愛しの癒し人形
仕事で疲れが溜まり、何度も過労死して、私、不死身ですから何度も復活しても、終わらない仕事、荒んだ心に癒しが欲しいと思っていたら、なんと!凪さんが私の屋敷に遊びに来てくれたのです!!! ですが、その方法が少しばかり不安ですね。
魂を人形に入れるなんて、ドーレーラムさんでさえも、未だに使えない魔法だと言うのに、超位魔法を何回も連発するとは、魂が疲弊して消えて無くなる可能性が高いのですがね。
私の眼には凪さんの魂の半分が完全に人形の中に入っている。魂を半分にするのも危険な行為、ですが、可愛い!!! トテトテ歩く姿が愛らしい!!!もう、可愛い、私の荒んだ心が凪さんの可愛さで癒されていくのが分かります!!!
「はぁぁぁあ!!!! なぁぎぃさぁん!!!可愛い!!!可愛すぎますって!!!」
私は凪さんに頬ずりをたくさんしました。それは、もう、凪さんがもういいと言うまでずっと、ずっと、スリスリしましたよ。
「もう、私あと5分しかいられないわよ」
「そんな、あと5分しか凪さんに甘えられないのですか」
「甘えるって、まぁ、人形になった経緯はクティスの記憶を見てもらえれば分かるから、私は少しばかり、イデアさんの屋敷を探検させてもらうわね!!!」
「私の屋敷探検ですね!!! お供します!」
「ガウガ!(僕も!)」
「いえ、クティスは仮面に戻ってください。記憶を確認したいので」
「ガウガァ〜、ガウガ、ガウグルルガウ(そんなぁ〜、なぎぃ、僕も一緒に探検したい)」
「イデアさんに経緯話すの面倒だから、クティス、仮面に戻ってもらっていい?」
「ガウガァ〜(わかったよぉ〜)」
クティスはやっと仮面に戻り、私はクティスが凪さんの家で暮らしていた記憶を確認しながら、トテトテと歩くとっても可愛い凪さんの探検の様子をみていました。
凪さんは廊下に出ると辺りを見渡していた。
「それにしても、広いわねー。それに、ドアがいっぱい」
「凪さん何処か気になる部屋はありますか? 私がドアを開けますよ」
「あと少ししかいれないから、廊下を歩くだけにするわ」
「そうですね。その、次はいつ人形になるのですか?」
「明日かなぁ。カストルさんから話を聞いて欲しいって言われちゃって、今日話を聞こうと思うのよね」
「明日! 明日も来てくれるという事で間違いないですか!!!」
「えぇ、人形を動かすのに慣れないといけないから、毎日こっちにお邪魔させてもらうわね」
「ま、ま、毎日!? それは、本当ですか!!!」
「あっ、ごめん、もう時間ね。それじゃあ、また明日!」
「はい!また明日!!!」
立っていた人形はコテッと床に倒れた。
凪さんの魂が見えない。凪さんの魂は自分の体に戻ったと言うことですね。
イデアは人形を拾うと自室へ戻った。
「この人形、凪さんの匂いがします!!!」
イデアは人形の匂いを嗅ぎ始めた。
「すぅぅうううううう!!! はぁ!!!! これは、凪さんの匂いで、私は、私は!!! はぁぁぁあ!!!!最高!です!」
凪の匂いを堪能したイデアはある事を考えた。
普段の凪さんの格好の半袖と短パンの洋服ですが、それも、それで、いいのですが、たまには、そう、ドレスなんかを着てもいいような気がするのですよね。そうすると、人形用のドレスを購入したいですが、ドーレーラムさんに私が人形用のドレスを購入した事がバレた場合、凪さん人形を持っていかれる可能性が大、そう、凪さんが毎日屋敷に来てくれるのは嬉しいですが、人形が動くイコール! ドーレーラムさんが欲しがる可能性、1000パーセント! まずい、これは、まずいですね。ドーレーラムさんには凪さん人形の存在を知られないようにしないといけません。そうなると、ですよ。
イデアは凪人形を守る為に、屋敷の従業員に伝え、外に情報が漏れないようにした。
「これで、存分に凪さん人形と毎日心置きなく遊べます。それに、久しぶりにデート! も出来るのではないですかね! 今までの苦労が報われました!」
イデアは凪人形を枕元に置いて、一緒にベッドで寝たのでした。
それからと言うもの、毎日、凪はイデアの屋敷を訪れ、その度にイデアは仕事を中断して凪と遊びにいくので、イデアの元で仕事を手伝っている蜘蛛達も休憩時間が増え、蜘蛛達は主人様がもっと来てくれる事を願うようになったのでした。
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