レースを終えて
紅姫がゴールラインの横で蜘蛛達に囲まれていた。
私は教会に設置されたモニターを確認したら紅姫が優勝した事を知った。
私は紫水から離れて紅姫のいる所に向かった。
「紅姫が優勝したのね。おめでとう」
「主人様!!! パーティーグッズ欲しいです!!!」
「パーティーグッズね。了解。今日は疲れたから明日でいい?」
「はい! 私も疲れてしまって今日は早めに寝たいです」
「そうわよね。そうそう、花茶はどこにいるか知っている?」
「花茶ちゃんは修行してくると言って走り去ってしまいました」
「修行ってあんだけ走ったのに体力すごいわね。花茶負けて悔しかったと思うのに、前向きでほんと良い子ね!!!」
「えぇ、本当に花茶ちゃんは明るくて良い子です」
「うーん、なんか忘れているのよね」
「何か忘れている? ですか?」
「そう、教会に用事があったのよ。なんだっけな」
すると、DJ蜘蛛がマイクを持って走ってきた。
DJ蜘蛛は、私にマイクを向けて私が何かを言うのを待っていた。
『主人様!!! 今回のレースの感想をお願いします!!!』
「ちょっと、マイク向けてどうしたのよ」
「主人様、DJは今回のレースの感想を知りたいようです」
「そういうことね。それなら、よし! 皆んな!!! 今回のレース凄かったでしょ!!! 私もとっても刺激的なレースを体験できて楽しかったわ!!! また今度も楽しいレースしようね!!!」
『主人様!!! とっても楽しかったです!!!』
『神様をお言葉だぞ!!! ありがたやぁ、ありがたやぁ』
『最高に楽しかったです!!!』
『俺もレースに参加してみたい!!!』
虫達が一斉に騒めき始めた。
うーん、何言っているのか私には分からないけど、楽しんでくれたようで良かったわ。そうそう、DJ蜘蛛に崖とマグマがどうしてあったのか聞かなきゃ。
「ねぇ、DJ蜘蛛。どうしてレースコースにマグマや崖があったの? この洞窟には崖とかマグマは無かったはずだけど」
『そういえば、主人様には私の思念を受け取れないのでしたね。紅姫様、すみませんが私のスキルを主人様に伝えてもらっていいですか?』
「いいわよ。主人様、DJは特殊固有スキル『会場設営』を持っていて、彼は自由に地形を変える事ができるのです」
「地形を自由に」
なにそれ!? 地形を変える。強過ぎませんかね!!!
DJ蜘蛛強い、強すぎる。マグマや崖があった理由がわかったけど、まさか長達と同じぐらい強い子もいるのね。
「ねぇ、さっきのレースコースはどうなるの? そのまま崖が出来てマグマもそのまま残る感じ?」
「えっと、DJがレースが終わったので元の道に戻りますと言っていますわ」
「それなら良かったわ。崖はまだいいけどマグマは危ないものね」
「マグマは危なくないように熱はなく、見た目だけ似せたと言っていますわ。そういえば、私マグマエリアを走ってきた時、マグマに当たったら、熱く無かったわ」
「DJ蜘蛛凄いわね。撫でてあげようか」
『ええええ!!!! 神様に撫でてもらえる!? ほへぇ!!!いいんですか!!!』
「主人様が撫でてくれるとおっしゃっているのだからいいんじゃないかしら」
『それでは、その、お言葉に甘えて』
DJ蜘蛛はゆっくりと私に近づいてきた。
私はDJ蜘蛛の頭を撫でてあげた。
明日はパーティーグッズ作りで忙しそうね。うーん、でも、何か忘れているのよね。なんだっけ?
あ!!! 砂像を見にきたのよ!!!
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