少しだけスリムにしたっていいじゃない!
藍介、花茶、紫水、緑癒、灰土は私が作ったスリムな私の姿の石像の周りに集まった。
「主人様可愛い!」
「おや? 主人様、この石像少し主人様とは違うような」
藍介もしかして気付いちゃった? いや、すごく痩せているわけじゃないからバレないはず。
「ん〜、何だろ〜なんか違うんだよな〜」
『違う? どこが違うんだ?』
「何だろう〜、う〜ん、この石像〜主人様より〜、少し痩せているような〜」
紫水、なんでわかるのよ! いや、疑問系だから、今は少し違和感がある程度かしら。少し、スリムにし過ぎちゃったかしら? 石像作る時に私石像の体型、体重を40kg設定にしたから、今の私より若干よ。若干、スリムな体の石像なんだけど、設定盛り過ぎた? 45kgにすればよかった?
「主人様! これは、今の主人様ではありません! 主人様は石像よりもっとお腹にお肉がつき、お尻は少しだけ大きく、太ももはムッチムチで素敵な大根みたいに白く美しい足なのです! あと、お胸も少し控えめですね。主人様のお胸はこう、ボヨンと!」
藍介に、私、デブって言われたんだけどさ、心にくるわ。
私の足は大根足じゃないし、お腹もそんなに出てないわよ。
てか、藍介、私の胸がなんだって?
胸デカくても私はまだ垂れてないわよ!
胸まぁまぁあるけど、垂れてないもん!
ハリあるもん! お腹も胸より出てないもん!
足も大根じゃないもん! 大根より細いもん!
私は藍介の発言によって悲しみと怒りが込み上げてきた。
「藍介は、私はそんなにデブだって言いたいのね」
「デブ? ですか? いえ、主人様のお身体は健康そのものであり、肥満とは一言も言ってませんが」
「でも、そんな言い方ないじゃない、私、太ってないもーん」
私は怒りよりも悲しみが勝ってしまい泣き出してしまった。
30歳になってなんでこんな事で泣いているのよ私。
「あ〜あ。藍介主人様の事泣かせちゃった〜。主人様〜、俺は主人様の体型大好きだよ〜。主人様のお腹ムニムニしてて抱きつくと気持ちいいし〜。足もすごく柔らかくてだ〜い好き〜」
「うえーーーーーん! どうせムッチムチな足ですよー」
「あれ〜? 余計泣いちゃったよ〜。どうして〜?」
「お兄ちゃん! 紫水! 主人様を泣かしちゃダメだよ!」
花茶は藍介と紫水を睨んだ。
「花茶、私は主人様を泣かせる気は無かったのですよ。主人様の石像がやけに細っそりしていたので、そこを指摘したのですが、私が不出来なばかりに主人様に嫌な思いをさせてしまったみたいですね。主人様、本当に申し訳ございません」
「主人様〜、泣かないで〜。俺〜、主人様が泣いてると心臓がギューと掴まれてとっても苦しくなっちゃうんだ〜。本当にごめんよ〜。俺何でもやるから〜泣かないで〜」
私は呟いた。
「石像ぐらい、スリムに見せていいじゃない」
「主人様今なんて仰いましたか?」
私は叫んだ。
「石像ぐらい! 少しスリムに見せたっていいじゃない!」
「うん、うん、主人様が作ったんだからそのままでいいんだよ!」
花茶が慰めてくれた。
花茶は優しく私の頭を撫でてくれた。
花茶!!!! ありがとう!!!!
その後、スリムな石像のままにして私達は藍介と紫水を教会に残し5層目を探検しにいった。
藍介と紫水にはちょっとした罰として、蝿の石像から出た砂の掃除をさせた。
私達が教会から出ようとすると紫水は駄々をこね始めた。
「え〜、俺も探検行きたい〜。俺〜、主人様の護衛だよ〜。悪いのは藍介なんだから〜、藍介1人で掃除させようよ〜」
「貴方も連帯責任よ。掃除しなさい!」
「ひぇっ! うわ〜ん、藍介のせいで、主人様に怒られちゃったじゃん〜。藍介水責め確定〜」
「水責めなんて言ってないで掃除手伝ってください。灰土さんが見事に石像を粉砕してしまったから、砂しか残っていなくて掃除大変なんですよ」
「えぇ〜、水使って掃除できる?」
「砂を水で流してください」
「分かった〜。でも〜、その前に〜藍介には水責めっと〜」
「そんなことより、掃除を手伝いなさい! うわっ! ブグブクブク」
藍介は紫水が出した水の球体の中に囚われ、水責めにあっていた。水責めは可哀想だけど、まぁ、それぐらい酷いこと言ったんだしそれに、掃除で済ませてあげるんだから有難いと思いなさい!
ねぇ、私ってそんなに太ってるのかな。やっぱりダイエット?ここにきて2回ぐらいダイエットしようと決意したんだけど、3日経ったら飽きちゃうのよね。
藍介にお願いしたら、急激なダイエットは体を壊してしまうって言われて断られたし。でも、言われてばっかりは嫌だから絶対ダイエット成功してみせる!
目指せ−7kg!!!
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