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異世界転移!?一般女子ゲーマーが死にゲー高難易度虫ダンジョンの主人になりましたが、少しゲームジャンルと違うような?  作者: 吉田 亜蓮
第四章 人間の国

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白桜の屋敷のパーティー前日

 藍介と灰土達が王様に会い1月が経った。


 藍介は自分の側にいたら花茶に危険が及ぶと考え、紅姫に花茶を預けた。


 白桜は花茶を有名な歌姫にするべく、花茶のプロデュースすることに決めた。白桜のプロデュース力は藍介よりも上で瞬く間に花茶の人気は上がり、今では貴族達からパーティーの招待状が山のように送られてきているのであった。


 そして、白桜はこの機会に屋敷でのパーティーを開くことに決めた。そこで、自身が手掛けたドレスを発表する為、ファッションショーと花茶のライブを行うことにした。


「いやー!花茶! 外で遊びたーい! ライネルお兄ちゃん助けに行くー!!!!」


「ダメよ。早くリハを終わらせて明日に備えるんだから」


「花茶疲れたー」


「何よ、一番疲れているのは、お母様よ!」


 紅姫は何度も何度もドレスを着替えさせられ、早着替えを習得した。


わたくし、もう、ドレスなんて、着たくないわ」


「お母様、お母様のその美しさで貴族のアホな男達を魅了し、大罪芸術について情報を聞き出すの!」


「紅姫さん、花茶疲れたーよ。少しだけ休もうよ」


「そうね。疲れが明日に残ってしまうと明日のパフォーマンスに支障をきたすわ。なので、わたくしも一緒にティータイムを」


「2人とも、ダメよ。まだ、準備は終わってないし、お母様はあと5着、花茶は本番さながらのリハを30分後には行ってもらうわ」


「えー! 花茶あと何回歌えばいいのー!」


「白桜、もう少し、お手柔らかにできないかしら? わたくし、疲れちゃって。それに、この子達も疲れ切っているわ」


「あんた達、疲れてないわよね! 明日のパーティーを完璧にするには!!!!」


『僕達頑張が、もっと頑張ること!!!』


「よろしい! あの子達はまだ働き足りないと思っているわ。それに応えるのが上のあたし達の勤めでしょ」


「彼らに休みを与えるのがわたくし達じゃないかしら?」


「お母様、明日のファッションショーは完璧にしなきゃいけないの。あたしのドレス達、そして、お母様の美貌! その全ての集大成が明日なの。だから、お母様、あと5着、頑張りましょ!」


「ゔっ、そう言われちゃうと、わたくし、頑張らないといけないじゃない」


「お母様」


 白桜は目を潤ませながら、紅姫を見つめた。


「分かりました、わたくし頑張るわ」


「ありがとうございます! さぁ! あと10着頑張りましょう!」


「待って、さっき、5着って言ってたのに、どうして、急に増えたの!?」


「それは、さっきまで着てもらっていたドレス、なんだか、微妙なのが混ざってたので、ちょっとだけ増やしておこうかなって」


「どうして、倍に増えるのよぉ!!!」


 紅姫は蜘蛛達に連れて行かれ10着のドレスを着替えさせられた。


 そんな紅姫の様子を見た花茶は白桜に満足してもらって一発でリハを終わらせようと決心したのでした。


 高級洋服店ブロッサムのオーナー兼デザイナーの白桜が開くパーティーには、沢山の名だたる貴族達の名前がリストに書かれていた。


「まさか、こんなに早く王族まで誘えるとはね。でも、緑癒様が言っていた男はいないわね。でも、その弟か、王様はこっちの味方っていう話だけど、本当かなって思っちゃうのよね」


『白桜様、我らの準備も完了しました』


「初めてのパーティーでも、これほどの貴族達を呼べれば、スパイを潜り込ませることが可能ってね」


『計200名、潜入、可能です』


「よくやったわ。ちびちゃん達には酷だけど、小さく見えにくい貴方達だからこそ、できる事なのよ」


『馬車に侵入し、敵の情報を得る。さすが白桜様です』


「ただし、単独行動は避けなさい。すぐに死んでしまうわ。2人1組で必ず行動すること、片方が死んだ場合、必ず生き残った方は必ず帰還する事、あと、深追いは禁物よ」


『分かっております。我らの命は白桜様と紅姫様、そして、主人様の為に!』


「天井部隊はどう?」


『彼らも情報を記録する為に、魔石を持たせております。貴族が話す事全て記録する事が可能です』


「藍介様の情報力に勝つには、大胆な事をしないとね」


『それでは、失礼致します』


「えぇ、明日が本番よ。今夜はゆっくり休みなさい」


 蜘蛛達はゾロゾロと白桜の部屋から出て行った。


「これで、準備は完了っと。大罪芸術、暗殺ギルドって話だけど、芸術っていうなら、あたしのファッションショーと花茶のライブは魅力的じゃない?それなら、藍介様も掴めない情報をあたしが手に入れる事で、主人様に褒めてもらうってね! ふふふ、主人様の寵愛を奪うチャンス! 絶対に成功させてみせるわ!!! それに、王族との関係を深められるチャンスもあるわけだし、花茶とお母様に頼るのではなく、あたしもちゃんと動かなきゃね」


