知らないイケメン出現!?
私はハインズと共に王城に着くと謁見の間に案内された。
謁見の間では、王様が玉座に座りその隣には宰相や私の攻略対象の第一王子バーストンも参加していた。
本来のストーリーなら、聖女となった主人公が一年の修行を得てから王城へ招待されるみたいな感じだけど、私の場合は少し違うけど早くめにストーリーの展開が早くなるのは良いことよね。
王様との謁見を済ませた私は謁見の間から出ようとしていたら、兵士が走って部屋に入ってきた。
「Sランク冒険者チーム『ナギハクル』の方達が到着いたしました!!!」
「なんじゃと! 今すぐに彼らを通せ!」
「かしこまりました!」
兵士はすぐさま部屋から出て冒険者チームナギハクルのメンバーを連れてきた。
うわっ! なにこのイケメン達!? 攻略対象キャラクターにはいなかったわよ!?
紫の長い髪で、2本のアホ毛が胸まで垂れているけど、顔は私の好みド直球!!! タレ目で気だるそうにしている感じがとっても良い! 彼の名前なんて言うんだろう?
「灰土〜、俺もう帰りたい〜」
甘い顔のイケメンでも、体系ががっしりしている灰色の髪の人も良い!!!
「紫水、無礼な行動は控えろ」
緑髪のイケメンはハインズと同じような格好をしているから聖職者なのかな? ハインズじゃなくて、彼を私に付けてくれないかしら?
「灰土さんの言う通りです。王様の前でそのような気だるけな態度はいけませんよ。僕だって、こんな所、行きたくなかったのに、お願いに、お願いを重ねられて仕方なく、ほんとぉーに、仕方なく来てあげたのですから」
「ハッハー! 俺様に勝てそうなやつは……。いなさそうか、期待して損だな!!!ハッハー!」
うるさそうな人ね。でも、イケメン。ちょっと頭悪そうだけど、でも、それも、それで、アリよね!
「おい、王の御前でなに言っているんだ!」
灰土は氷月の頭を鷲掴みした。
「王様、仲間が無礼な態度をとってしまい。本当に申し訳ない。このような場所に招待された事がないため礼儀が分かっていないのです」
灰土は強制的に氷月の頭を下げさせた。
灰土は思念を3人に送った。
『藍介様の計画が狂ってしまうだろ! 真面目に演技をしろ!』
『そう言われましても、僕はこのムカつく奴らを見たくなかったのですよ』
『ハッハー!こいつら弱そうだぞ! 諸悪の根源なら、殺してしまった方が楽なんじゃないか!』
『そんな事をしたら皆殺しをしなきゃいけないじゃないか。主人様は争いを嫌っている。もし、俺達が勝手にコイツらを全滅させた場合、主人様に褒められるのではなく、嫌われてしまうぞ』
『え〜、それは嫌だな〜。ねぇ〜、ねぇ〜、気になるんだけどさ〜、あそこにいる〜、女は〜、一体誰なのかな〜?』
『さぁな、俺に聞かれてもわからないな』
『勇者教の者ではないですかね』
『ん? あの女から緑癒と同じ力を感じるか、知り合いか?』
『僕と同じ力ですか? どれどれ? えーーーーーと、えっ? あーーーー、そのぉ。あの時かぁ。そう言う事ですね』
『緑癒〜どうした〜。1人で完結しないで〜、教えてよ〜』
『それがですね。彼女、僕が放った神の慈悲を魂に取り込んだみたいで、神の慈悲をほんの少しだけ使えるようになっていますね』
『緑癒様、それは、神の力を使える人間だと言うことなのですか?』
『そう言うことです。でも、彼女が取り込んだ量は少量なので、僕の足元にも及ばないですね。ですが、勇者教にとって、彼女の力はこの国一の浄化の使い手となりますかね』
『なら、あの女性は味方につけた方が得策ということなのだろうか?』
『どうでしょう。彼女がどのぐらいの実力なのか、実際に確認してみないと分かりませんし、なんでしょう。僕はあの女性の視線が嫌いですぅ』
『あ〜、俺もあの女〜、苦手なタイプって感じがする〜』
『きちんと話してないのに嫌うのはどうかと思うぞ』
『そうかな〜。リリアーナ様に〜、似た感じが〜するような〜』
『あー! 紫水、僕もその事を考えましたよ。リリアーナが男を値踏みをする目にそっくりです!』
『そ、そうなのか? 俺はリリアーナとは関わらずにいたからその辺は分からないな。当時、噂話を聞くだけで俺は常に鍛錬をしていたからな』
『俺は〜、あの女には〜、関わらない方が良いに〜、1票〜』
『僕もと言いたい所ですが、彼女に近付き取り込んだ神の慈悲をさっさと出してほしいですね』
『出すってどうやって〜?』
『簡単です。使わせれば良いんですよ』
『なるほど〜』
『なら、俺様がひと暴れしたら使ってくれるのではないか!』
『氷月暴れるのはダメだ、藍介様から最初は信頼関係を築き、その後、ある程度信頼関係を構築したら、情報を探る手発だろ』
『面倒じゃないか?』
『氷月って〜、頭いいはずなのに〜、悪いよね〜』
『ん? 紫水、俺様の悪口を言ったのか? なら、その喧嘩を売ってやろう! さぁ! かかってこい!』
『ダメだこりゃ〜』
紫水、緑癒、氷月は思念での会話が楽し過ぎて、全く人間の国王が言っていることが耳に入っていないのでした。
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