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芋虫さんとの交流

「あ! お兄ちゃんだ! お兄ちゃん!」


 花茶は緑癒と藍介が庭に入って来ると2人に駆け寄った寄った。

無事に帰ってきてくれて良かったわ。


「花茶心配かけてすみません。そうそう、花茶、芋虫さんからプレゼントを貰いました。昨日怖い思いをさせてごめんなさいって言っていましたよ」


「何これ綺麗な石だね! 花茶の好きな茶色だ!」


「タイガーアイと言う宝石なのですよ」


「へぇー、魔石しかないと思ってたら宝石まであるのね」


「この洞窟はあらゆる宝石がありますからね」


「そうなんだ、あれ? 藍介、紫水に会わなかった?」


「紫水は芋虫さんを連れて来るみたいなので帰って来るまで時間が掛かりそうですね」


「紫水とは会ってたのね、それならいいわ」


 花茶は私があげたうさぎのぬいぐるみを藍介にみせて自慢をしていた。


「お兄ちゃん! 見てみて! 主人様からうさぎさんのぬいぐるみ貰ったんだ! 可愛いでしょ!」


「とっても可愛らしいですね。主人様ありがとうございます」


「花茶には色々助けて貰ってるからそのお礼よ」


「主人様、もうそろそろ例のアレをやって貰ってもよろしいですか」


 緑癒はお尻をフリフリと揺らしながら私に聞いてきた。

いつものアレやりますか!


「緑癒抱きしめていいかしら」


「どうぞ! 僕を抱きしめてください!」


 緑癒は私にお尻を突き出すと私は思いっきり緑癒のお尻を抱きしめた。

お尻と言ってもお腹の部分だから、私変態じゃないわよ。

緑癒のお尻プニプニして気持ちいいのよ。

皆んなに触れるようになってから毎朝で緑癒のお尻を抱きしめてたのよね。猫吸いってあるじゃない、猫吸いならぬ、蚕吸いってね。


「あっ、そこは、もう、はぁ、はぁ、あ! そこは弱いんです」


 緑癒は羽をバタバタと羽ばたきながら嬉しそうにしていた。


「ぐぬぅぅ」


「お兄ちゃんどうしたの?」


「いえ、何でもありませんよ」


 私は10分程度蚕吸いをした。

すると、紫水の声が聞こえてきた。


「芋虫連れてきたよ〜」


 紫水は芋虫さんの全身を水で囲っていた。

芋虫さんはと言うと、全力で暴れていた。


『紫水、やめろ、あぁ、主人様が主人様が近くに、無理だ無理、俺は主人様に会う権利がないから早く降ろせ』


「だから〜、暴れるなって〜、また主人様の事怖がらせちゃうの〜。そしたら〜、プレゼント渡しに来た意味無くなっちゃうけどいいの〜」


『ぐっ、わかった。腹を括るとする。すまないが、降ろしてくれないか』


「逃げないよね〜?」


『逃げないさ、この格好じゃ、その、格好悪いだろ』


「わかった〜。降ろすね〜、俺が芋虫の言う事主人様に伝えようか〜?」


『藍介様にお願いしてあるから大丈夫だ、気遣いありがとう』


「いえいえ、振られなきゃいいね〜」


『告白するじゃないから変な事言うな!』


 紫水は芋虫さんをそっと降ろした。

芋虫さんは口に綺麗な石を咥えて私の目の前まで歩いてきた。

芋虫さんやっぱり大きいわね、紅姫と同じぐらいの大きさかな?


『あ、あ、主人様!!! 昨日怖がらせてしまって申し訳ございません!!! そのお詫びにこちらをどうぞ!!!』


 芋虫さんは綺麗な石を私に渡してきた。

私は両手で渡された綺麗な石を抱えた。

重っ!

えーと、この大きい綺麗な石をくれるって事なのかな?

宝石の原石みたいだけど何だろう?

透明だからダイヤモンド!? いや、こんなに馬鹿デカいダイヤモンドなんてあるの? うーん、そんなわけないか、それなら、水晶ね!

この水晶加工できないかしら?

花茶と占い師ごっこしてみたいな。


「主人様、芋虫さんが昨日は怖がらせてしまって申し訳ございません。そのお詫びにこちらをどうぞと言っております」


「そうだったのね、藍介伝えてくれてありがとうね。芋虫さん紫水から話を聞いたわ。危険だって言う事を考えてくれてありがとう。あと、プレゼントもありがたく貰うわ。そうそう、もし良かったらなんだけど、私の友達になってくれないかしら」


『主人様の友達‥‥。はい! 喜んで友達になります!』


「芋虫さんが喜んで友達になりますと言っています」


「それは良かったわ。それじゃあ、芋虫さんに名前をつけてあげないとね」


『うぅ、主人様、主人様はお優し過ぎる。俺なんかを友達と、藍介様、俺の言う事を伝えてくれてありがとうございます』


 芋虫さんは藍介に頭を下げていた。


 芋虫さんが仲間になったわ! 私の言うことは分かるみたいね。まだ、会話できないけどそれは、私がダンジョン評価上げればどうにかなるみたいだし、芋虫さんの為に頑張らないとね! 一年間は何もできないけど‥‥。

芋虫さんの名前どうしようかな?

