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異世界転移!?一般女子ゲーマーが死にゲー高難易度虫ダンジョンの主人になりましたが、少しゲームジャンルと違うような?  作者: 吉田 亜蓮
第四章 人間の国

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お風呂一緒に入る約束ってしたっけ?

 カストルのデートを終えて次の日、凪は布団の中で眠っていた。


「主人様、主人様、おはよう」


 誰かが体を揺すってくるので、凪は仕方なく目を開けた。


「ゔっ、うーん、あと、5分」


 寝ぼけていたので人の裸が見えて、ガールゥダが勝手に布団に入って来たんだなとだけ思い、また、凪は眠りについた。


「主人様! あー、寝ちゃったかぁ。それなら、後5分待とう!」


 そして、5分後、布団の侵入者は、もう一度、凪の体を揺すった。


「あー、もう、ガールゥダさん、勝負なんてしないわ!よぉ?」


 凪は起こされてガールゥダに腹が立っていたが、目の前には、髪が真っ白、肌の色も真珠のように白く、瞳は金色で、中性的な整った顔立ちの大人の色気を放つ女性がいた。


「えーと、貴方、どちら様? どうして、私の布団の中にいるの?」


 彼女は女性としては、少し低めの声をしていた。


「やっと起きましたか! 主人様!真白です! 虫人に進化出来ました!!!」


「真白!虫人に進化出来たのね!!!おめでとう!!!」


 凪は真白に抱きつこうとした時、ある、違和感を感じた。


「ねぇ、真白の胸真っ平と言うか、筋肉があるような?」


 凪は真白の体の下半身を見た。すると、そこには、女性には生えていない物が、真白には生えていた。


「ある!?!??!??? え!!!! え????」


 真白は女の子だと思っていた凪にとって、目の前にいる真白が男性だと言う事が受け入れられず、真白の顔を見ると、女性、でも、体は男性によって、凪はとてつもなく混乱した。


「主人様、 真白が虫人になったら、主人様のお背中流す約束出したよね。さぁ!主人様! お風呂行きましょー」


「待って、真白って女の子よね?」


「ん?違いますよ。真白はオスです!」


「オス!? え!? あんなに可愛い声なのにオス!?」


「あれ? 主人様どうかなさったのですか? さっ、さあ! お風呂!お風呂!入りましょー」


「うそー!!!! え、そしたら、え!?」


「もう、主人様、真白のかっこよさに驚いちゃったんですね。真白も虫人となって、すぐさま鏡を確認したら、かっこいい人が立っていて真白は驚きました!」


「その、真白、ごめんなさい。お風呂の約束は無しで、その、ごめん、パンツ履いてくれない?」


「お風呂の約束、無し、主人様は、真白に、嘘をついたのですか」


 真白はボロボロと大粒の涙を流し始めた。


 凪に罪悪感が押し寄せたが、それでも、男の真白とは一緒にお風呂に入れないわよ!と心の中で叫んだ。


「主人様、真白は、主人様のお気に入りなんですよね。だから、男湯に入ろうとした真白を呼び止めて、女湯に入れさせたんですよね。なのに、どうして、約束まで、したのに、真白、とっても、とっても、楽しみにしてたのに」


「真白、ごめんなさい。私、てっきり、真白は女の子だと思っていたの! あのね、私、思念伝達で聞こえる声で性別を判断してて、真白の声があまりにも可愛かったから、女の子なんだって勘違いしていたの!」


「そんなぁ。真白は、真白は、今まで、主人様のお気に入りだから、オスの長達でさえも入れない女湯に入れたと思っていたのに」


 凪は頭をフル回転させて、この状況の突破口を考えた。


「分かったわ、お風呂一緒に入りましょう!」


「本当に!!!」


 真白の顔が一瞬で晴れた。


「ほら、そうと決まればお風呂行くわよ!」


「はーい!!! 主人様とお風呂〜」


 2人は家の風呂場へ向かい、先に真白が風呂に入った。


「主人様、まだかな、まだかな、真白は精一杯! 主人様の隅から隅まで体を洗ってあげないと!!!」


 真白の様子を見た凪は、秘策を実行した。


 その、秘策とは、水着である!


