クラッカー鳴らすの楽しいわね
レースが終わった次の日、私は優勝した紅姫が欲しがっていたパーティーグッズを考えていた。すると、家の真上にある巨大な蜘蛛の巣から紅姫が降りてきた。
「主人様!!! パーティーグッズ! パーティーグッズ!」
「ちょっと待ってて、今どんなパーティグッズ作ろうか迷っているのよ」
「迷っているですか? 頭に浮かんできたものを作れば良いのではないですか?」
「それも、そっか! よし、何個でも作るわよ!!!」
パーティーと言ったらクラッカー! 三角帽子に、ガーランド、変なメガネとか付け髭もいいわね。タスキなんかどう、そうね、『優勝しました』っていうタスキ作ってみようかしら?それとも、王冠? それもいいわね! アフロのカツラもどうかしら、なかなか奇抜で楽しそうじゃない? タコパ、久しぶりにやりたいわね。でも、なんでタコパって人気になったのかしら?うーん、考えてもわからないや。まず最初に考え付く限りのクラッカー作りましょうか!
私は普通のクラッカーとバザーカークラッカー、両手でやっと持てる大きなクラッカーなど色々な種類のクラッカーを作ってみた。
「主人様、これはなんていうグッズなのですか?」
「これはね、クラッカーって言って大きな音が出て紙吹雪や紙テープが出てくるパーティーグッズなのよ」
「大きな音ですか、どのぐらい大きいのですか?」
「それなら、何個か試してみましょうか」
私は普通の大きさのクラッカーの紐を引きクラッカーがパァンとなると紙吹雪と紙テープが飛び出た。
「きゃっ!!! 驚きましたわ」
「主人様〜!!! 大丈夫〜!!!」
すると、紫水が塀をよじ登って庭に入ってきた。
まだ、罰の途中なのに、入ってきちゃダメじゃない。
でも、その、昨日言い過ぎちゃったから謝ろうかしら。
「大丈夫よ。紫水、その、昨日は言い過ぎちゃってごめんね」
「いいよ〜、俺も主人様が言われて嫌な事言っちゃったから〜俺のせいでもあるよ〜。それにしても、主人様が無事で良かった〜」
「本当にごめんね」
私は紫水の頭を撫でてみた。
「もう〜♡ 主人様に撫でてもらえないかと思ってたけど良かった〜♡ ふんふんふん〜♡ 主人様〜、もっと、も〜っと! 撫でて〜」
「これぐらいにしておくわ。紅姫の優勝賞品を作ってる最中だし、折角だから紫水も一緒にパーティーグッズ試してみる?」
「うん〜! 主人様と一緒に遊びた〜い」
「遊んでるわけじゃないわけど、まぁ、遊んでるか」
「主人様、この大きなクラッカーはどんな音が出るのでしょう」
「ああ!!! それは!!!」
紅姫がバズーカークラッカーを両手で持ち上げていた。
すると、バァァァァン!!! と大きな音を立てて大量の紙テープが紫水目掛けて飛んできた。
「うわぁぁぁぁぁあ!!! 何これ〜!!! びっくりした〜」
「なかなかの威力だったわね」
引き金を誤って引いた紅姫は固まっていた。
「おーい、紅姫大丈夫?」
「びっくりして心臓が止まるかと思いましたわ」
「でも、楽しかったでしょ」
「はい! びっくりしましたが、楽しかったです。でも、一瞬で終わっちゃうのですね」
「クラッカー掃除するのが面倒なのよね」
「ねぇ〜、主人様〜、俺いつまでこのままでいればいい〜?」
紫水は紙テープに埋もれていた。
「掃除するのが面倒、だから、私は3分ほどで紙テープと紙吹雪が消えるようにしといたわ!」
「それって〜、俺は3分間このままっでこと〜?」
「そういうことね」
「まぁ、痛くないからいいけど〜、主人様が見えなくなるのは嫌だなぁ〜」
「紙テープどかしてあげるわね」
「主人様ありがとう〜♡」
「主人様、主人様、この大きなクラッカーはどんな感じなのですか」
紅姫はクラッカーを気に入ってくれたみたいで私と紅姫、紫水で沢山の種類のクラッカーを試してみた。
『主人様の家から変な音がする!!! 主人様を助けに行かなくては!!!』
塀の前には灰土が入っている虫籠が置いてあった。
灰土は虫籠に体当たりしたがびくともしなかった。
『どうすればここから出られるんだ。主人様を乗せて帰ったみたら、主人様に反省しなさいと言われ入ってたが、緊急事態に助けに行けないなんて護衛失格だ。どうにかしなければ』
「灰土の声がすると思ったら〜、灰土そんな所にいたんだ〜。灰土もクラッカーで遊んでみる〜? とっても楽しいよ〜」
『クラッカー? なんだそれは』
「主人様が作ったパーティーグッズだってパァンって音が鳴って沢山の紙が出てくるんだよ〜」
『そうなのか、すまないがここから俺を出してくれないか』
「いいよ〜。主人様に伝えに行ってくるね〜」
『そういえば、紫水はまだ、出禁中だと思っていたのだが、まぁ、主人様がよしとしているのだったらいいだろう』
パーティーグッズ試し会に灰土も加わった。
灰土はクラッカーに驚きつつも楽しんでくれたみたい。
次は変なメガネと付け髭でも作ってみようかな。
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