やっぱり、好きな色を決めて貰って考えましょうか。


「芋虫さんの名前を考えるために決めてもらいたいことがあるんだけど少しいいかしら?」


『はい! それで、何を決めればいいのですか』


「主人様、芋虫さんは何を決めればいいのですかと聞いています」


「藍介、色の本出して」


「かしこまりました」


 藍介は芋虫さんに見えるように巨大な本を出した。

本の大きさって何でもありなのね。


「この中で好きな色を決めて欲しいわ」


『色ですか、うーん、主人様は何色が好きなのですか?』


「芋虫さんが主人様は何色が好きなのですかと聞いています」


「私の好きな色は青色よ。でも、私の好きな色じゃなくて貴方の好きな色を決めて欲しいのだけど」


『藍介様、色の種類って沢山あるんですね‥‥。俺、選べそうにないんですか』


『自分の好きな色を決めるだけです。プレゼントじゃないので直感で決めてください』


『直感、主人様が好きな青色にしようかな』


『青色は藍色に近いのでやめてください』


『どうしてそんなこと言うのですか』


『それは、貴方が好きなんじゃなくて主人様が好きな色だからでしょうが!そうですね、仲間の名前についている色を省いてその他の色で決めた方がいいですね』


「藍介、芋虫さん好きな色決めてくれた?」


「主人様、芋虫さんの好きな色を決める時間を頂いてもよろしいですか。芋虫さんはゆっくり好きな色を決めたいみたいなので」


「いいわよ。それじゃあ、紫水と藍介は芋虫さんの好きな色探し手伝ってあげてね」


「え〜、何で俺が芋虫の好きな色決め手伝わないといけないの〜、あいつ決めるの本当に遅いんだよ〜」


「紫水は芋虫さんの友達なんでしょ。それなら、手伝ってあげなさい」


「ふぇぇ〜、そんなぁ〜、ねぇ〜、藍介〜、芋虫〜好きな色決められるのかな〜?」


「これはプレゼント選びよりも時間が掛かりそうですね」


「だよね〜」


「紫水、藍介、よろしくね」


「は〜い」


「はい」


 紫水と藍介は何故か嫌々な感じだった。

ん? どうして少し嫌な感じなんだろ?


『紫水、藍介様、俺が好きな色決めるの手伝ってください』


『主人様からお願いされたので手伝いますよ。それでは、まず最初に私達の名前の色は消しましょう』


 藍介、紫水は芋虫さんと一緒に巨大な本を見て好きな色を探し始めた。

すると、花茶が私に近付いてきた。


「主人様、主人様、花茶今日野球して遊びたい」


「野球いいわね、それじゃあ、私と花茶、緑癒は遊びに行って来るから色選び頑張ってね」


「え〜、俺も野球したい」


「だめよ、芋虫さんが好きな色決めるの手伝ってあげなさい」


「は〜い」


「芋虫さん、好きな色決めるまでここに好きなだけ居ていいからね」


『好きなだけ居ていいなんて、ありがとうございます。できる限り早く決めたいと思います』


「出来るだけ早く決めたいと思っていると言っています」


「ゆっくりでいいからね。あっ、そうだ、芋虫さん、少しだけ貴方に触ってみてもいいかしら」


『えっ、藍介様! 主人様は俺を触ってみてもいいかしらと言いましたか!? 主人様が俺に触る!? 』


『えぇ、触っていいかと主人様が聞いていますよ。芋虫さんは主人様に触られるのが嫌なのですね、そう伝えておきます』


『いえ、嫌いではないです、むしろ触って欲しいと伝えてもらえませんか』


『仕方ないですね』


「主人様、芋虫さんが触って欲しいと言っております」


「それなら、芋虫さんちょっと頭下げて貰っていいかしら?」


『はい! どうぞ、お触りください!』


 私は芋虫さんの頭を撫でてあげた。ほぉ、緑癒程ではないけどプニプニしている。そういえば、2本の角が映えた芋虫って何の幼虫なんだろう? 多分、蝶の仲間よね? それとも、蛾かしら? まぁ、成虫になったとしても何の蝶か蛾なんて、私が分かるわけないわね。


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― 新着の感想 ―
[良い点] うわ~~~。間違えちゃったよ?!これ、後で知って慌てるパターンだよね。そんで固まった主人を放っておいて二人で突っ込んでいくんだ。 ……面白くなるぞ♪ [一言] 自分の周りに並べて目を瞑って…
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