真白の仕事場に行こう!
やっと、自由に動けるようなり、黒常に歓楽街を案内してもらっていた。
「主人様、あそこの串焼きは美味いぞ」
黒常は出店の串焼き屋に向かった。
「おっちゃん串焼き1本!ツケで!」
「黒常さん、この前のツケまだ払ってもらってませんよ」
「まぁまぁ、固いこと言うなって、そうそう、天快楽娘を紹介してやるよ」
「それは、本当ですかい」
「ふっ、俺は真白の兄なんだぜ。余裕だぜ、それで、今夜、来るか?」
「それなら、お願いしやす」
「いいぜ、それじゃ、金貨は持ってこいよな。そうじゃなきゃ相手にされねぇからな」
「それじゃ、この串焼きはサービスという事で、黒常さん頼みますよ」
「あんがとうな! ふっ、俺に任せとけ!」
黒常は串焼き屋のおっちゃんと話をつけると、主人様に肉の串焼きを渡した。
「ほら、主人様、美味しいぜ」
「黒常、私は石像だから食べれないわよ?」
「そうなのか? 人間そっくりに出来てるんだから、食べることもできるんじゃねぇかって思ったけど。食べれないのか?」
「うーん、ちょっとだけ、もらってみようかな」
主人様は串焼きを一口食べた。
「うーーーん、味感じないわね。はぁー、観光できるのはいいけど、食べ物が食べれないのは、悲しいわね」
「そっか、じゃ、後は俺がもらうぜ」
黒常が残った串焼きを食べようとした時、背筋が凍る感覚を感じた。
「うわっ!? ん?」
黒常は辺りを確認して刺客がいるのか、確認したが、刺客らしい者が見当たらなかった。
「気のせいか?」
黒常は不信に思いながらも、主人様の食べかけの串焼きを食べ、昼過ぎに天快楽に向かった。
「そういえば、主人様、あいつはなんの仕事しているのか、知ってるか?」
「真白から、マッサージ店って聞いたけど」
「まぁ、間違っちゃいねぇが、仕方ない、あいつが言ってないなら、俺が言ったら、ツケ払ってもらえなくなっちまうからな」
「黒常、ツケ払いはしないほうがいいんじゃないかな?」
「いいって、真白が払ってくれるからな」
「黒常、真白にたかるのはダメよ」
「俺があいつを守ってるんだから大丈夫だって、そんで、その分の報酬が俺のツケ払いの返済ってな!」
「お金あるなら出しなさいよ」
「ここは、金を持っとくと何かと不便なんだよ」
「不便って?」
すると、主人様の横を通り過ぎた男が、主人様に当たった。
「ちょっと!何するのよ!」
「すんませんね」
男はそそくさと、その場を後にした。
「おい、主人様、俺の目の前で掏られちまってるじゃねぇか。まっ、俺にかかれば、こんなもんよ」
黒常は主人様のポーチの中の財布を手に持っていた。
「あー!!!私のお財布!!! 黒常!私の財布盗んだな!!!」
「んな、訳ないだろ! 主人様はさっき、ぶつかってきた男に掏られたんだよ!」
「え!? そうだったの!? てっきり、お金が欲しくて私の財布盗んだのかなって思っちゃった」
「だから、ツケ払いの方が楽なんだよな。こういう輩がここの通りには沢山いるし、金持ちは必ず護衛を連れてこなきゃ、殺されちまうかもしれねぇってぐらい、治安悪いからな」
「そんな、怖いところでマッサージ店って儲かるの?」
「何言ってるんだ、主人様、あいつの店は王都一のマッサージ店なんだよ。そんで、ここが、天快楽だ!」
目の前には周りの店とは異質な感じの、妓楼が建っていた。
へぇー、なんか、マッサージ店というよりかは、宿屋ね! でも、なんというか、もしかして、マッサージはマッサージでも、そっち系だったって事なの? それが、本当なら、真白は、娼婦ってこと!?いいや、男だから、えーと、そう、あれ、男娼よ! って!マジ!?
