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異世界転移!?一般女子ゲーマーが死にゲー高難易度虫ダンジョンの主人になりましたが、少しゲームジャンルと違うような?  作者: 吉田 亜蓮
第四章 人間の国

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主人様は頑張る?

 王様との謁見後の食事会が終わり、藍介達は屋敷へと帰っていった。


 凪はアにどうやって外に出られるのか聞いていた。


「ねぇ、アさん、氷月に押し付ける事はできなそうだから、ダンジョンから出るのに他に何か方法があるの?」


「氷月に押し付けるのが一番簡単なんだけど、本人は嫌がるから一番面倒な手段になっちゃうのよね。そして、もう一つが、凪ちゃんはこれから自分の姿に似た人形に自分の魂を入れる練習をします」


「自分の魂をいれる?それって、死んじゃうじゃない!!!」


「死ぬ事は無いわよ。仮死状態ってところかしらね。まぁ、私の本体は鉱石だから死という概念そのものが無いんだけどね。凪ちゃんの場合は人間と精霊だから、人間としての死がある一方で、氷月のおかげで精霊でもある。精霊ならば、魂を違う器に入れても死ぬ事はないし、そもそも、精霊には肉体が無いのよ」


「でも、マランさんのシェーフさんはどうなの? お菓子とか普通に食べてたわよ?」


「彼女は上位精霊だから、自身の魔力で肉体を作り上げる事ができるわ。彼女を例にするのではなく、他の精霊で例えると、そうね。精霊達がどうして動物の姿をしているかわかるかしら?」


「えー、動物の姿が好きだから?」


「それは、そうとも言うけど、動物の肉体という器に精霊はその器に自分の魂を入れる事で、下位精霊でも肉体を持ちながら活動することができるようになるのよ」


「それで、私も精霊だから魂を人形にいれれば外で動ける様になれるってことなの?」


「そう言うことよ。でも、凪ちゃんにはとってもキツイ試練になるかもしれないわね」


「精霊だから魂を移動できるって、私、そんなことできるの?」


「それをできる様に指導するのが私よ」


「外には出たいけど、死にかけるとなると話は別というか、王様に会いに行く時だけ氷月をここに拘束させようかな?」


「それは、無理よ。あの子が全力で逃げると思うわ」


「アさんでも全力で逃げる氷月を捕まえる事は難しいの?」


「正直、あの子は魔石精霊として生まれた時からずっと、全力って言うのを知らずに生きてきた訳だし、それが、もし、全力を使わざる得ない状況に陥れた場合、どんな事をしでかすのか、予測不能なのよね」


「それは、そうね。氷月なら何をしでかすか分からないわよね」


「だから、凪ちゃんにはこれから、魂を移す練習をしてもらいます。大丈夫、魂がどっかに行かない様に結界を張るし、仮死状態の肉体を保存するためのベッドを私が作ってあげるわ」


「えーーーと、外に出たいけど、死ぬ可能性があるのは嫌だな」


「嫌だなじゃなくて、やるのよ! 今日は私が凪ちゃんの魂を移動させてあげるから、人形を準備して頂戴」


「やらなきゃダメ?」


「ダメよ」


「ねぇ、ダメ元で氷月を捕まえるのじゃだめ?」


「それが、一番の時間の無駄よ。ほら、人形を作って、そうね。最初は小さなぬいぐるみでいいんじゃ無いかしら? でも、体の作りは自身の体に似させてね」


 凪は自分に似た掌サイズのぬいぐるみを作った。


「これで、どうよ!」


「可愛いじゃない! それじゃあ! 一度、やってみようかしらね!」


 アは部屋に魔法陣を描き、その後、凪は布団で横たわり、彼女の隣には人形が置かれた。


「よーし!やるわよ! 幽体アストラ!」


 アが魔法を唱えると凪の魂が人形へ移った。


 数分後、凪は目を覚まし、周りを見た。


『え! アさんがデカくなってる!?』


 アは人形を手に持った。


「凪ちゃん、人形になった気分はどう?」


『え? 私、人形に入れたの?』


「鏡を見ればわかるわよね」


 アは鏡がある部屋に連れて行き、凪は人形になった自分をまじまじ見つめた。


『ほぉへぇー! 本当に人形になってる!? へぇー、これなら、外に出れるってこと?』


「そうよ。ダンジョンから完全に出る事は出来ないけど、肉体をダンジョン内に置いておけば、魂は何処へでもいけるのよ」


『そうか、アさんの場合は本体は鉱石だから、豊穣の森に本体である鉱石を、そして、人形を作ってその中に魂を入れて豊穣の森から出れるようになっている訳なのね』


「そう言う事、それで、今の凪ちゃんは思念伝達でしか会話出来ないけど、凪ちゃんの力で自分に瓜二つの人形を作れば普通に話せるようになるわよ」


『おー! なんか、最初は怖かったけど、今はそんなに怖く無いかも!』


「で、この魔法の副作用なんだけどね」


『副作用?』


「本体である体に魂が戻ると、人間である凪ちゃんは筋肉痛と全身の気怠さと戦わなきゃいけないのよね!」


『それって、つまり、これから、私は筋肉痛と怠さを繰り返し、味合わなきゃいけないって事!? いやでも、筋肉痛ぐらいなら余裕よね』


「それじゃ、元の体に戻すわね。アストラ!」


 アは人形から凪の魂を取り、凪の体に魂を戻した。


 凪は目を覚ますと。


「ぎゃぁぁぁあ!!!! 痛い!う、う、動けない!? 痛すぎて、手を動かすのも痛い!!!」


「全身筋肉痛プラス! 気怠さのダブルパンチよ! 頑張って耐えなきゃね!」


「嘘、これから、この筋肉痛と怠さと戦わなきゃいけないの」


「それが、活動時間によって筋肉痛の具合が変わるから、最初は1分だけ人形になって戻るを毎日一回、それで、体が慣れてきたら、徐々に人形になる時間を増やしていくのよ。そうね、最終目標は6時間、人形で活動できるようになることかしらね」


「今でも痛いのに、毎日筋肉痛に苦しむなんて嫌よ!」


「でも、外に出るためにはこれしか無いのよ。私も手伝うから頑張りましょうね」


「嫌だ!!!!! こんな痛い思いするのは! 嫌だぁぁぁぁあああ!!!!」


 凪は筋肉痛を耐える中、氷月を捕まえる方法を考えることを決心したのでした。

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