新しい虫人達の自己紹介 後編
次の自己紹介の方は人の姿ですね。彼女なら、私の仕事を手伝ってもらえそうですね。目つき怖いけど。
目つきが怖い女性の方は、百合姫さんが普段着ている特攻服?と言う暴走族、ヤンキーが着る服と主人様から聞きましたが、百合姫さんの配下という事でしょうか。
赤い特攻服を着た目つきが鋭い、金髪というより、黄色のショートヘアーで、主人様より少し背が高い感じですね。
「ヒャッハー!!! ひゃっは!ひやっはぁ!!!」
「はい? えーと」
彼女は首を傾げ、また叫びました。
「ひゃっはぁ!ひゃっはぁっ! ひゃっはぁ?」
「すみません、俺から自己紹介します。俺は百合姫様配下の強夜といいます。こいつの名前は狂子っていいます。その、キャサリンさん同様に狂子も、ヒャッハァー!!!! しか、言えないんです」
「なんと、彼女には是非ともこちらで仕事してもらえてないかと考えていたのに、意思の疎通ができなければ、難しいですね」
「ひゃはぁ」
狂子はショボンと肩を窄めた。
「でも、藍介様、こいつ、声を出さなければ人間に似ているので、声を発さなくても、あー、その、狂子は勉強が苦手で、かける文字が数字の1しか、書けないんですよね」
「ヒャッハー!」
狂子は紙とペンを何処からか持ってきて、数字の1をデカデカと書いた。
「ヒャッハー!!!」
狂子は目を輝かせて、藍介に数字の一が書かれた紙を見せつけた。
「綺麗にかけていますね。はい、狂子さんと強夜さんの次の方!!!」
次の方は蟻が2速歩行した姿であり、手には本を持っていました。
「始めまして、蝋梅妃様の配下のヤングと申します。私は現在、偽ダンジョンの罠製作担当をしております。藍介様は魔道具製作に精通しているという話ですが、こちらから魔道具を依頼したい場合はどうすればよろしいでしょうか? 私としても、より良い罠を作るために、新たな道具が必要だと感じたのですが、主人様なら簡単に作り出す事が可能、ですが! 主人様はその魔道具の仕組みを理解していません。なので! 藍介様に偽ダンジョンの罠の為に! 藍介様に私が考える魔道具を製作して欲しいのです!!! 出来れば設計図を作成してもらえると助かります! それと、その魔道具で使う際の材料なども購入したいと考えています!なので、お仕事が忙しい事は知っています。ですが! 偽ダンジョンの罠をより向上させる為に! 藍介様のお力をお借りしたいです!!!」
「そうですね。どのような魔道具が必要なのか教えてもらえれば、設計図と完成した魔道具を送ります。ヤングさんその話は後日、ゆっくりと話し合いましょうか」
「ありがとうございます」
くぅ! めっちゃくちゃ、有能そうな人じゃないですが!是非とも、私の仕事手伝って欲しい!!! けど、ヤングさんまさしく蟻! の姿なので、連れてくる事は不可能、それに、偽ダンジョンの罠の事しか考えていない! そんな方を偽ダンジョンから引き離す事はしたくないですね。
「それでは、最後の方!」
サングラスをかけ、丸い形の魔道具でしょうか?それを肩に乗せている男の方でした。DJさんですよね?
