでもない事をしてしまっていたなんて。 このことを知ったら、怒れる彼らが怒涛の勢いで討伐チー…
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