夜の月、真白
藍介は真白と黒常を歓楽街のとある店に案内した。
その店には歓楽街で廃れている娼館であった。
「この天快楽の店主を真白さんに任せたいのです」
「なかなか、趣のある、というか、ボロいですね」
「何せ、職員があれじゃ、売れるわけもなく、この歓楽街で一番のお荷物店なんですよね」
「それを真白にどうにかして欲しいってことですか?」
「えぇ、真白さんの美貌なら人気間違いなしですので、真白さんの最初の仕事はこの娼館をNo. 1にさせる事ですね」
「で、俺はどうして一緒に連れてこられたんだ?」
「黒常さんには真白さんの護衛をお願いします。元スラム街なので、裏路地などでは危険な人達が多いですよ」
「そう言う事か、真白、護衛は任せろ」
「黒常なら安心ですね。真白頑張ります! それで、藍介様、この店をNo. 1にした場合のご褒美とか無いんですか?」
「褒美ですか?」
「そう、例えば、主人様を真白の店に招待するとかどうです! それなら、真白張り切っちゃいますよ」
「それは、主人様に直接話してください」
「いいえ、主人様に藍介様が伝えるんです。それで、何も知らない主人様を驚かせて、その後は……。ふふふ」
「真白さん、今、やらしい想像をしていますね」
「やらしいなんて、真白は主人様に真白の努力を知ってもらいたいだけなんですよ」
「まぁ、藍介様、俺が主人様を守りますんで、怖い顔しないでください」
「まっ、ここを立て直せたらですからね。それじゃ、入りますよ」
店の中に入ると中はまだまともであり、受付、個室は清潔感があった。
「うーん、地味ですね。名前負けしてるじゃないですか」
「これでも、前の時よりかは綺麗になった方ですよ」
「藍介様、真白に店を任せるにあたり、改築するお金が欲しいです!」
「そうくると思いましたよ。で、どこをどう変えるつもりですか?」
「うーん、今は大まかなデザインしか浮かばないので、3日以内には書き上げます」
「なら、3日後に改築案を提出してください」
「はーい、真白ここをNo. 1にして、主人様に褒めてもらうんです! 藍介様、ここの管理している人と話をしたいです」
「それでしたら、受付に戻りましょう」
受付に戻ると、無精髭の男が立っていた。
「藍介様、お久しぶりです。ご挨拶できず、申し訳ございません」
「カイテンさん大丈夫です。この前、話しました。新しい店主の真白さん、そして、彼の護衛の黒常さんです」
「真白です!よろしくお願いします」
「黒常だ。よろしくな」
「ここ、天快楽の受付をさせていただいてます。カイテンと申します。これから、よろしくお願いします」
「それでは、私は帰りますので、仕事頑張ってくださいね」
「え!? もう、帰っちゃうのかよ」
「えぇ、私は多忙なので、この後、商談があるんですよ。それでは、後の案内はカイテンさんから教わってください」
藍介は天快楽を後にした。
「カイテンさん、真白は従業員さん達とお話したいです」
「かしこまりました。では、天快楽の娼婦達を全員呼んでまいります」
こうして、カイテンは天快楽で働く女性10名を受付呼んだ。そして、カイテンは10名の名前と売れっ子が誰なのかを伝えてた。その間に、女性達は真白の美貌に見惚れていた。
従業員との顔合わせを済ませた、真白と黒常は天快楽の一番高い部屋に向かった。
「黒常、鼻の下伸ばし過ぎですよ。ミーライちゃんに見られたら、あぁ、怖い、怖い、ゴウライさんみたくなっちゃいますよ」
「急に怖いこと言うなよ。でも、あの、マヤって言うメスはなかなか良いメスだな」
「黒常は彼女と交尾したいの?」
「できれば、ヤリたいな」
「お金があれば別にいいけど、今は真白で我慢してね」
「なんで、お前で我慢しなきゃならないんだよ!!!」
「いや、だって、ミーライちゃんに真白が怒られちゃいますから、あと、無一文がメスを抱きたいと思うなと言う事ですね!」
「てか、俺は誰から給料もらえるんだ?」
「さぁ、真白の下につくからには、たーぷりとこき使わないといけませんね!」
「何、嬉しそうにしてるんだよ!!!」
「まぁまぁ、3ヶ月、3ヶ月でこの店をNo. 1にして見せます。3ヶ月もあれば、主人様も石像に魂を移せるようになると思います。そうなれば、真白と主人様で、真白が出来なかった事を、全て、堪能したいなって」
「うわっ、お前こそ、欲望に忠実じゃねぇかよ! てか、怖い、怖すぎる」
「えー? 真白は主人様を愛しているんですよ。愛していることになんで、怖いと言われなきゃいけないんですかね。今夜、眠れない夜にしてあげましょうか?」
「まぁまぁ、落ち着けよ。いや、俺は真白と主人様の恋路を応援するぜ!」
「本当! 黒常、たまにはいい事言いますね!本当に、たまには!です!」
「そこまで、強調しなくてもいいじゃねぇか。それで、改築案は想像できてるのか?」
「任せてください、速攻申請して、さっさと、仕事に取り掛かりますよ!!!」
「お、おう」
真白は娼館『天快楽』の店主になり、日々、様々なトラブルに見舞われながらも、真白はたった3ヶ月で『天快楽』を王都一の娼館の地位にまで登り詰めたのでした。
「おい、まさか、ここまでこれるなんて、驚きだな」
「ふふふ、真白の美貌の前には老若男女問わず、ひれ伏し、崇め、真白を欲してしまうのです。ふふふ、真白、最初は主人様以外のメスを抱くのは抵抗ありましたが、いや、そもそも、真白には主人様以外の体には無反応でしたので、その時は本当に大変でしたよ。でも、オスまでも真白を欲するとは、人間は本当に愚かな生物ですね」
「まっ、俺は可愛い子ちゃん達と遊べてよかったけどな」
「あっ黒常、他の店のツケ払いの請求書が真白に届いたのですが、これは、どう言う事なんですかね? お金がないならメスを抱く事をせず、真白に任せなさいと言ったじゃないですか」
「お前が一番たけぇだろうが!!!!」
「黒常にはお金もらいませんよ。相手の女性が増えたと知ったら、うぅうう、ミーライちゃん、今回も怒りそうで、黒常、もうそろそろ、ミーライちゃんと結婚でもしてみたらどうですか? それなら、真白が被害を受けずに、黒常が浮気をしただけど言う事で、黒常だけが、雷撃されるだけですからね」
「おい、お前、もしかして、俺の今までの女遊びを全て、言ってたのか」
「はい、全てミーライちゃんに報告済みです」
「おい!子供になんて事、教えてるんだよ!!! 子供の教育に悪いだろ!!!」
「いいえ、大人の話はせずに、黒常が人間の女性の尻を追いかけ回していると伝えているだけですって。まぁ、その都度、ゴウライさんが雷撃に打たれてましたけど」
「この悪魔!!! 真白こそが真の悪魔だ!!!」
「失敬な! 真白は主人様の愛人です!」
真白は娼館『天快楽』を自身の美貌、そして、毒を駆使して、No. 1を勝ち取ったのでした。そして、真白は、貴族でさえも、なかなか手が出せない程の高級男娼となり、真白の事を夜の月と呼び始めたのでした。
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