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異世界転移!?一般女子ゲーマーが死にゲー高難易度虫ダンジョンの主人になりましたが、少しゲームジャンルと違うような?  作者: 吉田 亜蓮
第四章 人間の国

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ドワーフと鬼 鏡の迷宮 後編

 景雹は七福と共に鏡の迷宮を攻略していた。


「景雹さん鏡のせいで道がよく分からないようになってるから、こう言う場合は、これ!」


 七福は帽子の中から綺麗な石を取り出した。


「これを目印にしておけば同じ道を通らなくて済むようになるよ」


「そうなのか? この罠は七福に任せる!」


「えー、最初から僕任せって楽しくないじゃん、こう言うのは一緒に知恵を出して攻略するのが楽しいのになぁ」


「我は歩くだけで大変なんだ」


「景雹さん運動不足なんじゃない?」


「ふっ、ベッドの中でなら我の体力は無限だが、ベッド以外での我の体力は赤子に等しいからな!」


「いや、それを自慢げに言うのはどうかと思うよ」


「所で、七福、この洞窟は魔蟲の洞窟なんだろ? 文献に載っていたのとは少し違うような気がするんだが?」


「あー、ここは偽ダンジョンでね、アトラクション、罠だらけの洞窟なのさ!」


「偽ダンジョン? っと言うことはここは魔蟲の洞窟じゃないってことなのか!」


「あっ、言っちゃった。僕の馬鹿!」


「この洞窟の脱出方法はあるのか?」


「そりゃあ、ここの罠を全てクリアしたら脱出できるよ。でもね、ここの罠は沢山あるからね。僕が考えた罠もあるんだ!」


「はぁー、なんて所に入ってしまったんだ。フィリ、やはり、戻るべきだったんだよ」


「フィリって景雹さんと一緒にいた女の子だよね? あの子凄いね、景雹さんを抱き抱えながら棒を避けたりして、景雹さんよりもフィリちゃんの方が頼もしいよね」


「フィリはドワーフだからな、筋力は他の種族よりも高く、彼女はAランクの冒険者なんだ!」


「ほぉ! 冒険者! いいね!冒険者! 僕のトレジャーハンターと少し似てるよね。ねぇねぇ、そのフィリちゃんの事もっと詳しく教えてよ」


「なに!我の愛しのフィリになんのようだ!」


「うわっ、急に大声出さないだよびっくりしたなぁもう、それなら、フィリちゃんと景雹さんはどうして一緒にいるの?」


「それなら、話してあげても良いが」


「うん! 僕知りたいんだ!」


「フィリは我の妻でな、その馴れ初めというのが」


 こうして、景雹は少し歪曲されたフィリとの馴れ初めを七福に話し始めたのでした。


 その間、1人で鏡の迷宮攻略をしているフィリは、順調に進み、迷宮の中央付近まで進んでいた。


「ここまで整備されている罠なのに、どうして、石があるんだろうな、もう、これを使ってくれって言っているもんじゃないか。それに、なんか、変な視線かんじるんだよなぁ」


 辺りを見渡しても鏡だけだが、視線を感じ続けていた。


「はぁー、景雹の奴は大丈夫かな? やっぱり連れてくるべきじゃなかったな」


 フィリが歩いていると、地面に一本の枝が落ちていた。


「枝? 木なんて生えてないのにどうして?」


 フィリは枝を手に取った。


「ん、これ? まぁ、いいか」


 フィリは手に持った枝に違和感を持った。


 そして、枝を持ちながら鏡の迷宮を進んでいくと、枝が少し動いていることに気がついたが、気にせず1人で進んでいた。


 フィリが鏡の迷宮出口付近までつくと、枝が動き始めた。


 フィリの手からするりと抜け出し、枝がフィリの前に立ち塞がった。


「とう!!! この鏡の迷宮からでたくわ、拙者を倒すがいい!!!」


「やっぱり、魔物だったか」


「やっぱり? ふっ、笑わせるなでござる! 拙者のスーパー擬態の術で、拙者を枝と勘違いしていたではないか! さぁ!尋常に勝負!!!」


 フィリは一瞬で枝と距離を詰め、枝を掴んだ。


「ひぇっ、は、早いでござるぅ!!!」


「でぇ? あんたはあたしにどうやって勝つの?」


 フィリは強く握った。


「ぎゃぁ!!!! 死ぬ!死んじゃうでござるぅう!」


 フィリは握る力を緩めた。


「ほら、あたしにどうやって勝つのか言いなさいよ」


「ごめんなさいでござるぅ!!! 離してー!お願い!離してでござるぅうううう!!!」


「離して欲しいならこの洞窟の攻略方法全て教えてくれたら解放してあげてもいいわ」


「全てでござるか? それは、欲張りでござる」


「へぇー」


 フィリは少しだけ力を入れた。


「分かったでござる! 案内するでござる!!! だから、離して!!!」


「さっきも言ったでしょ、この罠だらけの洞窟から脱出、出来たら、離してあげるわ」


「うぅ、七福の方いけば良かったでござる」


「七福って誰なの?」


「七福は拙者の仲間でござる」


「あんたに名前あるの?」


「拙者シャドウ!!! 魔蟲の洞窟を守護するスーパー忍者でござる!!!」


「忍者なのに正面から戦いを挑むなんて、忍者の面汚しじゃない?」


「そ、そんな事、ないで、ござるぅ」


「さぁ、シャドウ、あたしを洞窟の出口まで案内するのよ! あと、出るついでに景雹を見つけなきゃ」


「ついでって、あの鬼には七福が一緒だから探しに行かなくても大丈夫でござるよ」


「そう、なら、さっさと出口に行くわよ!」


「その、拙者逃げぬから、離して、欲しいでござる」


「ダメよ」


「くぅ、子供だと侮ったばかりに、こんな目に」


「あたしもう27だぞ」


「27って、27歳?」


「そう」


「そんな、嘘つくなでござる! 27歳にしては幼いすぎるでござる! 人間図鑑だとお主は10才ぐらいでござる!」


 シャドウはポンッと風呂敷を出し、風呂敷の中から巻物を取り出した。


「あんた、ドワーフのこと知らないの?」


「どわーふ? 待つでござる。えーと、どわーふ、どわーふ、あった! ドワーフは手先が器用な小人だと書いてあるでござる。だから、お主は小さいのだな!」


「そういうこと、それじゃ、案内ついでにこの洞窟いや、魔蟲の森と洞窟について話してもらうか」


「えっ、拙者は忍者、情報をそう容易く話すなど考えないほうがいいでござるぅぅううううう!!! いやぁ!!! その、ちょっと力入れるのやめて欲しいでござるぅう!!! 話す!話すから握りつぶさないでぇ!!!!」


「よろしい、じゃあ、あたしが知りたい事全てはなせよな」


「ゔぅゔ、七福!!! 助けてでござるぅ!!!」


 こうして、フィリには自称忍者のシャドウと共に行動することとなり、偽ダンジョン攻略に挑むのでした。

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― 新着の感想 ―
それぞれに水先案内人が付きました。一応寂しくはならなくなりましたね。一人は虫質?になりそうですけど(笑) ツッコミが無いばかりに間違った情報をここぞとばかりに伝えるなんて。 果たして無事に抜け出せ…
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