探検を終えて
私達は教会に着くと砂の掃除をしていた筈だった藍介と紫水は砂の彫刻を作っていた。
何で砂像? 掃除しないで遊んでて何しているのよ!
「藍介、紫水、何遊んでいるのよ!」
「藍介が〜、砂遊びしよって言ってきたんだよ〜、俺は掃除は〜? って聞いたら少しだけだからって〜。主人様〜、そんなに怒らないで〜、怒るなら藍介だよ〜」
「主人様すみません。つい、砂遊びに夢中になってしまいました」
藍介が私の言うこと無視するなんて初めて。そんなに砂遊びしたかったのかな。でも、私にあんな事言った罰で掃除させたのに、反省してないってことよね? でも、何を作っているのか気になるのも事実。
「ねぇ、花茶ちょっといいかしら」
「主人様どうしたの?」
『花茶、藍介が1番嫌がることって何か分かる?』
『お兄ちゃんの嫌がること? うーん、主人様に嫌われるのが嫌みたいだよ』
『私に嫌われるね。それなら、私に会う事を1ヶ月禁止にしたら藍介は嫌がるかしら?』
『え!? 1ヶ月会えなくなるの!? 1ヶ月って確か30日ぐらいだよね?』
『えぇ、そうよ』
『主人様に1ヶ月も会えなくなったら花茶寂しくて泣いちゃうよ』
『それなら、1週間』
『それなら、お兄ちゃん耐えられると思うからいいんじゃない! 主人様に掃除お願いされたのに遊んじゃったお兄ちゃん達が悪いからそれぐらいでいいと思う!』
『花茶ありがとう』
『いえいえ』
「藍介、紫水、1週間私の家に来る事を禁止するわ」
「えっ、1週間もですか、1週間も‥‥」
「そんな〜、そんなぁ〜」
藍介は放心状態で紫水は大泣きしていた。
そんなにダメージ負うのね。でも、遊んでた罰よ。
その後、教会に藍介と紫水をまた残し、私達は6層目の入り口まで来たんだけど、ゴキブリが多すぎて通れないのよね。
「花茶、他の子達が多くて通れないんだけど、いつもどうやって帰っているの?」
「ん? そんなの、踏んで歩いてるよ」
「踏んで、その、潰れちゃうわよね」
「そのぐらい大丈夫だよ」
「ごめんなさい。花茶、このマップ持って探索してきてもらっていいかしら」
「えー! 1人で探検するの! テンション下がっちゃうよー」
「踏むのはちょっと。ねぇ」
無理、あの中通るの無理、踏むとかもっと無理よ!
「お願いよ。花茶にだけしか頼められないの」
「花茶だけ、分かった! 花茶行ってくる! すぐに戻ってくるから待っててね!」
「ありがとう」
私は虫マップ君を花茶の口に咥えさせた。
花茶は走り去っていった。その間、私は緑癒と灰土と雑談をした。すると、10分足らずで花茶が帰ってきた。
帰ってくるの早すぎない?
「はぁ、はぁ、主人様! 花茶探索終わったよ!」
「お疲れ様、マップ見せてもらってもいい?」
「うん! いいよー!」
うん、ちゃんと埋まっているわ。
花茶どんだけ早いのよ!
これで、マップ埋まったわね。
家に帰るとしましょうか。あっ、家の警備してくれていた紫水がいないからどうしよう。
そうだ! 灰土にお願いしてみようかな。
灰土の方は私の言う事分かるみたいで良い人そうだし、大丈夫よね。
「それじゃあ、私は家に帰るけど、私の家を警備する人がいないから灰土に家の警備お願いしたいのだけどいいかしら?」
『お、俺が主人様の家の警備ですか!? 俺なんかが務まるのか』
「灰土さん良かったじゃないですか、あれほど強力な力を持っているのです。心配しなくて大丈夫ですよ。心配なら1週間僕も主人様の家に泊まらせてもらえないか聞いてみますが」
『いえ、緑癒様のお手を煩わせることはしたくないです。大丈夫。俺ならできる。普段の鍛錬を思い出すんだ俺』
「主人様、灰土さん快く主人様の家の警備引き受けるみたいですよ」
「灰土ありがとう」
私は灰土の右頬を撫でた。
『俺が死んでも絶対に主人様をお守りします!』
「いや、死んではいけませんからね」
花茶が私を背中に乗せて家まで送ってくれた。
緑癒は住処に帰り、花茶はお兄ちゃんと紫水が心配だから側にいるねと言って教会に向かった。灰土は私の庭に泊まることになった。
庭に紫水がいないのは新鮮ね。紫水に警備をお願いしてからかれこれ半年以上は経っているわよね。うん、私もこの生活に慣れたものね。あ! 藍介いないから家事全部やらないといけないじゃない。まぁ、1週間だけだから別にいいか。
でも、1週間過ぎて藍介が家事したくないって言ったら、それは困るわね。藍介の料理美味しいのよ。
藍介の料理食べれなくなるのだけは回避したいわね。
でも、キツくいっちゃったから藍介と紫水私の家に帰ってきてくれるかしら? どうしよう、不安になってきちゃった。
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