主人様に会いに行ったら
灰土さんは緑の牢から出てもらって私達の護衛をしてもらいました。灰土さんがいると心強いですね。
「灰土さん護衛を引き受けてくれてありがとうございます。これで、主人様に会えます」
『いいえ、それでは庭へ向かいましょうか』
「3日ぶりに主人様に会えるのでギューっとお尻抱きしめて欲しいですね」
「私も主人様に抱き締めて欲しい」
『すみませんが、俺は塀をよじ登るのが苦手なので正門から庭へ向かいましょう』
急に灰土さんどうしたのでしょうか? 普段なら塀をよじ登っていましたが、あっ、付け髭が汚れてしまうのでそれが嫌なのですね。苦手とは言わずに付け髭が汚れちゃうからと正直に話してもいいのに。
私と緑癒は灰土さんの後に付いて行き正門に着きましたが、灰土さんはソワソワして落ち着きが無いようでした。
「灰土さん大丈夫ですか? 体調悪いのですか? 鱗粉使います?」
『えっ! いえ、体調は良いので大丈夫ですよ』
「それなら、いいのですが、気分が悪くなったら言ってくださいね。いつでも治してあげますから」
『緑癒様お気遣いありがとうございます』
灰土さんは庭の様子を確認しに行きました。
数分で戻ってくると。
『紫水は庭に居なかったので安心して行けますよ』
紫水がいないのですね。
それは良かった。でも、紫水が主人様の側に居ないのは珍しいですね? 湖で泳いでいるのですかね?
「紫水が居ないなんて珍しいですね! 藍介さん紫水に殺されずに済みますね!」
「緑癒、物騒な事を言わないでください。それでは、庭へ向かい主人様に会いましょう!」
私と緑癒は庭に入りましたが、灰土さんがいつの間にかいなくなったいました。あれ? さっきまで灰土さん後ろにいたのにいませんね? あの落ち着きの無さと言い普段の灰土さんらしく無いというか。何か変な感じか‥‥。
「あれ? 誰もいませんね? 主人様は家の中ですかね?」
「僕が家の中見に行ってきますね」
緑癒はそう言うと家の中に入って行きました。すると、突如パァン!と家の中で大きな音がした後、緑癒の悲鳴が聴こえたのです。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!! 誰が助けてぇぇぇぇ!!!!」
「緑癒! 今すぐ向かいます!」
一体何があったのでしょうか。
緑癒の声がした台所に向かうと、そこには緑癒が銀色の糸に絡まって動けずにいました。
「一体何があったのですか! 銀色の糸取りますので動かないでください」
「藍介さん! さっき変な顔をした人型の魔物に攻撃されたのです! そのせいで身動きが出来なくて助けてください!」
「分かりましたから動かないで落ち着いてください」
私は緑癒に付いている銀色の糸を触ってみました。すると、その銀色の糸は糸ではなく紙だったのです。ある程度の銀色の紙をどかすと一枚だけ魔法陣が記されていました。これは、主人様が道具を製成した時に付与できる魔法陣と似ていますね。
うーん、主人様の悪ふざけという事でしょうか?
「藍介さんありがとうございます。やっと動けました」
「これからは2人で行動した方がいいですね」
「藍介〜、緑癒〜、こっちおいで〜」
風呂場の方から紫水の声が聞こえてきました。
「紫水に会いに行くのは怖いので、僕は行きたく無いです」
「でも、この状況を知る為には紫水に聞いてみるのがいい気がしますね」
「それなら、ドアの前で僕は待っているので、藍介さん紫水に会いに行ってください」
「分かりましたよ」
私は1人で風呂場に入り、緑癒は風呂場のドアの前で待っていました。風呂場には銀色の糸でぐるぐる巻きにされ天井に吊るされている紫水が目の前にいたのです。どどど、どういう事なのですか!!!!
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