「あの、真白の仕事って」
「ほら、俺からじゃ言えねぇから!入るぞ!」
「私、こういうお店初めて入るの!」
「ほら、つべこべ言わず行くぞ!」
「ひぃぃいいい、なんか、緊張して来ちゃった!!!」
妓楼、天快楽に入ると、黒常が受付にいる男を見て、めんどくさそうな顔をした。
「マジか、コバルが受付かよ。あいつ、融通気がねぇんだよな」
「ねぇ、これって、どう言えばいいの、私、初めてすぎて、どうすればいいの!」
「まっ、俺に任せておけって」
黒常がコバルに話しかけ行った。
「よぉ!コバル! 真白空いてっか?」
「黒常様、お引き取りを、この時間、真白様は眠っていますので、ツケ払いでしたら、こちらで払っておきます」
「まぁまぁ、今日はツケの話じゃねぇんだよ。真白が会いたがっていた人を連れて来たんだ。だから、通させてもらうぜ」
「お待ちください。前もそんな事を言って、真白様に不釣り合いな相手を紹介したばかりでは、ないですか……。黒常様、お引き取りを、真白様を守るのは私達の仕事です」
「ちげぇだろ、お前は真白の客を案内するだけの仕事だろ」
「いいえ、客を見極め、真白様の仕事をサポートをするのがこちらの仕事です。なので、お引き取りを」
「おい、俺を今、突き返したら、お前は真白に殺させるぜ、それでもいいのか」
「そのような脅しは私には効きません。お引き取りを」
「んな!!!!! ほんと、お前、頭硬すぎるだろ」
「いいえ、私は仕事を真っ当に働いているだけです」
「ねぇ、黒常、真白寝てるんでしょ? それなら、真白に会うのは、今度でいいわよ」
「いいや、主人様を連れて来たのに、会えなかったとなったら、やばい、俺が殺させる可能性が高い。ここは、強行突破するしか、ないか」
「黒常様、聞こえてますよ。強行突破なんてさせませんよ。はい!セキ、トメさん!よろしくお願いします!」
受付、後方のドアから、奴隷の鬼人2人が現れた。
「おっす」
「誰を潰せばいいんですかねぇ」
「マジかよ、奴隷を雇ったって聞いたけど、鬼人かよ。俺、鬼人苦手なんだよな」
「ミーライちゃんを思い出すから?」
「こいつらよりも、ミーライの方が一千万倍こぇんだよ!」
「どんだけ、怖いのよ。まだ、子供よ」
「子供であんだけ恐ろしいなら、大人になったらもっと、やべぇだろ!」
「まぁ、確かに」
「さぁ、黒常様、お連れ様と一緒にお引き取りを」
黒常と主人様を出口の方にジリジリと追いやった。
「これは、やべぇな」
「だから、今回は諦めようよ」
一方、3階で眠っていた真白は何かを感じとり、目を覚ました。
「ふぁーあーあ、ん〜? まだ、眠い、けど、何故か、起きなきゃいけないような」
すると、黒常から思念が送られてきた。
『おい!真白!真白! 今すぐに降りてこい!!!』
『目を覚ましたばかりなのに、うるさいですね。ツケ払いなら、受付にいる人に言ってください。真白はふぁーあ、眠いから寝ます』
『真白、本当に寝るのか、今寝たら、後悔するぞ』
『真白が後悔?』
『だから!今すぐに降りてこい!!!』
『分かりました。これで、ツケ払いだったら、どうなるか、分かってますよね』
『ほら!今すぐ降りてこいって!』
真白は仕方なく、寝巻きのままで部屋から出て、受付へ向かった。
そして、階段を降りると、とても会いたかった人の声が微かに聞こえた。
「黒常、今日はもういいわ、帰りましょう」
「でもよ、俺が殺されるんだって」
真白は慌てて受付に向かうと、そこには、主人様と黒常がセキとトメに出口まで追いやられていた。
コバルが真白に気付き、すぐに真白のそばに行き、事の経緯を話した。
「真白様!!! 黒常様がみすぼらしい女を連れて来まして、真白様に会わせろと仰ったのです。なので、黒常様とあの女を追い出しますので、真白様はお休みになさってください」
「何を、しているのですか」
「真白様、申し訳ございません。すぐさま、黒常様とあの女を追い出します。セキ!トメ!さっさと追い出してください!」
「おっす」
「やっちゃっていいんだな」
「って!おい!真白!!! ほら!主人様だぞ!」
「真白、久しぶり。でも、なんか、忙しそうだから、帰るわね」
「セキ、トメ、待機場所に戻れ。コバル、お前は降格だ」
「え!? 真白様」
「カイテン!!!」
真白が叫ぶと、受付後方のドアからカイテンが現れた。
「はい、真白様、どうかなさいましたか」
「今すぐに天海の間を整えてこい、そして、コバルを降格、雑用にまわせ」
「かしこまりました。コバル、こっちに来なさい」
「どうして、真白様!私が何をしたというのですか!」
「真白にとって、この世で一番大切な人を貶した罰です」
「それは、黒常様をという事でしょうか」
「彼女を貶した罰です!!! 主人様!!!! 申し訳ございません!!! 真白の教育不足ですぅ!!!」
真白は主人様に抱きついたのでした。
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