救世主、黄結姫
紅姫が1位でゴール、2位は花茶、3位黄結姫で4位は私だった。緑癒はリタイアをした為先に教会に到着していたみたい。
教会での本来の目的を思い出した私は緑癒を見つけて話しかけた。
「レースに夢中で忘れてたけど、藍介が作った私の姿の砂像を見に来たのよね?」
「そういえば、そうでしたね」
「砂像ってどこにあるの?」
「教会裏にありますよ。こちらです」
私は緑癒の後ろをついて行き教会の裏にある砂像を見た。
「僕は教会に建っている像よりこちらの砂像の方が好きですね」
「緑癒はこっち派なのね」
藍介器用すぎない!? 私にそっくりなんだけど!!!
ん? 普段履いている半ズボンに少しお肉がのっているだと。 そっくりだけど、そっくりなんだけど、私の太ももはそんなに太くないわよ!!!
「藍介!!! 藍介!!! 今すぐ出てきなさい!!!」
私が藍介を大声で呼ぶと藍介は教会の裏口のドアからひょっこりと体の半分を出していた。
「主人様どうしましたか? 私の作った砂像はお気に召したでしょうか。主人様を忠実に再現した会心の出来です!!!」
「そうねぇ、凄いと思うわよ。本当に私そっくり。だけどさ、私そんなに太ってないわよ」
「太っているですか? とても健康的で素晴らしい身体だと思うのですが」
「私の太ももはこんなに太くないもん!!!」
「いいや〜、主人様の太ももは砂像と同じだよ〜。とってもムチムチ、ムニムニな素敵な太もも〜♡」
「藍介、紫水なんて大嫌い!!! もう、私帰る!!!」
「えっ!!!! どうしてですか主人様!!!」
「大嫌い〜。大、嫌い。主人様!!! 俺嫌われる事言っちゃったの。ごめん、ごめんよ!!! 主人様!!! 主人様に嫌われたら俺〜。俺は、やだよぉ〜!!!! 主人様ごめんなさい!!! ごめんなさい!!! 俺を許してぇぇぇぇ〜!!!」
私は虫籠に入っていた灰土に頼んで背中に乗せてもらい、家に帰った。私の太ももはあんなに太くないもん!!!
教会裏に残った藍介は放心し、紫水は大泣き、緑癒は2人を宥めていたが、全く効果がなかった。
「クズっ、主人様に嫌われちゃった〜。どうしよう〜。俺〜主人様にぃぃぃ」
「紫水、私はなんで主人様に嫌われてしまったのでしょう。主人様の考えが理解できません」
「そんなの〜!!! 俺に聞かないでよ〜!!!うわぁぁぁぁぁん!!! 主人様!!!!」
「主人様はお優しい方です。今は怒っておりますが、少し時間が経てば主人様も考え直してくれますよ」
「少し時間が経てばって〜、どれだけ待てばいいの〜!!!あ〜、もう怒った〜。主人様に嫌われたのは藍介のせいだから藍介を殺す」
「えぇ!!! 殺すなんて物騒な言葉使わないでください」
藍介は紫水から距離を取ったが、紫水は距離を詰めてきた。
「紫水!!! 藍介さんを殺してしまったら余計主人様に嫌われてしまいますよ!!!」
「うるさいなぁ〜、緑癒が邪魔するなら俺〜緑癒にも容赦しないよ」
紫水は体の周りに水の球体を10個も作り出していた。私はとういうと、緑癒の体の下に潜り込みました。
これは、本当に紫水に殺されてしまいます。どうすれば、どうすればいいんだ!!!
「ひぇぇぇっ!!! 殺気がすごいですぅぅ。って!! 藍介さん!!!僕の体の下に隠れないでください!!! 藍介さんのせいなんだから、藍介さんどうにかしてください!!!」
緑癒は体の下にいた私を足で紫水の方に押した。
「私がどうにかできるわけないでしょ!!! ちょっと、押さないでくださいよ!!!」
突然、聴き慣れた女性の声がしました。
「こら!!! 紫水!!! 何しているの!!!」
黄結姫さんが私たちに向かって歩いてきました。そう、女性の声の正体は黄結姫さんだったのです!!!
黄結姫さん助けに来てくれてありがとうございます!!!!
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