カストル初めてのデート計画
朝、私が目覚めると、久しぶりにクエスト取得画面が目の前に出現していた。
クエスト一応クリア
ダンジョン評価F達成
クリア報酬:配下の成長率アップ
ダンジョン評価:E取得条件
悪者をやっつけよう!
いつの間にか一応クリア?してた! で、報酬が配下の成長率アップ? それって、あの子達がより賢くなるって事?なのかな? で、次のランク条件は、悪者をやっつけよう? 急にどうしたんだろう? 悪者ってリリアーナよね? それって、ダンジョン評価を上げる為にはリリアーナを倒さなきゃいけないって事!? もう、上げる事出来ないじゃない! まぁ、この頃、ダンジョン評価の事忘れてたけどさ、気長にやるしかないかぁ。
私が布団から出ると、隣の布団で寝ていた真白が白い繭に覆われていた。
「嘘!? これって、真白!? もしかして、進化するの!?」
私は庭に出て生徒達の元へ向かうと、全員白い繭になっていた。
「と、言う事は、七福とシャドウも繭になっちゃってる!? フィリちゃんこんなタイミングでごめんなさい。どうか、七福とシャドウを見守ってあげてね」
そして、フィリと景雹は桔梗国へ行く途中で白い繭になった七福とシャドウをどうしようか悩んでいた。
「フィリ、七福が!七福が真っ白な繭になっちゃってるよ!!!」
「枝も同じ状態だな、置いていくか?」
「フィリ、それは2人が可哀想じゃないか」
「はぁー、こいつらが動けるようになるまでここで野宿だな」
「ここって魔物がうじゃうじゃいる森じゃ」
「景雹、零鐘に守ってもらえよ」
「ブギィッ!」
零鐘は任せろと手を上げた。
「零鐘! やはり、我の相棒はフィリと同じぐらい頼りになる!!!」
フィリと景雹は七福とシャドウが動けるようになるまで魔物の森で野宿をするのでした。
そして、魔王国にいる青雷は念願の繭となった。
「イデア様!イデア様!!!」
「ラックル君、慌ててどうしたのですか?」
「それが、青雷君がまた繭になったんです!」
「繭という事は、とうとう青雷君が進化するという事ですね」
「はい! 青雷君、次はどんな姿になるのかな」
「流石に次は虫人になるんじゃないですかね。そうなれば、より一層、仕事を押し付けても大丈夫。それで、私は久しぶりに凪さーんに会える!!!」
「それは、多分、ないと思いますよ」
その間、カストルはと言うと、ガールゥダと一緒に主人様とのデート計画を練っていた。
ガールゥダは秒単位のデートスケジュールが書かれたホワイトボートを見ていた。
「これ、楽しく無いだろ。なんだこれは、10時花畑で1時間10分雑談をする。昼食『レストラン黄花』移動15分15秒って、秒単位で計画を練るのはやめろ」
「いや、このスケジュールは完璧だ! ちゃんと俺は、一度このタイムスケジュールでリハをやったから大丈夫だ!」
「やめておけ、そのスケジュールで進められなかったらどうせ、焦り過ぎて何も出来なくなるぞ」
「そんな事ないぞ、ふっ、その為の策を35通り作ってある!!!」
自慢げに35通りのデート計画が書かれた紙をガールゥダに見せた。
「バカだな、この紙が無ければ、お前は何も出来なくなるだろ。計画を立てるのは大切だが、計画通りに進めようとして、デートを楽しむどころか、計画に囚われてしまうぞ」
「ぐっ、た、確かに」
「俺なら、こうする」
ホワイトボートを裏返し、ガールゥダはホワイトボートに『女と寝る』と書いた。
「女を落としたければ、女を床で満足させればいいだけだ」
「満足って、どうやって」
「それはだな」
ガールゥダはカストルに生前抱いてきた女達の話をした。
カストルの顔が真っ赤になっていた。
「無理だ!!! そもそも、そこに行き着くことすら、出来てないのに、何もかも、すっ飛ばしてそんな事できる訳ないだろ!!!」
「そうか? 俺が抱いた女達はすぐに股を開いたぞ」
「くそぉ!!! 聞く人を間違えた!!!」
「まぁ、今のカストルじゃ、無理か。なら、他には」
ガールゥダは『プレゼント』と書いた。
「女は美しい花を贈れば喜ぶ、デートをする前には花を必ず用意しないといけない。それと」
ガールゥダは『デートスポット』と書いた。
「デートスポットを調べる事が大切だ。そして、虫に、行きつけのデートスポットを100匹に聞いた結果、洞窟だと、教会、湖、ムシムシレース会場、ダンスフロアが人気だな、その中で一番人気なのは、教会だな。恋人同士で主人様の像に祈りを捧げるのが、今の虫達のブームみたいだな」
「い、いつの間に、これほどの情報を集めたんだ!?」
「シャーマンにお願いし、情報収集をしてもらった」
「シャーマンさん有能だな」
「あいつは何でも出来るが、人を煽る事に人生を捧げているからな、だから、あいつの人格は最低な奴だ。だから、あのクソ猫と仲が良いのかもしれないな」
「シャーマンさんは猫次郎と良く一緒にいるからな」
「で、だ、今回のデート先は無難な湖でいいんじゃないか、だが、洞窟内の湖か森での湖なのかは、カストル、お前が決めろ。それによって、計画を立てればいい」
「さ、さすが師匠!!!俺、もう一度考え直してきます!!!」
「そうか、秒単位とか分単位での計画はやめろよ」
「了解です!!!」
こうして、俺はガールゥダ師匠に何度も何度もデート計画書を提出、訂正を繰り返した結果、17回の訂正を経て、俺はやっと、完成されたデート計画書を凪さんに提出しに彼女の部屋に向かった。
俺はフードを深く被り、あまり顔を見せないようにして、凪さんに話しかけた。
「な、な、な、な、な、な」
緊張のあまり、俺は『な』しか言えなかったけど、凪さんには伝わったみたいだった。
「あら、カストルさんどうしたの?」
「こ、こ、こぉ、れ」
「虫達が繭になっちゃったからテスト結果ではないわよね? えーと、デート計画書ね。あー!そう言えば、デートの約束してたわね」
「で、で、で、デート、あ、あさって、これで、お願いします」
「湖でデートね。了解、カストルさんデート楽しみにしてるわね」
「はい!!!!」
こうして、カストルは明後日の初デートに向けてガールゥダの元でデート準備を始めたのでした。
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