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異世界転移!?一般女子ゲーマーが死にゲー高難易度虫ダンジョンの主人になりましたが、少しゲームジャンルと違うような?  作者: 吉田 亜蓮
第四章 人間の国

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これで、凪さんと

 猫次郎がバカンスへ行っている間、カストルは無事にウィザードキングリッチに進化した。


 黒い光が徐々に光が薄くなり、その黒い光の中から美青年が現れ、彼はその場で倒れていた。


「今日もカストルさんはまだ、って!? 男の人が裸で倒れてる!?」


 第一発見者はカストルの様子を見にきた主人様であった。


 主人様は男にタオルを被せた。


「ふぅ、ここで倒れているって事は、このイケメン君が、カストルさん? いやー、カストルさんがまさかイケメンとはね。でも、スケルトンが進化したら人の姿に戻るのかしら?」


 主人様はタオルを被せたカストルを見つめた時、カストルは目覚めた。


 黒い光の中で自分の欲望を体現した夢を見続けていたカストルはこんなに簡単に夢が叶うのかと考え、結果、自分はまだ進化を終えてなく、今体験しているのは夢であると確信し、今まで行ってきたあま〜いあま〜い夢が一気に絶望に変わっていた。そして、カストルが目を覚ました時、目の前には主人様が自分を見つめていた。


「んん、ん、あっ」


 進化して前世の姿に戻ったカストルは主人様と目を合わせた瞬間、彼女はカストルに微笑みかけた。


「おはよう、カストルさん」


「あ、ああああ!!!!!!!」


 カストルとってその笑顔はカストルの心を一撃で貫いた。


 カストルの顔は真っ赤になり、興奮のあまり、カストルはその場で気絶した。


「えっ!カストルさん大丈夫!?」


 主人様はカストルを魔石を使って運び出し、布団で寝かせてあげた。


「服着せてあげればよかったかな、でも、男の人の体をベタベタ触るのもねぇ。まっ!布団で寝かしておけばいいでしょ。うんうん、でも、男性用の洋服適当に置いておこうかな」


 カストルは目を覚ますと、そこには、猫次郎と相部屋の見慣れた天井が目に入り、あの主人様の微笑みも自分の欲望が作り出した夢なのだと考え、カストルは落胆した。


 布団から出た時に自分が裸なのを知り、体を手で隠した。


「って、誰もいないんだから隠す必要ないか。あれ?誰かが、服を用意してくれている?」


 布団と隣に下着と服とローブ畳まれて置かれていた。


「待って、そもそも、俺はどうして、布団の中で寝ていた? それって、つまり、廊下で目覚めた時は、現実だった?という事? それって、つまり、俺の体主人様に全部見られったってこと!?!??!?」


 カストルは恥ずかしさのあまり布団に潜り込んだ。


 やっちゃった、やっちゃった、どうしよう、どうしよう。俺の体、凪さんに見られちゃった!!! しかも、布団まで運んでもらって、洋服まで用意させて、何やってるんだ、俺!!! これじゃあ、凪さんにかっこよく告白して、恋人なんて、できるわけ、いや、待てよ。前世の俺の姿になったなら、顔は完璧、肉体も。


 カストルは自分の体をまじまじと見た。


 うん、完璧だ。少し、痩せこけているような気がするけど、これから筋肉量を増やせば灰土にも負けない肉体になれるはずだ、それと、やっと、ムスコが帰ってきてくれた!!! 死ぬ前に一度も使ってあげられなかったムスコ、これで、やっと、ムスコを使ってあげられる。よし、早速、夢で何度も練習した必殺技で凪さんをメロメロにして、俺の初めてを凪さんに捧げるぞ!!! 俺!頑張るぞ!!!


 カストルは主人様が用意した服とローブを着て、主人様に会いに向かった。


 居間に行くと主人様はお煎餅を食べて寛いでいた。


 カストルが居間に入ると、主人様は気付きカストルに話しかけた。


「カストルさんおはよう。進化おめでとう」


「あ、あ、その、あ」


 カストルは彼女を直視するこが出来ず、言いたいことも言えずに言葉を詰まらせていた。


「カストルさん、また顔が真っ赤よ。スケルトンって熱がでるのかしら?いや、もう人の姿しているから、スケルトンじゃないのか、それなら、熱が出るのも無理ないか。カストルさん体調が悪いなら布団で寝てた方がいいわよ」