 そして、次の日、白桜の屋敷にてパーティーが開催された。


 白桜の屋敷へ向かう馬車に男2人が乗っていた。


「歌姫花茶って言う子のライブ?楽しみだね」


「エビィ、ありがとう!!!本当にありがとう! このパーティーに出席する為に、この俺が全力で貴族に媚びたんだが、俺が知る貴族達は全滅だったんだ!」


「だから、公爵家である僕に頼ったと」


「仕方ないだろ。俺は有名人だが、今回招待を受けれなかったんだ。普通、最高峰の音楽家である、この俺を呼ぶべきだと思うんだけどな!」


「まぁ、ラスの招待状を貰った事で入れるわけだし、後で、ラスにお礼しときなよ。今回、パーティー嫌いのラスが珍しく参加したいって言ってさ、招待状奪うの大変だったよ。何度も殺されかけたことかぁ」


「ラス嬢には珍しい奴隷でも贈るか」


「そうだな、天国が描けたから、次は地獄を描きたいって言ってたな、それで、使いたいのは、聖職者だってよ」


「それは、教会の人には言えない話だな」


「でさ、新しい宗教が出来たらしいんだ、教会も敵対視しているみたいでね。その中で一番恐れられているのが、凪教の教皇と名乗る、緑癒って言う緑髪の男っていうわけだ、彼をラスの手土産にするって言うのはどうだい?」


「緑癒様をラスに渡すのは反対だ。なぜなら!花茶が凪教の信者だからな!そして、俺は凪教に改宗しようと考えている」


「まさか、歩くプライドって言われている君が少女に恋とは面白いな!」


「彼女との出会いは、運命そのものだ。彼女に合わせてくれた、女神、凪には感謝するしかない。だから、俺は勇者教を辞めて凪教に入る!」


「僕達、大罪芸術との縁はどうするんだい?」


「そんなの今まで通りでいいだろ。そもそも、俺達は人を殺せればいいだけであって、勇者教を信じているわけじゃないだろ」


「まぁね! 僕達が自由に生きているのは、僕のおかげだからね!」


「でも、エビィ、どうして教皇の下に付いたんだ?」


「簡単さ! 彼に僕達の罪を全てなすりつける為さ!」


「可哀想なのは教皇だな、俺達を操っていると本気で思っているからな」


「彼は、欲深いただの人間だからね。ラス風に言うと、汚い人だね」


「もうそろそろだな、あー! 花茶のライブ楽しみだ!物販とかあるって話だし、エビィ! 金の準備は大丈夫か!」


「えーと? パーティーなのに何か買うのかい?」


「ライブだぞ!ライブ! 花茶を応援する為の道具が沢山売っているんだ! しかも! 今回のライブ特典は! 花茶のドレス姿のブロマイド!って言う話なんだ」


「その、ブロマイド?ってなんだい?」


「え!? エビィ知らないのか!? この本物と同じ精度で描かれた絵の事さ!」


 プライルはシルバーのピアスを触わり、花柄のファイルを取り出した。


「これが! ブロマイドさ!」


 プライルは花茶のブロマイドで埋め尽くされた花柄のファイルを開いてみせた。


「凄いね!この子が歌姫花茶なのかい?」


「そうだ! 可愛いだろ。このブロマイドは2回目のライブの時の物販で初めて売られた今じゃ手に入らない初期回限定版のブロマイドなんだ、そして、このファイルも! 初回限定特典付きの限定版ファイルなんだ!」


「す、凄い、熱量だね」


「俺が唯一、許せない事がある。それは、花茶の初ライブを行けなかったこと!そして、今回も、招待状がないばかりに、花茶のライブにいけないと絶望していたんだ。でも、エビィのおかけで! ライブに行ける!限定ブロマイドを買える!エビィ!本当にありがとう!」


「君に喜んでもらえて僕も嬉しいよ」


 屋敷に着くまでエビィはプライルが歌姫花茶について話を聞き続け、エビィは窓の外を眺め、早く、早く、屋敷に着いてくれと思っていたのでした。

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― 新着の感想 ―
自分の欲望に忠実ですね、このクモさんは(・・;) 情報源は複数ある方が良いのは、間違いないですけどね。 末期の症状が……もはや手遅れですね。
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