主人様降臨
「とうとう、私は人間の国へ行くわ。ふぅー、落ち着け私、大丈夫、何度も練習したんだもん、よし!行こう!」
「凪ちゃん決心ついた?」
「はい! アさん私を眠らせてください!」
「今回は1時間後に私が凪ちゃんの魂を本体に戻すからね」
「よろしくお願いします! いってきます!」
「いってらっしゃい」
私は目を瞑ると、そのまま、眠りにつき、そして、魂となった私は石像に入った。
凪教の教会内にて、緑癒とその信者達は女神像の前で祈祷していた。
すると、石像が光だし、ゆっくりと石像が人間の姿へと変化していった。
「おー!!!!!! 緑癒様の言っていた事は真であったか!!!」
「女神様が降臨なさったぞ!!!!」
信者達が熱狂する中、緑癒は主人様の魂が無事なのかと不安がっていた。
そして、石像は完全に人間の姿へと変わり、女神凪が完全に降臨した。
私は目を開けると、そこには、沢山の人間が私を見つめていた。よかった、服着てた。にしても、さっき布団で寝た私にそっくりね。
「えーと、緑癒この人達は誰なの?」
「女神様、この方達は貴方の信徒でございます」
「へぇー、信徒、こんなに!?」
「はい!」
教会一杯に人!人!って、布教活動が順調だって話だけど、まさか、ここまでとはね。
私は思念伝達で緑癒と話した。
『ちょっと、藍介達はどこにいるのよ。それに、こんな大々的に私を紹介するなんて知らなかったんだけど』
『信徒を増やすためにも、影響力のある人達に女神が実在していると知らしめる必要があったのです。なので、主人様、女神らしい事をしてもらってもよろしいですか?」
『分かったわよ。でも、女神らしいことって何すればいい』
『そうですね。魔石を作りだすのはどうでしょうか?』
『魔石ねぇ』
私は石像が置かれていた台座を魔石に変えた。
「これが、女神様の力!!! 美しい!!!」
「なんと、強大な魔力なんだ、女神様が降臨なさった瞬間に辺りの魔力が濃くなったのが、よく分かった」
「凄い!とっても素敵だわ!!!」
「でも、服装が庶民すぎません?」
信徒達が女神についてそれぞれ話していた。
「皆さん! 女神凪様の降臨なさいました! さぁ!我等の女神に祈りを!!!」
皆、沈黙して私に祈りを捧げ始めた。
私、今日は教会から出られないんじゃい?
凪は初めての人間の国の思い出は教会内で沢山の人に祈りを捧げられただけで終わり、アによって魂が本体へと戻っていったのでした。
凪教は女神が降臨したと瞬く間に噂が広がり、女神を一眼みようと多くの人が教会へ詰め寄った。
その噂は勇者教にも入り、兄を探しているアイランは女神の噂を耳にして、冒険者ギルドでさえ見つけられない兄であるハインズが見つかりますようにと、神頼みをすることに決めた。
「もう、兄さん、貴方は一体何処にいるのですか。もう、一月経つのに、未だに手がかりでさえも見つからないなんて」
「兄さんが、何も言わずに僕から姿を消すなんてあり得ない。一体、兄さんに何があったんだ」
フードを深めに被り、顔を隠して、凪教の境界へと入り、そして、アイランは初めて女神を目の当たりにした。
石像が、人の姿に、これは、神の御業! 何故、彼等が勇者教から凪教へと改宗したのか、今の僕になら、分かる気がする。あぁ、兄さんにも見せてあげたい。それにしても、なんて、美しいんだ。
女神、凪様、お願いします。僕の兄さんを見つけてください。
アイランは必死に女神凪へ祈った。
一方その頃、紫水はハインズと何処か分からない雪山へと飛ばされ、2人は寒さを凌ぐ為に互いに抱き合っていたのでした。
「寒いよぉ〜!!! 主人様に会えないじゃ〜ん〜!!!」
「ちょっと、耳元で騒がないでください」
「もう〜、何日も雪山嫌だぁ〜。俺〜、もう動けない〜!!!寒いの嫌い〜!!!」
「歩けないなら、水を操って体を運べばいいじゃないですか」
「分かってないな〜、ほら〜、ちび龍出ておいで〜」
紫水は手のひらサイズの龍を水で作り出した。そして、そのちび龍は一瞬にして凍りつき、動きがとても鈍くなっていた。
「凍っちゃうと〜、動かすの大変なんだよ〜」
「それは、しょうがないですね。そこに丁度いい洞窟があるので一旦吹雪を凌ぎましょう」
「賛成〜、ハインズ〜火よろしくね〜」
「私は回復魔法なら得意なのですが、攻撃魔法の魔力効率が悪くてですね」
「ほら〜、早く〜、火だして〜!」
「分かりましたよ。聖炎」
ハインズは湿った枝に火をつけた。
「何度見ても小さい火だね〜、まぁ〜、湿っている枝を燃やしてくれるのは〜助かるけどさ〜」
「紫水今度こそ、火の番をしてくださいね」
「ふぁ〜〜〜暖かなったら眠くなってきちゃった〜。ほら〜、ハインズ〜、ぎゅ〜の時間だよ〜」
「眠る時にハグするのやめませんか?」
「嫌だ〜、寒いもん〜」
紫水は座っているハインズに抱きつき、そして、そのまま紫水は寝た。
「この体制で寝るの体が痛くならないのですかね。はぁー、アイランに何も言わずに旅をするなんてな」
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