 主人様は立ち上がり、カストルのおでこに手を当てた。


「ほら、やっぱり、熱があるわ」


「あ、あ、あぁぁああああ!!!」


 カストルのおでこに主人様の手の温もりを感じ、夢の中での必殺技やなんやら考えていたのが真っ白となり、カストルが出す言葉が『あ』しか、いえない状態となった。


「あ、あ、ああ、あ」


「だ、大丈夫!? ほら、体調悪いから早く布団で寝てなきゃ!!!」


 主人様はカストルを気遣い、彼の背を手で押して、彼の部屋まで連れて行った。連れて行かれている間もカストルはずっと、あー!!!!!と叫んでいた。


「進化して、色々と混乱しているのね」


 主人様に強制的に布団で寝かしつけられたカストルは顔を枕に隠し、さっきの自分の不甲斐なさを恥、それと、新しい作戦を考えていた。


 凪さんに話す事ができない、どうしよう、彼女を見ると、考えている事が全て、消し飛んで、彼女に触れられるだけ、もう、死ぬほど嬉しい。俺は一度死んでるけど………。ど、ど、ど、どうしよう。俺、進化したのに凪さんに話せないんじゃ意味ないんじゃ、これじゃ、告白なんて夢のまた夢、叶う事が出来ないじゃないか、それはマズイ、かなりマズイ、まだ、凪さんは俺の部屋にいてくれている。なら、ありがとうぐらいは伝えよう。それぐらい、俺だって、出来る。そう、一度話せればさっきみたいに言葉が詰まることなんてないさ、さぁ!俺!やるぞ!!!


 カストルは顔を枕に隠した状態で起き上がり、主人様がいるであろう場所に枕越し言葉を放った。


「うわっ!びっくりした。カストルさん体調が悪いなら寝てなさい」


「ぁりがぁ、とぅう」


「ん?何か言った?」


「ぁりがぁ……とぅ」


「ありが、あ!!! ありがとうね!別にいいのよ。進化したばかりで混乱しているんでしょ。なら、その混乱が落ち着くまでゆっくり休んでた方がいいわよ。それじゃあ、私はアさんの特訓行くからじゃあね」


 主人様は部屋から退出した。


「い、言えた!!! 俺、言えたぞ!!!凪さんと会話できた!!!」


 顔を隠しながらなら話す事が出来ると確信したカストルはローブを深めにかぶるようになり、主人様と話す時はローブで顔を隠しながら話すようになったのでした。


 カストルは猫次郎にとある相談をした。


「にゃ、にゃ、にゃ、うけるにゃ〜。ローブで顔隠さないと話せないとか論外だにゃ〜」


「うるさいぞクソ猫」


「にゃっ、にゃっ、にゃ! これじゃ、ガルガルの方が主人様とコミュニケーション出来てるにゃーよ」


「そんな事ない、主人様はガールゥダをめんどくさがっているぞ」


「そにゃあ、毎日決闘だとか、女、俺と勝負だ、とか、女、手合わせしろだとか言われ続けたら、いくら心優しい主人様でも、嫌になるにゃ〜」


「ふん、そんな奴に俺が負ける事はない」


「いいにゃ〜、そもそも、カスカスは何も発展すらしていない負け犬だにゃ!!!にゃにゃにゃ!」


「このクソ猫!!!」


「俺に相談するのが間違いなのにゃ!」


 カストルは猫次郎の首根っこを掴んだ時、ドタバタと煩かったので主人様が2人の様子を確認しにきた。


「カストルさん、猫次郎をいじめちゃダメでしょ」


 カストルは慌てて猫次郎を放し、ローブで顔を隠した。


「い、いじめ、て、ない、こいつ、が、わるい」


「にゃ〜主人様〜、カスカスの相談聞いてあげたのにゃ〜、そしたら、カスカス怒り始めたのにゃ!相談聞いてあげたにゃに、ひどい奴にゃ!」


「猫次郎がカストルさんをからかうのが悪いのよ。猫次郎も少しは反省しなさい」


「そんにゃ〜、真実を言っただけなのにゃ〜」


「女!!!今度こそ、俺が勝つ!!!勝負だ!!!」


 突如、ガールゥダが乱入してきた。


「ガールゥダさん、毎日、毎日、勝負しろ!ってくるのやめてもらっていいかしら? 私だって色々やる事あるんだから」


「今度こそ、勝つ、そして、お前を俺の女とする」


「なにバカな事言っているの。はぁー、シャマシャマ、ガールゥダさんを金色丸の所へ連れて行ってあげて」


 シャマシャマはガールゥダに赤い鳥の被り物を被せると、ガールゥダの意思とは関係なく、勝手に体が動き始めた。


「くそ、シャーマン、また、俺の邪魔をしやがって」


 シャマシャマは親指をグッと主人様に向けた。


「ナイスシャマシャマだにゃ!」


「ナイスシャマシャマさん!」


 こうして、ガールゥダは金色丸と手合わせに向かい、猫次郎は主人様の腕の中で寛ぎ、1人部屋に残されたカストルは、ガールゥダの突然の告白に驚愕し、そして、またしてもライバルが増えたことに、焦りを感じたのでした。

 

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― 新着の感想 ―
折角進化できたのに前途多難ですね。ライバルは沢山いるから……もうケッコンしているのは知っているのですか♪ モテモテですね♪どこに主人の平穏はあるのかな?
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