猫次郎旅に出るにゃ! 前編
「にゃにゃにゃにゃぁ〜ん。暇だにゃぁ〜ん」
黒い光に包まれたカストルの前で猫次郎は床に転がっていた。
「にゃ〜。からかえる奴いなくて暇だにゃ〜。主人様には怒られちゃったし、パラディンボーン様にもやり過ぎたと注意されちゃったにゃ〜。悲しいにゃぁ〜、暇だにゃ〜、そうにゃ! 新しい友達(奴隷)を見つけようかにゃ!」
猫次郎は新たな友達(奴隷)を探す旅をしようと考え、猫次郎は魔蟲の森まで走って行った。
「でも、1人だけだと寂しいにゃ、それに、久しぶりに遠くの方に旅したいにゃーね」
猫次郎は1人で行くのが寂しいので、友達(奴隷)を召喚することにしました。
「カスカスは瘴気石なしで召喚できるけど、バーンだと、2つ必要にゃーね」
瘴気石をお尻から出すと、猫次郎は自身の魔力を瘴気石に当てた。
「バーン!召喚だにゃ!!!」
2つの瘴気石が砕けて、魔法陣が地面に出現すると、空を飛んでいたバーンが魔法陣から現れた。
「うわっ!えっ!? 俺っち、さっきまで桑胡さんと追いかけっこしていたのに、どうして、こんな所にいるっすか!?」
「にゃ!成功だにゃ! バーンは俺の移動手段になってもらうにゃ」
「成功? 猫次郎!俺っちに何したんっすか!」
「いや、ただ召喚しただけだにゃ〜。それじゃあ、バーン適当に南に進むにゃ〜」
猫次郎に言われた瞬間、バーンの体は自分の意思と関係なく、猫次郎を背に乗せて、力強く羽ばたいた。
「くっ、なんで、体が勝手に、動くっす」
「にゃにゃにゃ!!! 俺に召喚されたらその間、召喚された者は俺の命令は絶対服従だからにゃ〜」
「なっ!そんな技あるなんて知らなかったっすよ!」
「にゃ〜。召喚する必要がなかったからにゃ〜」
「俺っちじゃなくて、他の奴でも良かったんじゃないっすか?」
「いいにゃ〜。バーンなら遠くに行ってもすぐに帰れそうだからにゃ〜。南の国にバカンスでもいくにゃ〜」
「南の国でバカンスっすか? それじゃあ、そこまで運んだら俺っち帰らせてもらうっすからね!」
「ほんじゃ、レッツゴー!!!にゃっ!!!」
バーンは南へ向かい、小島に到着した。
「ここで、いいっすよね」
「ほぉ! にゃかにゃか、良さげな所にゃ〜」
その小島には昔、人が住んでいた形跡がある小島であった。
「それじゃ、俺っちは帰らせてもらうっすね」
「帰りたくなったら召喚するにゃ〜」
バーンは猫次郎を小島に置いて、帰って行った。
「にゃ〜。それじゃ〜、友達(奴隷)を作ろうかにゃ〜」
猫次郎は周りの匂いを嗅ぎ、小島にある誰かの墓についた。
「にゃ、ここに瘴気石を埋めれば、スケルトンが誕生するにゃ〜」
猫次郎は瘴気石を一個地面に埋めた。すると、土から骨の腕が飛び出してきた。
「うわっ、びっくりしたにゃ! 脅かすんじゃないにゃ!」
スケルトンはゆっくりと土から這い出て、そのスケルトンは体長2メートル程の大きさがあった。
「ほぉー! にゃかにゃかの大きさだにゃ、しかも、少し強そうだにゃ、俺がお前に名前付けてやるにゃ、そうだにゃ〜。名前はスケスケだにゃ!」
猫次郎は誕生したばかりのスケルトンにスケスケと言う名前をつけた。
「友達(奴隷)第一号だにゃ!」
「オ、マ、エ、ダ、レ、ダ」
「にゃ! スケスケ喋るのかにゃ!」
「オ、レ、ス、ケ、ス、ケ、ジャ、ナイ。オレ、ハ、ガールゥダ」
「ガールゥダかにゃ? ふーん、スケスケでいいにゃ」
「ガールゥダ」
「スケスケだにゃ! よし、スケスケ、もっと友達を増やすにゃー!!!」
「カラダ、ガ、カッテニ、ウゴク」
スケスケは猫次郎を抱き抱えると、仲間の墓へ向かい、猫次郎は次々と墓に瘴気石を埋め込み、沢山のスケルトンを誕生させた。
「ふぅー!沢山友達(奴隷)を作れたにゃ!」
「オマエ、ナニモノ、シシャ、ガ、イキカエッタ」
「にゃっにゃっにゃ!俺は魂猫にゃ!」
「スピリット、キャット、シャーマン、ナラ、ワカルカ?」
スケスケが見つめたスケルトンは首を横に振った。
「シラナイ、カ」
「にゃ〜、俺は珍しい種族だから知らないのは仕方ないにゃ〜」
「オマエ、オレ達、イキカエラセテ、ナニガ、したい?」
「スケスケの言葉が悠長になってきたにゃ? そうなると、スケスケは元々強い人間だったと言うところかにゃ」
「ニンゲン、ハンブン、ヨクジン、ハンブン」
「翼人? スケスケは飛べるのかにゃ?」
「イマハ、ツバサ、ナイ」
「翼が無くても飛べるワイバーンを知ってるにゃ。よし!バーンを召喚するにゃ!」
猫次郎はバーンを召喚した。
「またっすか! くそぉ、あと少しで優勝者が決まるって時に!!! で!次はなんっすか!!! って!? なんっすか、このスケルトン達は!!! 猫次郎、主人様にこのスケルトン達が見つかったら、怒られるっすよ!」
「友達(奴隷)を増やしただけにゃ〜。それでにゃ〜。バーンにはスケスケに空を飛ぶ練習をしてあげて欲しいのにゃ〜」
「スケルトンが飛べるんっすか?」
「バーンは飛んでるにゃ」
「まぁそうっすけど」
「トモヨ、ソノ、スガタデ、ソラ、トベルノカ?」
「なんか飛べるんっすよ。ほら!」
バーンは骨の翼を大きく広げて、力強く飛び立った。
「オー! トモヨ! アリガトウ! オレデモ、トベル、キボウガデキタ!」
その後、スケスケはバーンと共に空を飛ぶ訓練を始め、猫次郎は生き返らせたスケルトン達を使ってバカンスを満喫したのでした。
「にゃっ、にゃっ、にゃぁー! 最高に楽しいにゃ!」
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