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異世界転移!?一般女子ゲーマーが死にゲー高難易度虫ダンジョンの主人になりましたが、少しゲームジャンルと違うような?  作者: 吉田 亜蓮
第四章 人間の国

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ムシムシランドと主人様との対面

 シャドウの活躍により、真白の落とし穴から脱出したフィリ、景雹、七福、シャドウであったが、フィリ以外の3人は心に相当なダメージを負っていた。


「ゔうゔぅ、拙者、もう、授業ちゃんと受けるでござるぅ。ゔぅう」


 シャドウはシナシナと体が曲っていた。


「零鐘どうして助けにきてくれないんだ!!!」


「景雹さんは強いなぁ、僕、もう帰りたい」


 七福は景雹の頭の上にとまっていた。


「にゃ!にゃ!にゃ!最高だったにゃ! もう、笑いすぎて腹が捩じ切れるかと思ったにゃ〜あ」


「ほら、猫次郎、毛刈るぞ」


「にゃ! もう、腹の毛はやめて欲しいのにゃ、すぅーすぅーしてへんな感じなのにゃ」


「じゃ、背中だな」


 フィリは猫次郎の背中の毛を1センチ切った。


「にゃ〜、もうそろそろ落とし穴も飽きたからさっさと次の罠に行くのにゃ〜」


「ほら、お前ら行くぞ」


 フィリは萎れた枝と猫次郎と一緒に次の罠へ向かった。


 その後を2人はしぶしぶ付いて行った。


「ねぇ、フィリさんだけずるくない?」


「それは、わかる。どうして一度も我とキスしてくれなかったんだ」


「そういえば、景雹さんの話だとフィリさんは奥さんなんだよね? どうしてキスしてくれなかったの?」


「いや、それは、フィリは恥ずかり屋さんだから、誰かが見ている時に我とキスするのが嫌だったんだろうな、普段ならフィリからキスをせがむのだからな!」


「えー、フィリさんの様子だと、違うような気がするなぁ。もしかして、景雹さん、僕に嘘ついてない?」


 七福は景雹を疑い始めた。


「我が魔物に嘘をつかなければいけないんだ? 魔物に嘘を言う奴なんていないだろ」


「まぁ、そっか、そうだよね」


 七福は飛び、景雹の頭からフィリの頭に着地した。


「うわっ、急にあたしの頭に乗っかるなよ」


「七福!? 自殺行為でござるよ!」


「まぁまぁ、フィリさんに質問なんだけど、景雹さんとの結婚式ってどんな感じだったの?」


「はぁ? 景雹との結婚式? 何言ってるんだ。あたしと景雹は結婚してないし、そもそも、付き合ってもないぞ」


「やっぱり、景雹さん僕に嘘ついてたんだ」


「もしかして、あいつ、七福に何が吹き込んだんだな」


「それがね」


 七福は景雹から聞いた話を全て話した。


「フィリ!!!! 我を置いていかないでー!我疲れたー」


 歩くのに疲れた景雹地面に座ってしまっていた。


「はぁー、連れてくるべきじゃなかったよなぁ」


 フィリは仕方なく景雹の元へ向かった。


「フィリさん、景雹と付き合うのはやめた方がいいと思うな。フィリさんならもっといい男の人がいると思う」


「そうでござる。さっきの話を聞いて、妄想をあたかも真実のように話すのはどうかと思うでござる」


「同棲というより、あいつは居候だからな」


 フィリが景雹の前まで来ると、景雹はフィリに抱きついた。


「フィリリリリリ!!! 我もう、歩けなーい」


「はいはい、景雹、枝を持ってくれ」


 フィリは景雹にシャドウを渡した。


「解放!からの!拘束!」


 フィリは軽々景雹を持ち上げてお姫様抱っこをした。


「フィリさん力持ち! 景雹さん、いや、景雹!僕に嘘をついてたな!!!」


「嘘ではない、我は真実しか話していない!少し、誇張しただけだ!フィリリリリリ!!!かっこいい!我、かっこいいフィリが大好きだーー!!!」


