ネルガル、子蜘蛛と合流
「よかった! 空間歪んでいたから、転移魔法が上手くいかないのかと心配だったけど、成功したよ!!! シルビー!!!!」
黒いフードローブを着ている親友、ソルードは私を見るなり、私を抱きしめようとした。
その親友を私は蹴り飛ばした。
「痛いよぉ」
「何やっているのよ!!! これじゃ、ネルガルを助けられないじゃない!!!」
「でも、シルビーあそこにいたら危険だったんだよ」
「そんなの覚悟の上であの人と結婚したのよ。で、私は魚人との戦争になる前にネルガルを助けに行きたいんだけど」
「彼の事は僕に任せてくれ、助けるのは面倒だけど、シルビーを守る為なら、魔塔当主であるこの僕!ソルードにお任せあれってね!」
「じゃ、今すぐにネルガルを救い出してきて」
「まぁ、今日は転移魔法使っちゃったから、魔力が足りないんだよね。だから、4日後に彼を助けに行くね」
「はぁ? ふさげないで、なら、私が帰って助けに向かった方が早いわ」
私が部屋のドアを開いたら、目の前に壁でが現れた。
「こう言うことになるだろうから、封じといたんだ」
「これじゃ、外に出られないじゃない!」
「まっ、僕は簡単に出られるんだけど、シルビーは頑張り過ぎちゃうのがいけないんだよ。あと、君の代わりに僕の配下を送っておいたから、屋敷側がお嫁さんがいなくなった事はわからないと思うよ」
「配下って誰を送ったのよ」
「ハイドだよ」
「それって、彼は私に変身しているってこと?」
「そういう事。だから、僕に任せれば大丈夫!」
「私の仕事奪うんじゃないわよ!!!」
こうして、シルビーは魔塔に滞在することとなった。
シルビーに変身したハイドは庭で優雅なティータイムを堪能していた。
久しぶりに魔塔から出たけど、まさか、女性に変身しろだなんて、当主様は完璧に彼女に惚れ込んでいるんだな。まっ、俺はサボれる口実ができたから、嬉しいけど、この紅茶うまいな!!!あと、この菓子も絶品だ! このままこの嬢ちゃんに変身してていいんじゃないか?
すると、空から石が降ってきた。
「おっと、危ない」
ハイドは魔力壁で石を防いだ。
危ないな、石なんかって、翼人、あれは、首輪があるって事は奴隷だな。おっと、こっちの屋敷には奴隷がいないんだ。それなら、あの翼人はもう一つの屋敷側って可能性がある。なら、やる事は一つ。
ハイドは翼人に追跡魔法を仕掛けた。
あの翼人の嬢ちゃんは何処へ行ったのかなっと、当主様の言ってた通りか、うーーーん。こうなるとだ、簡単に仕事終えちまうな。紅茶うまいし、菓子も最高、なら、もう少しゆっくりでもいいよな?
こうして、ハイドは邪魔が入ったが、紅茶を飲み始めたのでした。
一方、ネルガルはと言うと、シルビーの結婚式が終わると、シルビーがいた屋敷とは違う屋敷へ連れて行かれていた。
その屋敷ではほとんどが奴隷達であり、衣食住が保証されているため、安心して奴隷達はその屋敷で暮らしていた。
ネルガルの前にはシルビーと結婚した男が立っていた。
「やぁ、魚人君、君の名前を教えてもらえるかな」
「俺の名前はネルガル。ご主人様、俺は何をすればよろしいでしょうか」
「ネルガル、良い名前だね。君は何もしなくて良いよ。ここで、自由に暮らしてもらって構わない。ここにいる奴隷達は劣悪な環境で働いていた人達でね、私が救い出したんだ。仕事しなくて良いって言っているのに、進んで働いてくれる勤勉で真面目な素晴らしい人達だよ」
「ですが、俺は奴隷です。役割を与えてもらえなかったら、無価値の存在です」
「君が無価値な訳ないだろ!!! おっと失礼、つい、興奮してしまった。君は珍しい種族であり、本来なら君を故郷に帰す手伝いをしたいのだが、今の私では魚人である君の故郷へ連れて行くことが出来ないんだ。だが、私は絶対に君を故郷へ帰してあげるから、その間、この屋敷を自由に使ってくれ」
「本当に俺は何もしなくて良いのですか」
「いいとも! あっ、でも、この屋敷でもルールがあってね。屋敷を出る際、この結界石がないと門から出られないんだ、それと、この屋敷は自由に使っていいけど、別館には立ち寄らない事、あそこには、私の作品が飾ってあるのだが、妹の作品もあるからね。でも、私の作品を観てみたいと思ったなら、そうだな、私に言ってくれたら、まぁ、私も暇な事が滅多にないんだけど、私と一緒であれば、別館に入る事を許可しよう」
「その、作品とはご主人様は何を作っているのですか?」
「私は石像をね、一応、公爵家の跡取りだけど、有名な彫刻家でもあるからね。あと、妹のラスは画家なんだ」
「教えてくださり、ありがとうございます」
「何か欲しいものとかあったら先輩達に聞くといい」
そう言って、あの男はいなくなった。
よし、自由に動いて良いならまず最初にこの屋敷を調べるか。また、水槽生活かと考えていたんだけどな。俺が水無でも、大丈夫だと知っていたのか? 屋敷に入る前に、白桜の子蜘蛛達と合流しないとな。
『おーい、蜘蛛達、生きてるかー』
『ア、ネルガル、ネルガル、ダ!』
『ネルガル、ノ、ケハイ、カンジル、コッチダ!』
『むにゃ、むにゃ、はっ!? まだ、馬車かぁ』
『オマエハ! イツマデ! ネルキダ! シスイサマ、デモ、ココマデ、ジュクスイ、シナイゾ!』
『良い感じのお布団、おやすみ』
『ソレハ、オレノ、セナカダ!』
『なかなか、濃いメンツだな』
『ネルガル、ゴウリュウシタイ、ゴーエイ、トハ、ウマク、アエナイ、サイショ、スコシダケ、ハナセタ、ケド、イマハ、ハナセナイ』
『マジか、それじゃ、シルビーとは連絡できないって事だな。まっ、あっちはあっちで上手くやると思うけどな、そんじゃ、俺はどこに行けばいい』
『ヤシキ、ノ、ヤネウラ、ニ、キテホシイ』
『屋根裏な、了解。他の奴隷と挨拶ついでに情報を集めないとな』
『ネルガル、ガンバレ、オレタチ、ニ、アッタラ、イママデノ、ジョウホウ、ツタエル』
ネルガルは屋敷にはいると、出会った最初の犬の獣人メイドに話しかけ、彼女に屋敷を案内してもらいながら、屋敷の住人達に挨拶をした。
そして、1人で行動できるようになったら、屋根裏に向かい、子蜘蛛達と合流したのでした。
次回投稿は2026年1月10日(土)となります。
(仕事が忙し過ぎて書く暇というか、気力がぁ)
なので、皆様、良いお年を!!!
来年もこの作品をどうかよろしくお願いします!