「oh!yeah! 藍介様、久しぶりだぜ! 皆んなのDJ!DJくぅーーー↑もぉぉおおおです!!!」
「やはり、DJさんでしたか、やけにテンション高いですね」
「そりゃあ、紅姫様、白桜様を手伝える姿になれましたんで、やっと、DJくぅぅーーー!!!もぉーーーお!は紅姫様と白桜様の手伝いに行けるというもんですよ!」
「そうですね。紅姫さんと白桜ちゃんもDJさんが来てくれたら喜びますよ」
「それに、花茶様もアイドル活動をしていると聞きました。音楽ならこの俺!!! に任せてください!」
「心強いですね。みなさん自己紹介ありがとうございます。それでは、明日、私と主人様と話し合いをした後に、人間の国での仕事を任せる方を決めます。夜分に集まってくれてありがとうございます」
新たな虫人達は自身の家へと帰り、主人様と2人きりになりました。
「主人様、その、彼等やけに個性的ですね」
「何言っているのよ、藍介達と同じぐらいでしょ」
「そうでしょうか?」
「それで、藍介は誰にするの? まぁ、任せられるのが3人しかいないけどね」
「真白、黒常、ミハエル、DJの4名ですね」
「やっぱりそうなるわよね。あっ、でも、ミハエルはそっちに連れて行かないわね」
「それはどうしてでしょうか? 販売員としてなら、彼の容姿はとても強みになると思うのですが」
「妻のキャサリンがダメと言うと思うわ」
「そういえば、奥さんなんですね。あの方は、そうなると、ミハエルさんを連れて行くとなると」
「キャサリンが付いて行くことになるわ」
「なら、残念ですが、ミハエルさんは見送りですね」
「あと、自己紹介に呼べなかった、シャドウと七福はフィリさんと一緒に鬼の国へ向かっているわ」
「桔梗国という事ですか? 何故、2人を送ったのですか?」
「まぁ、ちょっと変だなって思ってさ」
「変?」
「魔王さんが桔梗国にいるんでしょ? なのに、事態は全く解決していないし、その絶華ちゃんの婚約者の方は人間の国だけど、魔石精霊が守護している国みたいだけど、アさんから聞いたら、妹のエインさん、弟の氷月以外に、純粋な魔石精霊はいないみたいなのよ。だから、その国の魔石精霊は怪しいなって」
「何かを企んでいると言うのは分かりますが、それ以外の情報が入ってこないと言う事でしょうか?」
「絶華ちゃんから何回か連絡はあったけど、彼女からの情報しかない状態だからね。それなら、2人を情報収集にお願いしようかなってね」
「主人様はいつ、こちらへ来られますか?」
「まだ、1時間保つのがやっとと言うか、人形でしかやってないから、石像を動かすとなると、これもまた練習しなきゃまだ難しいわね」
「人形では動けるようになったと言う事ですね」
「まぁね。私が送った教会用の石像を動かすのは1ヶ月かかっちゃうかも」
「そうですね。王様にはもう少し待ってもらうと伝えておきます」
「大罪芸術には動きがあったかしら?」
「いいえ、現在、大罪芸術のメンバー候補である3名には接触、と言うか、偶然接点がありまして、その中でも、プライルと言う音楽家が花茶の熱狂的なファンでして、白桜が考案した握手会で、チケットを79枚をも、持ってきて何度も花茶と握手をした方なのです」
「その握手会のチケット入手方法って確か、物販での応援グッズを金貨1枚分購入すると手に入るランダムプロマイドの中に入っているのよね?」
「そうです。しかも、希少性を持たせる為にチケットは限定300枚となってまして、その中の79枚をプライルが当てたと言うことになります」
「どんだけグッズ買ったのよ」
「まぁ、そうなりますが、そのおかげで、花茶がプライルと言うファンを認識する事が出来たので、これからは、ファン会員特典などで花茶とデートできるなどで、彼を呼びつけることも可能と言う事ですね」
「花茶は大丈夫そうだった?」
「はい、ライネルは警戒していますが、花茶はプライルさんは良い人だよとの事です」
「大罪芸術に所属している以上、良い人ではないけど、花茶にとっては大切なファンって事なのよね」
「そうなりますね。その他のエビィとラスとは、私が商談で向かった公爵家の人間だったので、接点がありますが、白桜の蜘蛛達が屋敷に侵入出来たそうなので、その情報待ち、といった所です」
「一応、そっちの方も進んでて良かったわ」
「それが、もう一つありまして、現在、紫水には勇者教と聖女の監視として彼女の元に送り、教会内にあるとされる勇者の遺体を探してもらっていますが、連絡が一切入ってこない状態なのです」
「紫水なら、大丈夫だと思うけど、連絡がないのは心配になるわね」
「まぁ、今度、教会へ行く用事が出来てしまったので、私の方でも探してみようとは思います」
「いつも藍介ばかり任せちゃってごめんなさい」
「私が自身で行くと決めたのですから!主人様、謝らないでください!」
「でも、うーん、それなら、これ送るわね」
水晶から主人様に似た人形が送られてきた。
「もしかして! 主人様人形!!!」
「そう! しかも、私の魂が入れる人形よ! いつでも、は無理だけど、たまに、そっちへ行く練習でもしようかなってね」
「なら、水晶を返さずに主人様と話せるようになれるのですか!」
「そうよ、今晩は遅いからそっちには行けないけど、明日、そっちに向かうメンバーを会ってちゃんと決めましょうか」
「是非!!! 久しぶりに主人様に会えるなんて嬉しいです!!!」
「それじゃあ、また明日、おやすみなさい」
「はい!また明日!おやすみなさい!!!」
今日はいい日です。それに、明日も私にとって良い日になりそうですね! ん? 何か、重要なことを忘れているような? まぁ、明日、主人様に会ったら聞いてみますか………。あー!!! お風呂の件!!!聞いてない!!!!!
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