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砂遊びって楽しいですね

 紫水の水責めから解放され、私は現在、紫水と一緒に教会にある砂の掃除をしていました。

私はなんであんな事を言ってしまったのでしょう。

でも、あの石像だと主人様の素晴らしさを表現できていません。だから、主人様がどんなに素敵な体型をしているのかを熱弁したのですが、逆効果だったみたいですね。

女性は見た目を褒めた方がいいと『女性の口説き方』という本に書いてあったのですが、ダメじゃないですか。


「藍介〜、俺〜掃除飽きた〜。後よろしく〜」


「紫水、主人様の命令を途中で投げ出すのですか。それは、主人様の護衛としてどうかと思うのですが」


「え〜、主人様がきた時にやってる感じ出せばいいだけじゃん〜」


「それなら、私が主人様に紫水は途中から掃除しなくなったと伝えますよ」


「だって〜、藍介のせいで何故か〜、俺〜、主人様に怒られちゃったんだよ〜。悪いの藍介なんだから〜、俺が掃除する必要ないじゃん〜」


「なら、そこで眠っていてもいいですよ。ですが、主人様にはきちんと報告しますからね」


「分かったよ〜。掃除手伝う〜。ちぇ〜、俺悪くないのにな〜」


 私と紫水は黙々と砂を掃除していました。

紫水は水を使い砂を洗い流し、私は雑巾を使って床を掃除しました。


「藍介〜、この砂〜水使ったら少し固まるんだけど何でだろう〜?」


「固まるのですか? それなら、砂を1箇所にまとめてもらってもよろしいですか?」


「ん〜? 何で〜? まぁ〜、別にいいけど〜」


 紫水は主人様像の目の前に砂を集めました。


 砂が固まる。固まるのなら何か作れそうですね。

何ですかね。急に砂を使って何か作りたくなってきちゃいました。少しだけ、少しだけ砂で遊んでみるとしましょう。

私は『砂の遊び方』と言う本を取り出しました。

えーと、砂遊びの基本は泥団子を作るのですね。


「砂遊びと言う遊びがあるみたいで少しだけ砂を使って遊んでみませんか」


「遊んじゃうの〜? 掃除はしないの〜?」


「半分は片付け終わってますし、少しだけですよ、少しだけ」


「分かった〜。俺も掃除飽きてたしいいよ〜」


 私は紫水に少しだけ砂に水を掛けてもらい泥団子を作ってみました。これは、主人様がたまに作っているおにぎりみたいに両手でギュッと固めるのですね。ムムム、難しいですね。


 悪戦苦闘しながら泥団子を作ることに成功しました。

ん!? ピカピカな泥団子ですと!?

なになに、乾いた砂をかけ凹凸を無くすように整える。そして、団子を休ませてまた砂をかけ磨き、その後布を使い磨くとピカピカ泥団子の完成! 泥団子は私が考えていた以上に奥が深いのですね。次回、ピカピカの泥団子を作るとしましょう!


「何これ〜?」


「泥団子ですね」


「それ作って楽しいの〜?」


「えぇ、私は物を作るのが好きなので結構楽しいですよ」


 砂の像? 砂像と言うのですね。こちらも水を使って砂を固めるみたいですね。砂を押し固めないと崩れると、押し固める。

庇護プロテクトを使い、箱を作り、その中に砂を入れて紫水に砂を押してもらえれば、固められそうですね。

主人様の砂像作れそうですかね?

やってみます? いや、掃除をしなければいけません。

主人様の砂像はまた今度、灰土さんに砂を作ってもらって遊べば‥‥。


「紫水、砂を押し固め彫り上げて作る像があるみたいで、主人様の砂像作ってみませんか?」


「砂像? 作ってみたいならやれば〜。俺は眠いから寝たいなぁ〜」


「紫水、主人様を作るのですよ」


「藍介作れるの〜?」


「私を誰だと思っているのですが、私はこの洞窟の中で1番器用なのですよ! このぐらい朝飯前ですね」


「わかった〜、俺は何を手伝えばいい〜?」


「それはですね」


 私の指揮の元、庇護プロテクトを使い砂を入れる箱を作り、その中に砂と水を入れよくかけ混ぜ、紫水に砂を押し固めてもらいました。

水を引くまで少しだけ待ち、その間に私は住処に帰って彫刻するのに使えそうな木偏や棒をバック中に入れて持ってきました。はぁ、はぁ、今までにないぐらい早く走れた気がしますね。私は教会に着くと息を整える為に少しだけ休憩をしました。


 掃除しないといけないのに、どうしてなのでしょう。作りたくてしょうがない。主人様達はまだ帰ってきてない様子。これなら、作る時間がありそうですね。


 私は主人様の砂像を作り始めました。

主人様の体は、顔は小さく、髪は長髪、胸は大きく、くびれをほんの少し付け、お尻を大きく、太腿もそう、ムッチムッチ感を表現しなくてはいけませんね。


 まず最初に輪郭を決め、外側を削ぎ落として徐々に立体に近づけていくのですね。


 私は輪郭を描きました。


「藍介〜、藍介〜主人様の太ももはもっと太いよ〜」


「もっとですか、私はこのぐらいだと思うのですが」


「主人様の太ももに〜、良く巻き付く俺が言うんだから〜、間違いないよ〜」


「それもそうですね、もう少し太くしましょうか」


 すると、製作途中に主人様達が帰ってきちゃいました。

やばい、掃除してなかったのがバレちゃいます。

いやでも、半分は掃除しましたし、残りの砂は全て砂像に使ったので、掃除は終わったということになりませんかね。


「藍介! 紫水! 何遊んでいるの!」


 やっぱり怒られちゃいました。

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