5層目の巨大な魔石
藍介、紫水を教会に残し、私と花茶、緑癒、灰土の4人で5層目の探検をしていた。
5層目はリリアーナが住んでいた所だけど、魔石以外何もないわね。しばらく辺りを歩いていると、3メートルぐらいかな? それぐらいの魔石と魔石の隙間に狭い道があった。
「花茶、この道歩けそう?」
「大丈夫! 壁這えば余裕で通れるよ!」
あっ、そっか、横幅的に入らなそうだけど、壁歩けばいいのか。花茶、頭いいわね。
『緑癒様、主人様に俺は通れそうにないのでここで待っていますと伝えてもらってもよろしいですか』
「分かりました。主人様、灰土さんが通れないのでここで待っていると言っています」
「灰土、少しだけ待っててね。緑癒は通れそう?」
「僕も壁を這えばなんとか通れると思います」
私は灰土の口元を撫でてあげた。
そして、私と花茶、緑癒で魔石と魔石の間にある狭い道を歩いって行った。緑癒は壁を這えずに何度か頭を地面に当たっていた。
「壁を這うのって難しいんですね」
緑癒は足をプルプル震わせながらゆっくりゆっくりと壁を這っていた。
「そうなのかな? 花茶は生まれた時からできたから、壁這うのって難しいのかな?」
「私は壁這うことはできないわよ」
「それなら、花茶すごい?」
「えぇ、花茶は凄いわよ!」
「やったー! 花茶すごい! すごい!」
数分歩くと、教会を建てた場所よりも巨大な空間が目の前に現れた。その空間には辺りにある魔石の光方がいつも見ていた魔石より違い、七色に輝き、中央には見上げる程高く巨大な魔石があった。
こんなに大きな魔石初めて見たわ! 見上げ過ぎて首が痛くなってきた。
「主人様!すっごく大きい魔石だね!」
「えぇ、大きいわよね」
「僕も何十年も暮らしているのにこんな大きな魔石初めて見ました!」
私は巨大な魔石に手を当ててみた。
なんだろう、魔石を触ると体が浮いている感覚がすると同時に懐かしいって感じた。
私、この魔石初めて見たのに何でだろう?
花茶は魔石の周りをぐるぐる何回か回っていた。
「主人様! 次花茶達の住処に行こ!」
「6層目ってことよね?」
「うん!」
「そうね。ここは巨大な魔石しか無いみたいだし、教会まで戻りましょうか」
「分かりました。あっ、主人様結構歩かれたようなので体力を回復しておきますね」
緑癒はそういうと私と花茶と自分に緑色の鱗粉を振り掛けた。
私達は元きた道を引き返し、灰土と合流して一度教会に戻った。
藍介と紫水は掃除終わっているかしら?
終わってなかったら、終わるまで掃除やらせるわ。
ちょっとしたIFストーリー
《もしも、灰土が一緒に巨大な魔石を見ていたら》
数分歩くと、教会を建てた場所よりも巨大な空間が目の前に現れた。その空間には辺りにある魔石の光方がいつも見ていた魔石より違い、七色に輝き、中央には見上げる程高く巨大な魔石があった。
「主人様!すっごく大きい魔石だね!」
「えぇ、大きいわよね」
「僕も何十年も暮らしているのにこんな大きな魔石初めて見ました!」
『なかなか見事な魔石だな』
主人様は魔石に触り、花茶様は魔石の周りをぐるぐる回っていた。緑癒様はそんな主人様と花茶を見て微笑んでいるようだった。
俺も巨大な魔石に触れてみよう。
俺は魔石を体に当て魔石の魔力量を確認したが、測定不能だった。俺は鉱石なら何でも測定できるスキル『鉱石鑑定』を持っている。宝石なら名前がわかり、硬さなどが分かるが、宝石に込められた言葉がある事は知らなかった。流石、全ての知識を持つ藍介様だ。魔石なら魔力量を測定することができるのだが、測定不能なんて初めてのことだった。
巨大な魔石だから俺では魔力量を測ることができないのだろう。やはり、鍛錬しないといけないな。
3分ほど魔石に触れていたら急に魔石の中に強者の気配を感じた。
ん!? 魔石の中から気配を感じるだと、どういうことなんだ。
『緑癒様、魔石の中から何かしらの気配を感じたのですが、緑癒様は感じられましたか?』
「何かしらの気配ですか? それなら、僕も触ってみますね」
緑癒様は魔石に触れたが、気配を感じなかったみたいだった。俺の思い違いか? でも、確かに唯ならぬ強者の気配をこの魔石の中から、感じたのだが。
「主人様! 次花茶達の住処に行こ!」
「6層目ってことよね?」
「うん!」
おっと、花茶様は魔石の周りを回ることに飽きたみたいだな。後でこの魔石について藍介様に聞いてみようとするか。
そして、俺達は教会に向かった。
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