相棒からの連絡
草爛と炎燃に拷問(焼き豚)にされかけた零鐘は久しぶりに景雹に思念を送り、さっき起こった出来事を伝えた。
景雹はフィリと一緒にギルドに向かっている最中に零鐘から思念が送られたきた。
『わっ! 零鐘!びっくりした!!!』
『ブィギ、ブギィィィ、ブギィ!ブギィ、ブギィッ、ブギィィィブギィィィ!ブギィィィィィィィィィ!!!(景雹、俺さっき、やばかったよ! 草爛と炎燃に景雹の居場所は何処だって拷問されたんだよ!俺、焼き豚になるところだった!!!)』
『焼き豚!? 詳しい話を聞きたい』
『ブギィ』
零鐘は桔梗国で今起こっている事を全て話した。
『絶華に求婚、それで、怪しいから魔王が様子を見にきて、絶華は大喜びで今の現状を楽しんでいるんだな。やはり、我よりも絶華こそが桔梗国の王に相応しいな』
『ブィギ、ブィブィギブギィッブギィィィ(そうだけど、このままだと家臣達が人間との婚姻を進めようとしているんだ)』
『あいつら、本当に相変わらずだな、我の時で痛い目にあっただろうに、零鐘、また山を凍らすか?』
『ブギィッブィ(怒られるの怖い)』
『仕方なかろう、我は勝手に知らん女と婚姻されかけ、王として、無能の我を担ぎ上げようとした、あやつが悪い、我にあやつらの資産を強引に取り上げられ、あやつらは涙が出るほど痛い目に遭ったというのに、我の大切な妹にまで、我と同じ事をするとは、やはり、あやつらの資産となる山をもう2つ程度、凍らせ、山の恵みを受けさせぬ、ようにするのが良いのではないか』
『ブギィッ、ブギィィィイイイイ!(ダメだよ、民が困ってしまうだろ!)』
『だが、あやつらを懲らしめるのはこのぐらいした方が良い、フィリなら、家臣相手に槌で叩き潰すと脅すんだろうな。うむ、それなら、我はフィリを見習って、この件に関する家臣全てを凍らせるのはどうだ?』
『ブィ、ブギィッ(それ、鬼殺し)』
『良いではないか、殺させる様な真似をするから、いけないのだ。よし、そうと決まれば、フィリに頼んで我と一緒に帰省してもらおう』
『ブギィッ!? ブギィィィイ!!!(それってつまり!?帰ってくるの!!!)』
『ただし、フィリの仕事が終わり次第、そちらへ向かうこととする。その前にフィリの婚姻を結ばなくてはな』
『ブィ、ブィギ?ブギィィ、ブギィッ?(さっきから、フィリ? その人は一体、誰なんだ?)』
『フィリはな!家出をして、賊に騙され無一文となった我を助けてくれた、ちょーう!スーパー可愛いマイスゥイートハァーニィーなのだ!』
『ブィ、ブギィッブィブギィッ(あ、この話めんどくさそうだからまた今度で)』
『零鐘!? あ!勝手に思念伝達を切ったな!まぁ、国へ帰ったら沢山話すとするか』
「景雹、驚いたり、笑ったり、殺気だったり、急にどうしたんだ?気持ち悪いぞ」
「すまない、ちょっと、考え事があってな」
「考え事? まぁ、くだらない考え事だろうから、あたしは聞かないでおくよ」
「えー!!!そこは、『我のこと知りたいから話して』って言ってくれても良かったんじゃないか」
「めんどう、以上」
「フィリリリリリリィィィ!!!」
そして、フィリと景雹はギルドに到着して、ギルドマスターのメモリーに会った。
応接室でソファにフィリと景雹、向かいのソファにはメモリーが座っていた。
「やっぱり、彼を連れて行く羽目になったんだね」
「連れて行かないから!」
「フィリは照れ屋さんだね」
景雹は隣に座っているフィリに抱きつき、フィリは景雹の顔を手で押し返していた。
「やめろって!!!」
「フィリィィィ!!! フィリ、あの、痛い、ちょっと、手加減を、いたたたたた!!!!」
景雹はフィリの小さな手に頭を掴まれ、彼女の鍛治士としての握力によって、景雹は頭が砕かれると思うほど痛いかった。
「死んじゃう!我、死んじゃう!!!!」
「いやー、ほんと、仲良いね。フィリ、ニース様と結婚したくなかったら彼と結婚すればいいんじゃない?」
「おー!!! メモリーさんもっと言ってやってください!我と結婚すれば、あのクソ野郎となんか結婚しなくて済むし、そうすれば、我、久しぶりに国へ帰れる」
「あれ? 景雹、国に帰りたかったの?」
「それが、ちょっと、友人が焼かれかけまして、助けたいなと」
「友人が、焼かれる!? え?それって、大丈夫なのか!?」
「助かったみたいだけど、またいつか、焼かれるかもと友人が言っていまして、フィリ!!! 魔蟲の森の調査が終わったら桔梗国に我を連れて行って欲しい」
「分かった、この依頼が終わったら桔梗国に向かうよ」
「えっ!いいの!我はてっきり、あたしはついて行かないと言われるかと考えていたのに」
「簡単さ、景雹を帰せば、もう会わなくて済むからね」
「ひどぃい!?! 我の友人を助け出したら、我はフィリと共に愛の巣へ帰る!」
「愛の巣って、何処だよ」
「武器屋に決まっているだろう、我が居なかったら武具が売れ残るわけだし、我がいなかったら、フィリは寂しくなってしまうだろ」
「全然寂しくないし、あたし1人でも武器を売ることができるわ!!!」
「本当に仲良いね」
「仲良くない!」
「メモリーさんもっと言ってください」
「2人ともいい夫婦になれるよ」
「やめろって!!!」
「よっ、メモリーさん、いや、メモリー様!もう、いっちょ!」
「早く、君達の子供がみたいねぇ」
「飛躍し過ぎだろ!!!」
「フィリとの子!? いやー、この旅でこさえるのも、手だな」
「なにがこさえるだ!この馬鹿!!!」
「いったぁーーーい!!!」
フィリは景雹の頭を殴り、そして、フィリと景雹は魔蟲の森の調査へ向かうのでした。