「お待たせ、ほら、真白これ履いて」


 真白に黒い水着を渡した。


「なんで! 主人様、下着のままだとお風呂入れませんよ!!!」


「いいえ、これは、水着です!!!」


「なっ!? でも、でも、ほら、水着で洗えない部分が出来ちゃうじゃないですか、それなら、水着は着ない方が」


「私がいつ、裸で一緒にお風呂に入ると約束したかしら? お風呂に一緒に入りましょうしか、聞いてないわ!それなら、水着の着用可能よ!!!」


「分かりました。……水着姿の主人様を独り占めできるから、いいか」


「ほら!思う存分洗いなさい!」


「はーい!」


 こうして、秘策によって最低限体を隠すことに成功した凪なのでした。


 浴槽に入る時、通常の家庭の浴槽の大きさである為、真白が先に入り、凪が真白の上に乗る形となった。


 真白は嬉しそうに凪を抱きしめ、凪の肩に顔を乗せた。


「主人様〜。大好きです」


「真白の事は友達として、好きよ!」


「真白は、主人様の恋人、いえ、愛人になりたいのですが、どうすれば、主人様の愛人になれますか?」


「愛人!? いや、その、真白は私の愛人になりたいの?」


「はい、愛人は夫よりも、愛される人なのでしょう。なら、真白は夫よりも、愛人になりたいんです」


「へぇー、そう、なんだ。でも、私、今は、愛人を作ろうとか考えてないから、真白が私の愛人にはなれないかな」


「真白はもっと、主人様に愛されたいです。でも、真白には、藍介様のように賢くないし、紫水様みたいに水を操る力があるわけでもない。灰土様みたいに屈強な体でもなければ、緑癒様のぷりっとしたお尻じゃないし、それに、イデアおじちゃんみたいに不死身じゃないし、真白には何にもないんです」


「そんな、事ないわよ。真白は頑張って勉強してたじゃない」


「はい、でも、真白は毒を作る事しかできないし、それも、特定の毒しかできなくて、殺傷能力が低い毒しか作れないんです」


「殺傷能力って、まぁ、その、自分が得意な事を伸ばせばいいんじゃないかしら。それに、もう15分経ったし、出ましょうか」


「え、もう、出ちゃうのですか。真白はもっと、もっと、主人様を抱きしめたいのに」


「のぼせちゃうからダメよ。ほら、出ましょう」


「はーい」


 凪と真白はお風呂から出て、凪は体をタオルで拭くと速攻自分の部屋に行き服を着替えて、真白にはパンツと黒の浴衣を渡した。


 真白は浴衣に着替えると、主人様の部屋に向かった。


「主人様、ご飯食べましょー」


 すると、主人様の部屋には褐色よりも黒い肌をした、無精髭のパンツだけを履いた男が立っていた。


「よお!真白!」


「も、もしかして、国常!!!」


「どうだ、この渋さ! かっこいいだろ! この姿なら、ミーライから逃げれるだろ!」


「黒常、おじさんじゃないですか。これは、ミーライちゃんが逆に逃げますね」


「よっしゃ!!! その言葉を待っていた! ミーライコールからこれでおさらばだ!!!」


「ミーライコールって、それだけ国常には嫌だったって事なの? そう言う割にはミーライちゃんと話すの楽しそうにしてたじゃない」


「俺はボン!ギュッ!ボン!のナイスバディの女しか興味ないからな! 例えば、紅姫だな!」


「どうして、男の人ってそれしか言わないのかしらね? ライネルも花茶に言ってたし」


「真白は主人様一筋です!!!」


「真白も相変わらずだな、しかも、速攻で約束を叶えに行くなんて」


「約束は約束ですから、真白は満足です」


「主人様も災難だな」


「まぁ、なんとか、なったし。2人が虫人になったと言う事は、桑胡達も虫人なれたのかしら?」


「えーと、桑胡はまだだったな、たしか、俺達以外だと、狂子が虫人になってたな」


「それなら、繭から出た子達を集めて欲しいんだけど、お願いできるかしら?」


「真白に任せてください!!!」


「分かった。1時間あれば集められると思う」


「1時間後に庭に集合で、よろしくね」


「はーい!!! 真白、頑張ります!」


「んじゃ、俺達はあいつらを探しに行って来ます」


 虫人となった黒常と真白は他の虫人になったであろう、仲間達を集めに向かったのでした。

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― 新着の感想 ―
漸く進化を終えました。 ……他の皆さんに知られたらトンデモナイコトになることを平気でするなんて。 果たして逃げ切ることが出来るのか?……好みの娘に成長させる「光源氏計画」を教えたらどうなるのかな?
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