魚人と翼人
俺は屋根裏に行く途中に出会った人達に挨拶をした。女ばかりで、皆メイド服を着ていたが、1人だけ違う服の女がいた。
翼人の女は真白なワンピースを着て、純白の翼がより美しく見えた。
「初めまして、俺の名前はネルガルです。よろしくお願いします」
「あなたがエビィ様が助けた魚人ね。私の名前はアニエス、エビィ様の恋人よ」
恋人? あいつはシルビーと結婚したんだけどな? もしかして、あいつ、この屋敷に自分の女を囲ってたって訳か? 真実を話すのは彼女にとって辛い事だと思うが、彼女達を屋敷から助け出すためには言うしかないな。
「恋人ですか? エビィ様は確か、人間の女性と結婚しましたよ」
「知っているわ。でも、私はエビィ様の恋人。なのに、あの女が現れて、でも、エビィ様は私しか愛していないわ。彼女のほうが不憫で可哀想ね」
「失礼なことを聞いてしまい申し訳ございません」
「いいわ。貴方がイケメンじゃなかったら、八つ裂きにしたのに、たまに、私の機嫌取りをしなさい。そしたら、エビィ様に頼んで貴方が欲しいものなんでも、与えてあげるわ」
「機嫌取りですか、なら、魚と空を泳ぐのはどうでしょうか」
「空を泳ぐ? 魚人が飛べる訳ないじゃない」
俺は魔力を水に変換して、その水を魚の形に変え、空を飛ばせた。
「ほら、魚が空を泳いでいますよ」
「へぇー、貴方、魔法使えるのね。貴方、もしかして、魔王軍の兵士?」
「違うと言ったら、信じますか?」
「魔王軍が来たって、今更なのよ。私達は人間の奴隷として捕まり、家畜以下の扱いを受け、やっと、私はエビィ様に助けてもらったの。なのに、私の幸せを壊すような事をするのであれば、エビィ様に報告するわよ」
こういう時は笑顔が1番と言う事で。
ネルガルは爽やかスマイルで彼女に返した。
「イケメンじゃなかったら、報告できたのに、それに、私以外の奴隷達を助けてあげて、彼女達は帰る場所があるのに、帰り方が分からないから、ここで働いているだけなのよ」
「なら、この屋敷から出る方法を教えてくれませんか?」
「エビィ様から教わったでしょう。それに、今は、魚をとりたい気分なの」
翼人は空を飛び、俺が作った水の魚を足で掴み始めた。
「楽しんで頂けるようですね。俺は失礼します」
「久しぶりの魚取りは楽しいわ! ありがとうネルガル」
そして、俺は屋根裏部屋に行き、白桜ちゃんの子蜘蛛達と合流した。
『ネルガル、ハヤクモ、スジョウ、バレタ』
『それって、やばくない? 殺されるんじゃない?』
『メズラシイ、コイツガ、オキタ!』
『ほら、みんな話すの得意じゃないじゃん、報告は俺がしたほうが聞き取りやすいでしょ』
『ネテタ、ダケ、デ、アツメタジョウホウ、ナニモシラナイ、ダロ』
『だから、僕に全部話して、それを僕がネルガルに伝えるって事だよ』
『ネルガル、コイツノ、テイアン、ノルカ?』
『そうだな、聞き取りやすいなら、そっちの方が助かるしな』
『シカタナイ、ネボスケ、ニ、ハナス』
その後、蜘蛛達はネボスケに集めた情報を伝えた。
『よーし、今まで寝てた分、働くぞ! まず初めに、ネルガル別館には絶対に近付かない事』
『エビィと妹の作品が飾ってあるからだろ?』
『そうなんだけど、エビィの作品、まるで生きているかのような像で、不気味、1番、怖いのが、妹の作品』
『確か、画家って言ってたな』
『絵から血の匂いする。しかも、生物の肉片もあったりする』
『はぁ!? 絵に肉片!? なら、妹が大罪芸術のメンバーだって、言うのは確定だな。にしても、その絵見てみたいな』
『見れたとしても、殺させるのがオチだよ』
『俺が殺されないようにするのが、お前達の仕事だろ。そもそも、俺は強いんだからな』
『ネルガル、弱弱だから、僕達に守ってもらわないと怖いんだね。わかった。僕達がネルガルを守ってあげるよ』
『別館に行けば、あいつらが大罪芸術だって、証明できる。でも、それをやる為にもシルビーとゴーエイと連絡ができなきゃ意味ないな』
『ゴーエイがいる屋敷と僕達がいる屋敷は本来同じなんだけど、魔法で空間を捻じ曲げ、もう一つの屋敷を作り上げて、僕達は本物の屋敷ではなく、偽物の屋敷に囚われているんだよね」
『ん? それって、俺はてっきり、遠くの別荘とかに転移魔法で移動しているって考えてたけど、違うのか?』
『全く違うよ、この事実を偶然見つけたのが、この僕ってね! 僕、天才だからね!』
『コイツ、ネボスケ、テンサイ、ジャナイ。テンサイ、ト、イウノナラ、ワルイホウノ、テンサイダ!』
『酷いな、僕がいなかったら、この地図をゲットできてなかったよ』
『ソノ、チズ、ドコカラ、ダシタ?』
『僕は天才だからね! というか、正直に話すと、寝ぼけて、空間転移したら、誰かの書斎でね。それで、帰り方を模索していたら、地図を見つけて、それを拝借!で、屋敷の空間が歪んでいるから、僕が本物の方の屋敷に空間転移しちゃったみたいで、あの時、そっちに戻る方法が分からなくて、藍介様に話したんだよ。そしたら、行き方教えてもらったんだ! だから、僕は天才だよね!』
『ナラ、ナゼ、イマハナス、ナカマニ、ハナスベキダ』
『眠かったから、寝たら忘れてた!』
『オマエナ!!!!』
『でも、僕のお陰でこの屋敷から脱出する事はできるから、僕偉くない!』
『なら、この屋敷に連れてこられた人達を全員逃す事できるな!』
『あっ、それは、僕の魔力的に無理かな。ネルガルと仲間だけなら、いけるけど、その他を連れていくには、んーーー。無理だね!』
『それなら、一日1人を運ぶって言うのはどうだ?』
『はい、それをすると、ネルガルが本当に逃げなきゃ行けない時に、僕が魔力切れだったら、意味ないじゃん。だから、僕は仲間とネルガルだけ助ける』
『ソレハ、コイツガ、タダシイ、ネルガル、ハ、ナカマ、ソレイガイ、テキ、ノ、カノウセイガ、アル、トクニ、ツバサ、ノ、オンナ、ハ、キケン』
『アニエスか、相当、あの男に入れ込んでいたよな』
『ネルガル、ホカニモ、ツタエル、コトアル。デモ、ナガク、ココニイタラ、アヤシマレル。キョウハ、コノグライニシテ、アシタ、マタ、ハナシアオウ、ソモソモ、オレハ、ハラガヘッタ』
『そうか、それじゃ、俺も夕飯でも食べいくか』
『なら、僕がネルガルについていくね!』
『ネボスケ、ガ、ウゴイテイル、アシタ、ユキダナ』
『え?僕が動いてたら雪ってなに?』
『こいつが働くなんて、相当珍しいんだな』
子蜘蛛達はネボスケ以外、うんうんと頷いていた。
ネルガルは屋根裏から出ると、自分の部屋に行き、付いてきたネボスケから色々と話を聞いた。
そして、ネルガルは屋敷に働く人達と仲良くなり、ネルガルは屋敷に馴染んだのでした。
あけましておめでとう御座います。
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