心の休憩
「藍介〜、もう一回〜、さっきのやつやって〜」
紫水は体を直立させ左右に振り私におねだりをしていました。
「藍介さん! 僕ももう一度お願いします」
隣にいた緑癒は今までにないぐらい羽を高速に羽ばたかせていました。ちょっと、それ以上風を起こされると私が飛んでしまいますよ。
「はぁ、はぁ、こ、これはどういうことなのですか、主人様が大きくなって‥‥。それで、それで、柔らかいものが全身に当たって、はぁ、はぁ」
灰土さんには刺激が強すぎたみたいですね。
その気持ちよーくわかります。私だって、初めてあの感触を知った時、気絶してしまいましたからね。それを考えると灰土さんは持ち堪えられましたね。
「もう一度あの感触を体験したいのなら喧嘩はもうやめてください」
「やめる〜! 喧嘩もうやめる〜!」
「あぁ、俺も喧嘩やめます」
2人は私と緑癒のいる所に集まりました。
「藍介さん凄いですね! 一体いつから凄い魔法を取得したのですか」
「魔法ではなくスキルなのですよ。それでは、もう一度体験しようとしましょうか」
「あっ、ちょっと待って〜、俺を煽った〜藍介を水責めしないとね〜」
紫水はさっきまで喧嘩で使っていた水の塊を私の頭上に作り出した。
あの時の言葉覚えていたのですね。
「それなら、紫水なしで楽しむとしますかね」
「え〜、少しだけ水責めダメ〜?」
「なんで、水責めにこだわるのですか!」
「だって〜、俺より灰土の方応援してたじゃん〜。俺〜、藍介と仲良いと思ってたのに〜、俺〜傷ついたよ〜」
あの紫水が私と仲良しだと考えていたのですね。
てっきり、ライバル視されて嫌われていたのかと思っていましたよ。そうですね、紫水に謝りましょう。
「それは、その、煽ってしまってすみません」
「謝ってくれたから〜、許すけど〜、次やったら水責め確定ね〜」
「肝に銘じておきます」
これからは、紫水を煽らないようにしましょう。水責めなんて嫌ですからね。
その後、私はもう一度スキル『愛祭』を使い、4人であの時の胸の感触を体験しました。
「どうです。私の新たなスキルの威力は」
「やばっこれやばいスキルだね〜。俺〜これされたら藍介に負けそう〜」
「はぁ、はぁ、主人様」
「はぁうぅぅ。なんて優しい柔らかさなのでしょう」
「少し休憩でもしましょうか」
「賛成〜」
「僕も賛成です。あっ、2人とも怪我はしていませんが、一応回復させておきますね」
「ありがとう〜」
「緑癒様ありがとうございます」
緑癒は2人に回復の鱗粉を使い2人の体力を回復させた。
私達は少し心の休憩をすることにしました。
ふぅ、やはり主人様は偉大ですね。
このスキルの能力を知った時、何度も使って爆発してましたからね。あぁ、あの時の鍛錬は体の負担が大きかった。主人様の胸の感触を感じた瞬間、即爆発。20回ほど爆発したら、愛シリーズの他のスキル『愛散る』の能力を取得することができたのですよ。
鍛錬のおかげで主人様が私に触れても爆発しなくなったのですが、もし、敵が現れた際はいつでも爆発できるように準備をしておかないといけませんね。
「紫水、前より強くなったんじゃないか」
「灰土〜、急に俺のこと褒めてきてどうしたんだよ〜」
「さっきの喧嘩、俺が勝てると思ってたんだが、まさか俺が攻めあぐねるとは思いもしなかった」
「攻撃は最大の防御なりってね〜。主人様がゲームでよくゴリ押しするって言っててさ〜、その言葉の意味を教えてくれた時に教えてもらった言葉なんだよね〜。俺〜その言葉すごく気に入っちゃってさ〜、防御しないで攻撃だけしてみたけど〜、とっても楽しかった〜」
「最初は怒っていたが、闘っているうちに俺もだんだん紫水と闘うのが楽しくなってきてしまってな。それに、1人で鍛錬するだけじゃダメなのかもしれないと考えさせられた。紫水。闘ってくれてありがとう」
「いえ〜いえ〜。俺の方こそ灰土のプレゼント交換させようとしてごめんなさい」
「それは、いけない事だからな、もうあんなこと言うなよ」
「は〜い」
紫水と灰土さんは互いに頭を下げて謝った。
『藍介さんこれは、一件落着という事ですかね』
『そうですね』
そういえば、今は何時なのでしょうか?
確認してみましょうか。
私は主人様からもらったバックから懐中時計を取り出し時間を確認した。22時ですか、朝じゃなくて良かった。
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