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異世界転移!?一般女子ゲーマーが死にゲー高難易度虫ダンジョンの主人になりましたが、少しゲームジャンルと違うような?  作者: 吉田 亜蓮
第四章 人間の国

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神を脅す聖人

 魔蟲の森に行くスケルトン達はアの転移魔法によって魔蟲の森へ転移した。そして、この場所に留まったスケルトン達は仲の良い友人達と別れの挨拶を交わしていた。


「この方達は善良な人達です。それならば、僕が新たな門出を祝福せねばいけません。なので!」


 緑癒は空を飛び、皆に聞こえる大きな声で話した。


「みなさーん!今から浄化の儀を行いまーす! ですが、この儀式を行う為にみなさんには10分程度サイレントの魔法をかけさせていただきまーす!!! 氷月! ここにいる全員にサイレントをかけてくださーい!」


「俺様がなぜそのようなことをしなきゃいけないんだ!」


「ほら、早くやりなさいよ」


 アが氷月の尻を思いっきり叩いた。


「おい! 女が男の尻を叩くなんてはしたないぞ!」


「何言っているのよ。本来なら、悪ガキには生尻を思いっきり叩いて赤くさせるのが罰になるんだから、このぐらい優しいもんよ」


「なんだ、その恐ろしい罰は」


「さぁ、氷月この辺りの生物全てにサイレントをかけなさい。駄々をこねるなら、さっき言ったこと実践してあげようか?」


「やめてくれ! 分かった、やれば良いんだろ」


 氷月は魔力を大量に消費したにもかかわらず、辺りにいる全ての生物にサイレントをかけ、何も聞こえない状態にした。


 氷月は魔法をかけ終わった後、ふと、疑問が出たのでアに思念を送った。


『アよ、緑癒にもかけてしまったが、良かったのか?』


『大丈夫なんじゃない?』


『まぁ、緑癒がかけろって言ったからな。仕方ないか!』


 そして、上空を飛んでいる緑癒は魔法が成功したのを見届けると、主神ゼスに連絡した。


『ゼス様、すみませんが、お力をお借りできないでしょうか、この土地の瘴気は濃く、私の力では到底太刀打ちできないのです』


『ごめんよ。今仕事中だから、この前僕の力を魔法に変換してたでしょ、それ使えば余裕だよ。じゃあね』


 緑癒はやはり、こいつに頼むのは無理か、となり、とある神に思念を飛ばした。


 そのとある神とは、主神ゼスの妻、ヘーラであった。


『女神ヘーラ様、お久しぶりです。イーヤヘルドです。今は、転生して名前を緑癒と申します』


 すると、少女の声が返ってきた。


『あら、ゼスが気に入っていた子じゃない!? どうしたの? 何かあった? また、ゼスが変なことしちゃったの?』


『それが、この土地を浄化したいのですが、ゼス様の力をお借りしたかったに、力を貸したくないと言われてしまったのです』


『あら、あれだけ可愛がっていたのに、急に彼を転生しないとこの星がなくなってしまうとかで、貴方を勝手に殺した挙句、貴方が今までの努力が水の泡にしちゃって、本当にごめんなさいね。人間こどきに神である、私が謝る必要は無いと思ってだけ、流石に、これは、やりすぎよね。夫から謝ってもらった? 多分、あの人は謝らないわよね。なら、私が力を貸そうかしら?』


『申し訳ございません。ヘーラ様のお力ではこの不浄な土地を浄化する事は不可能です』


『あら、言ってくれるじゃない。それなら、貴方がいる場所を見させてもらうわね』


『はい、見ていただけたら分かるはずです』


『なによ、もう、私は女神なのよ。浄化なんて簡単……。嘘よ。何よこれ!? どうして、地獄が介入しているわけ!? はぁ!? え? そうね。ここまで汚染されていると、私の力では不足ね』


『私が死んでしまった以上、浄化する者がいなくなり、その結果がこれなのです』


『夫に言ってくるわ! 少しだけ待ってて!』


『できれば、早めに返答いただけると嬉しいです』


『分かっているわ。これは、緊急事態よ!』


 紫のドレスを見に纏った美少女は夫の元へ向かい、夫の執務室のドアを力強く開けた。


「うわっ!? へーちゃん! すごく怖い顔をして、どうしたんだい?」


「ゼーちゃん! 仕事なにもしてないでしょ!!!!」


「急にどうしたの!?」


「イーヤヘルドちゃんに話は聞かせてもらったわ。早く、イーヤヘルド、いや、今は、緑癒ちゃんに力を貸してあげなさい!!!!」


「ひぃぃいいいい!??????!? へーちゃんなんで怒っているんだい!?」


「つべこべ言わずにこれを見なさい!!!」


 ヘーラはゼスに緑癒がいる場所を見せた。


「うわぁ、すごいね。これ。何もしないとこんな事になるのか、地獄の彼等は勤勉だからね。神さえも根が上がるほどの仕事量をこなしているのに、地上に上がって来れるようにするなんて、彼等の勤勉さを褒めてあげなきゃね」


