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豊穣の森

 黄結姫さんのおかげで九死に一生を得て、私と緑癒は激怒している紫水から一時的に逃げる事に成功しました。


「はぁ、はぁ、あのタイミングで黄結姫さんが来てくれなかったら僕達、紫水に殺されてましたよ」


「そうですね、後で黄結姫さんにたくさんお礼しましょう」


「このまま家に帰ると紫水がいそうで僕怖いですぅ」


 緑癒は体を震わせ鱗粉を撒き散らしていた。


「仕方ありませんね、豊穣の森で3日間過ごす事にしましょう。あと3日経てば主人様の家に入れます。その時に主人様に助けてもらいましょう」


「主人様しか今の紫水を止められる人はいませんね。黄結姫さんが宥めていても紫水怒っていましたよね」


「あの時の紫水は鬼の形相でしたよ」


「鬼の形相ってなんですか?」


「はえ、えっとですね、この図鑑に載っているオーガという種族の顔が恐ろしく怖いことから恐ろしい顔をしている人の顔を指す言葉ですね」


「こんな種族がいるのですね。知りませんでした」


「まぁ、それは置いておいて豊穣の森に向かいましょう!」


「藍介さん、豊穣の森ってどこにあるのですか?」


「6層目を抜けた先にある森が豊穣の森なのですよ。自然豊かで豊穣の森の一角で畑を作っているのですが、すぐに作物が育つ不思議な森なんですよ」


「作物がすぐ育つですか、すごい森なんですね!」


「そうなんですよ。それでは、よいしょよいしょっと」


 私は緑癒のモフモフの足をよじ登り緑癒の背中に辿り着きました。


「さぁ! 緑癒! 豊穣の森までレッツゴー!!!」


「なんで僕の背中に勝手に乗っているのですか!!! 降りてくださいよ!!!」


「いや、だって、さっき逃げた時に疲れてしまって」


「僕だって疲れてますよ!!! もう、仕方ないですね。次は背中に乗せませんからね」


「ありがとうございます」


 緑癒は羽ばたき6層目の先にある豊穣の森に向かいました。

快適ですねぇ、いつもは他の人達の体を踏んづけて進んでいたので豊穣の森に行く時は花茶に頼んで背中に乗せてもらって通ってましたからね。


 真っ黒な洞窟を40分程度進むと出口が現れ、出口を出るとそこは太陽が常に輝き、豊穣の森が目の前に現れました。

豊穣の森には、あらゆる全ての種類の木や植物が生えています。


「すごい!!! すごいですね!!! 洞窟入り口にある『魔蟲の森』よりも美しいです!!!」


「この森を管理している方がいるみたいでここに入れる者はあまりいないみたいですよ」


「管理って誰がしているのですか?」


「この森の精霊とだけしか本に載っていないのですよね」


「実際に会ったことはないのですか?」


「えぇ、何十年も通っていますが、一度も会ったことがないのですよ。ですが、花茶は一度、綺麗なお姉さんを見た! って言ってましたよ」


「綺麗なお姉さんですか、少し気になりますね」


 おや、緑癒は主人様一筋と言った感じではないのでしょうか。それなら、管理している方に合わせれば緑癒は綺麗なお姉さんに好意を寄せ、ライバルを1人減らせるのでは!?


「折角だからこの森で滞在している間、綺麗なお姉さんの精霊を探してみませんか?」


「うーん、やっぱり良いです。僕には神様がいますからね!」


「まぁ、やる事が畑仕事だけなので暇つぶしに探してみましょう」


「それもそうですね、藍介さんの畑ってどこにあるのですか?」


 緑癒は辺りをキョロキョロ見渡していた。


「ついてきてください」


「はーい」


 私と緑癒は3日間、私の畑仕事して暇な時間を精霊探しに費やしましたが、見つける事ができませんでした。


 主人様の罰から7日。本当に長かった。

主人様に会えない日々、紫水の水責め、色々な事がありましたね。やっと、あの家に行ける。

よし! 全力で土下座をして主人様に謝りましょう!

それで、紫水から助けてもらうのです!

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