 景雹はフィリの肩に手を伸ばし彼女のほっぺにキスをした。


「誇張じゃなくて、妄想だよ。もう、次の罠はムシムシランドだよ」


「ムシムシランド?」


「大きな遊園地なんだ、この罠を作った理由が確か、楽しい場所を提供したら、一生その場に留まるんじゃないかって、後、僕たちが遊べる場所を増やしたかったんだって」


「ヤングって奴、本当に虫なのか?」


「さぁね、あ!ムシムシランドだよ!」


 入り口から漏れ出る光の中へ入ると、そこには、巨大な門があり、看板にはムシムシランドと書かれていた。


 フィリ達が門の前に行くと、門が開き、そこには、魔石の淡い光が差し込み、沢山のアトラクションや食べ物屋がある遊園地であった。


「洞窟の中に建造物、本当になんでもありだな」


「さぁ!遊ぶでござるよ! 拙者のオススメは当然!ジェットコースターでござる!」


「僕はメリーゴーランドが好きだな」


「グルグル周りだけで何が楽しいのかわからないでござる」


「えー、楽しいのになぁ」


「我、降りる。我、フィリをエスコートしたい!」


「エスコートってただ、単に遊びたいだけだろ」


 フィリは景雹を降ろすと、景雹はフィリの手を掴んで遊園地へ入って行ったのでした。


 フィリ達は遊園地を楽しみ始め、最初は七福オススメのメリーゴーランド、その後、ジェットコースター、ムシムシレースミニ! など、様々なアトラクションを楽しんだのでした。


「枝! ジェットコースターもう一回行くか!」


「いいでござるよ!」


「にゃ〜、俺は疲れたから休憩するのにゃ〜、動くと毛玉以外も出ちゃいそうだにゃ〜」


「ゔっ、僕も、疲れた」


「我は、ジェットコースター、好きじゃない。それに、うっぷ、我、ちょっと、休む」


 コーヒーカップを全力で回したフィリによって、景雹、猫次郎、七福は気持ち悪くなり、3人ベンチで仲良く休憩をした。


「情けないでござるよ。よし、フィリ! あっちのジェットコースターはなんと一回転するのでござるよ!」


「回転?どんな感じなんだ?」


「それは、もう、グルッと!」


「面白そうだな!行くか!」


 フィリとシャドウはジェットコースターに向かった。


 3人がベンチで休憩していると、女性が3人に話しかけてきた。


「やっぱり、遊園地は侵入者には要らないんじゃないかしら?」


「にゃ!? あ、主人様だにゃ!?」


「あ!主人様だ!遊びに来たの?」


「我、それよりも、吐きそう」


「ほら、この袋で吐きなさい」


 女性から袋を渡された景雹はその中に吐いた。


「主人様どうしてムシムシランドに来たのかにゃ? 俺ちゃーんと、罠に嵌めてたにゃ」


「それなんだけど、もうそろそろ、この2人の素性が知りたいなって思ってね。本当なら全部の罠を試したかったけど、絶華ちゃんがお兄さんに合わせてって連絡がきちゃって、ヤングには申し訳ないけど、今回はここでお終いって事になったのよ」


「絶華、やはり、零鐘が言っていたのは真実だったんだな」


「貴方が絶華ちゃんのお兄さんの」


「景雹だ。だが、すまない、我は絶華とは会いたくない」


「そう言われても、もう、水晶持ってきちゃったから」


 主人様は水晶を取り出した。水晶には景雹の妹の絶華が映されていたのでした。

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― 新着の感想 ―
漸く脱出できた……犠牲者には一応冥福をお祈りいたします。 スフィンクス(毛のないネコです)にはならなかったみたいですね。残念♪ 遊園地に到着。特訓場では無かったのですね。(詳しくはマンガ「忍空」で♪…
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