「あのね! 褒めるのは無しよ! この星はあいつに対抗するための決戦場なのよ! なのに、地獄まで介入されたら、余計面倒になるじゃない!」


「でもさ、彼等の助力を貰えれば、もしかしたら、勝てるかもしれないよ?」


「バカなの! 貴方が処罰した神達なのよ! しかも、大半はお前、僕よりも優秀そうだから、地獄行きねって、こんな軽いノリで地獄に落とされた神が沢山いるんだからね!!! もし、地上に上がって来られた日には、もう、おしまいよ。彼等の復讐によって全ての計画が消し飛ぶわ!!!」


「そんな事はないんじゃないかな? 彼等だって、消えて無にならないように、この宇宙が無くなるのだけは阻止したいんじゃないかな?」


『ヘーラ様、どうでしょうか?』


『今、夫を説得中よ。待ってなさい』


『それでしたら、ヘーラ様にいいお話があります』


『ん? さっき言わなかったかしら、私は貴方のために頑張って夫を説得しているのよ。なのに、貴方は水を差す気なの?』


『いえ、ヘーラ様に助力出来たらなと思いまして』


『それで、どんな話なのよ』


『それはですね』


 緑癒はとあるゼスがやらかした話をヘーラに話した。


 ヘーラはその話を聞くと、顔が真っ赤になり、女神の怒りが最高潮に達した。


「ゼーちゃん!!!! あなた! 浮気してたわね!!!」


「また急にどうしたんだ!」


「どうしたんだ!じゃないわよ!!! 貴方、人間との間に子供をこさえたんだってね!!! しかも、私が怒った後だったから、自分の体を変えたのよね! 流石の私も気付かなかったわ!!!」


「まってくれ、どう言う事なのか説明してくれ! 僕はへーちゃん一筋だよ!」


「嘘つかないで! 貴方が何度も浮気したの知ってるんだからね!!!」


「お願いだ、僕が分かるように説明して欲しい」


「緑癒ちゃんが、貴方が黄金の雨になったって言ってたわ」


 ゼスの顔が真っ青になった。


「やっぱり、浮気したのね」


「あの、これは」


 ゼスは速攻、緑癒に連絡した。


『ちょっと! 緑癒! 僕の浮気は話さないって言ってくれたじゃないか!!!』


『えーと貴方は誰でしたっけ? あー、僕の力だけで簡単に浄化できるよ、じゃあねと切り、ごめん、勇者間違えちゃったから死んでくれ、と友人に言ったクソ野郎ですかね!』


『神である僕にそんなこと言えるなんて、君は死にたいのかい!』


『えー、どうぞ、ここで僕を殺した日には、貴方の計画が全て消し飛びますけど、いいのですかね?』


『僕の計画が何なのか知らないだろ』


『知らなくても、僕を死んでくれと言うほどの緊急事態だったのは覚えてますとも。そもそも、僕は、妻であるヘーラ様に貴方が僕に楽しそうに話した浮気話を話しただけですからね! 悪いのは浮気をした貴方ですよ!』


『墓場まで持って行くって言ってたじゃん!』


『あ、すみません。僕は一度死んでいるので、墓場まで待っていってあげましたよ。それを掘り起こされても、貴方には何も言えませんよ』


『でも、へーちゃんに言わなくて良いじゃん!』


『そうでもしないと力を貸してくれそうになかったので、それで、どうしますか? 僕には他にも、たぁーくさぁーんのヘーラ様が欲しがる情報を知っていますが、そ・れ・を一つずつ話しても構わないのですよ』


『やめて!本当にそれだけはやめて!!!僕、へーちゃんに殺されちゃう!!!』


『なら、選択肢は一つだけですよね? 力を貸してくれますか?』


『面倒さいなって思ったけど、今はむしろ力を貸してあげたい気分かな。だから! これ以上、へーちゃんには言わないで!!!』


『仕方ないですね。力を貸してくれるのであれば黙ってあげますよ。あー!!! でも、ヘーラ様に話せと言われてしまえば、僕は1匹の小さく弱い虫なので、断ることができないですね。その場合は、話すしかないような』


『お願い、いつでも僕の力を貸すから!ヘーラちゃんに話せと言われても言わないで!!!』


『それでは、契約成立の言う事で、よろしいですかね!』


『うん! 主神ゼスの名において、緑癒が僕の力を欲した時、力を貸す』


『ありがとうございます。それでは、早速使わせてもらいますね。多分、この範囲ですと、明日になると筋肉痛になるんじゃないですかね!』


『筋肉痛? そんな神である僕にそんな事起こるわけないじゃん』


『それでは、ありがとうございました!では!』


 緑癒は主神ゼスを脅し、神の力をいつでも借りることが出来るようになった。

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― 新着の感想 ―
そうなんだよな~。あんだけ熱心に口説いたくせに浮気三昧なんだよ。一応仕事はしているんだけどな~。直ぐに逃げだすらしいし( ̄д ̄) 悪い子に対するオシオキとしては定番ですね。後は「ゴハン抜き」とか「お…
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