居候の鬼
ドワーフ族の女性フィリは有名な鍛治士の父親とおおらかで優しい美しい母親の元に生まれ、母親の美貌、父親譲りの手先の器用さで将来有名な鍛治士になる事を志していた。
彼女の見た目は母親譲りの整った顔、髪色は茶色みが強い赤色で、瞳は黒く、ドワーフ特有の体型、そう、彼女はロリ巨乳なのである。
フィリはギルドからの依頼を請け、自宅に帰宅した。
武器屋兼工房そして自宅である彼女の店は客足が悪く、鍛治士だけでは生計が立てられないため、彼女は仕方なく、冒険者となりその稼ぎで店を維持させていた。
「ただいま」
彼女が店のドアを開くと、カウンターで桃色の髪が特徴的な2本角を頭から生やした鬼の男が、彼女を出迎えた。
桃色髪の鬼は、色白で細身であるが2メートル程の長身であり、タレ目の赤い瞳、目元に泣きぼくろがあり、彼は優男であった。
「フィリ!!! おかえり!!! 今日は!なんと! ビキニアーマー売れたんだ! やっぱり、時代はビキニアーマーだね!」
「はいはい、それで、その防具以外は売れた?」
「ダガーが一本だけだね」
「はぁー、今日は二つしか売れてないんだね」
「まぁまぁ、鉄削減で作ったこのビキニアーマーが売れたって事は、これから、女性冒険者がこのビキニアーマー欲しさに来店してくれるさ!」
「まぁ、彼女らの目的は武器や防具より、景雹目当てだな」
「我はイケメンだからね! そうそう、フィリ、我が頑張って売ったのだから、ご褒美が欲しいな、そう、例えば、フィリから我に口付けとか、我がフィリに口付けとか、それか、一緒に風呂に入るとか、その後にベッドで沢山汗を流すのも、それと、朝目覚めたら、おはようの口付けとか」
「景雹、こっちきて」
「まさか!口付けをしてくれるのか!!! やっと、やっと!フィリが我の努力を認めてくれたのだな!」
景雹は嬉しそうにフィリに近づいた。
「ほら、屈まないと出来ないよ」
「な! くぅぅうううう!!! フィリ!愛してる!!!」
景雹はフィリに抱きつこうとしたが、フィリは景雹を交わすと、頭を一回だけ撫でてあげた。
「はい、ご褒美終わり。あたし、ギルドから依頼を受けたから、明日も店番よろしく」
「頭撫でてくれるフィリも我だーいすきだ!!!」
「あたし腹減ったから飯作る」
「我はフィリの作るご飯も大好き!!! フィリ!フィリ!我、肉の気分!!!」
「はいはい、居候のくせに生意気に料理のリクエストするなんて、はぁー、あたし、景雹を甘やかし過ぎなのかな」
「フィリが我を甘やかしているだど、それって、つまり、フィリが我のことを、ス、キ、っていう事だよな!!! はぁーーー!!!!フィリ我の愛を受け取ってくれ!!!」
また抱きつこうとしてくる景雹をフィリは巧みに交わして、台所に向かった。
「つれない、フィリも我は大好きだー!!!」
フィリは夕飯の準備をして、二人は仲良くテーブルに座り、肉汁滴るステーキを食べていた。
「うまい!この焼き加減!最高!」
「肉と言ったらワイルドホーン!」
「フィリ、ギルドの依頼で何処に行くんだ?」
「アスラスム国の禁足地、魔蟲の森」
「禁足地!? そ、そ、そんな! 危ない場所に行くの!?」
「一人でね」
「なっ!? ひ、一人だって!? フィリ!それは危険すぎる!」
「1人の方が動きやすいから大丈夫よ。それに、即席パーティーを組んだところで逆に連携不足で全滅よ」
「うん、我も行く! フィリ!1人じゃ危険だ! 我も一緒に着いていくぞ!」
「あんたはあたしの店の店番よ。そもそも、あそこまで旅する体力ないでしょ」
「ある! フィリと出会ってから約2年間、フィリとのベッドの為に必死に鍛え上げてきたこの腹筋を見よ!」
景雹は服をまくり、6つに割れた腹筋を見せつけた。
「ヒョロヒョロ鬼が頑張ったわね」
「フィリ!我の努力を認めてくれるのだな! そうなれば、食事も済んだ事だし、一緒にお風呂!」
「嫌に決まっているでしょ、それに、景雹は足手纏い確定だから、店番してなさい」
「それは出来ない話だ! 愛しのフィリが危険な場所に行くというのなら、夫である我も同行すべきだからな」
「いつの間にあたしの夫になっているのよ!」
「そりゃあ、2年も同棲すれば、夫だろ」
「あんたの場合は居候よ、い、そ、う、ろ、う! それなら、あんたをここまで連れてきてあげた分の依頼料を払ってもらおうかしらね」
「我は無一文だったが、我が店番をして商品を売っているので、あの時の依頼料はもうチャラになっているはず」
「チャラになるわけないじゃない! 桔梗国から、ここまでどのぐらい大変だが分かっているの!それに、あんたの正体が分からない状態なのに、あたしの家に匿ってあげているのだから、店番ぐらいしてもらわないとね」
「だって、我の正体明かしたら、フィリは、我の事、帰そうとするだろ」
「当然よ! で、あたしにあんたが一体何者なのか話す気になった?」
「言わぬ!我は言いたくない! それに、我はフィリに出会ってしまった以上、フィリが我と結婚をし、父上に挨拶をする時でないと、我は絶対に帰らぬ!」
「それなら、一生帰れなくなってもいいってわけね」
「それぐらい我はフィリを愛しているからな」
「はぁー、なんで、あたしなんかを好きになるのよ」
「フィリは魅了的で、かっこよくて、強くて、家出をして、餓死しかけていた鬼を助けてくれる。優しく美しい心を持つ、我が出会ってきた女性の中で最高の女性がフィリなんだ!」
「はいはい、明日から準備始めなきゃいけないから風呂入って寝るわ」
フィリは立ち上がり、お風呂場へ向かった。
「それなら、フィリ!我が背中を流してあげよう!」
景雹は彼女の後を追った。
「嫌に決まってるでしょ!!!」
フィリは景雹の腹に一撃を喰らわした。
「ぐっ、フィリ、まだ、筋肉が、足りない、かぁ」
景雹はその場で倒れたのでした。
その後、お風呂から出たフィリは廊下で伸びている景雹を担ぐと、彼の部屋のベッドに彼を寝かし、自分の部屋に戻ったフィリは明日の準備の為に買い出しする物をメモに書いてから眠ったのでした。
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