ようこそ魔蟲の森へ
魔蟲の森、金色丸が守護する南エリアにスケルトン居住区ができていた。
森の切り開き家が何十棟も建てられ、周りには巨大な魔石壁で囲われていた。
金色丸と主人様は中央でスケルトン達が来るのを2人で待っていた。
「オラに仲間が増えるなんて光栄だ!」
「こっちに瘴気って言うのがそのまま送られてくるから注意しなきゃね」
「そもそも瘴気ってなんだべ?」
「さぁ? 確か呪いの一種みたいよ」
「まぁ、何かあったらオラが戦うだ!」
「戦いはしないと思うけど、何かあったら私も出来る限り対応するわ」
数分待っていると突如地面から居住区全体を覆う巨大な魔法陣が現れ、それと同時に主人様達から少し離れた所で大量の瘴気石とスケルトン達が一斉に現れた。
「うわっ!? びっくりしたわ!!!」
「うわぁぁあわぁぁあ!? 急に骸骨が現れるのは心にくるだ!」
送られてきたスケルトン達は辺りを見渡し、中央で驚いている人間と見たことのない人型の昆虫種を確認した。
彼等はゾロゾロと中央にいる2人の側に寄ってきた。
主人様は拡声器でスケルトン達に話しかけた。
「初めまして! 私はここ魔蟲の森の主、凪と言います! ようこそ 魔蟲の森へ!えーと、この魔石壁で囲まれた居住区が貴方達の新しい住処となります! もし、何か困ったことがあればいつでも私か、この金色丸に相談してください」
主人様は金色丸に拡声器を渡した。
「おらも言うのか!? えーと、初めましてだ。オラは魔蟲の森、南のエリアの長、金色丸だ。よろしくだべ!」
すると、猫の標本が主人様と金色丸の前にゆっくりと歩いてきた。
「にゃ〜、よろしくだにゃ〜、にしても、主人様〜、可愛いにゃ〜ね〜」
「あら、賢い猫ちゃんね」
主人様は猫次郎を抱き寄せた。
「にゃ〜、久しぶりに女の子に撫で撫でされるのは最高だにゃ〜」
「猫ちゃんに名前あるのかな?」
「にゃ〜。不本意だけど、猫次郎って言う名前になったにゃ〜」
「猫次郎ちゃんこれからよろしくね」
「よろしくお願いするにゃ〜。にゃ〜がスケルトン達の紹介するにゃ〜」
猫次郎は主人様の腕から降りると、まず最初にパラディンボーンの前に案内した。
「この方が俺達のボス! パラディンボーン様にゃ〜!」
「パラディンボーンさんよろしくね」
主人様は手を出し、パラディンボーンは片膝を地面につけて主人様の手を取ると手の甲に口付けをした。
「うわっ!? びっくりした。ごめんなさい。こう言う挨拶された事なくてびっくりしちゃった」
パラディンボーンは不快にさせてしまったと思い頭を下げた。
「いや、びっくりしただけだから、謝らなくていいわよ。それじゃあ、さっきも話したけど、何か困ったことがあれば私か金色丸に相談してね」
パラディンボーンは金色丸を指差した。
「パラディンボーン様は喋れないから何かあったら俺が相談するにゃ〜」
「猫次郎ちゃんよろしくね」
「任せろにゃ〜」
パラディンボーンは金色丸に手を出し、金色丸は握手をした。その時、パラディンボーンは金色丸の強さを感じ取り、いつか金色丸と手合わせをしたいと考えた。
「次はウィザードスケルトンにゃ〜」
猫次郎はローブを深く被ったウィザードスケルトンを紹介した。
「彼が俺の友達のウィザードスケルトンだにゃ〜」
「猫次郎、友達じゃない、友達、スケルトンワイバーン」
「にゃ〜!? いつも賭けやってたじゃにゃいか! 酷いにゃ〜」
「酷いのは、そっち、前もって、瘴気石、言ってくれても、良かった」
「言ったところで俺のうんちなのには変わらにゃいからにゃ〜」
「やっぱり、こいつ、友達違う」
ウィザードスケルトンは猫次郎の瘴気石問題を未だに怒っていた。
2人は主人様の紹介中に喧嘩を始めてしまった。
「あら、喧嘩が始まっちゃったわね」
「オラが一発殴れば終わるたべか?」
「それは、可哀想だから気が済むまで喧嘩させておけば良いんじゃない?」
すると、空からスケルトンワイバーンが降りてきた。
「おー! 人間すっね! 俺っちスケルトンワイバーンって言うっす! よろしくお願いするっす! あの、ここの壁の中にいないのいけないのは分かるんすっが、俺っち空を自由に飛びたいんっすけど制限とかあるっすか?」
「スケルトンワイバーンさんよろしくね。えーと、それは考えてなかったわね。瘴気を辺りにばら撒くことをしなければ自由に飛んで良いと思うけど」
「本当すっか! ありがとうございます!」
「それで、あの2人喧嘩始めちゃったんだけど、他の人達にも挨拶したいから彼等を紹介してくれないかしら?」
「俺っちカストルしか仲良くないからな。他の奴らは多分魔力が低すぎたりでまともに話せないっすからね」
「カストルって言う人はどこにいるの?」
「今、目の前で猫次郎と喧嘩しているウィザードスケルトンっす。俺が喧嘩止めるんで、ちょっと待ってて欲しいっす」
「分かったわ」
そう言うとスケルトンワイバーンはカストルを右足で猫次郎を左足で捕まえ、空に羽ばたいた。
5分後、カストルと猫次郎は体を震わせながら、喧嘩を終えた。
「俺、名前、カストル。よろしく、お願い、します」
カストルは手を出し、握手を求めた。
「カストルさんよろしくね」
主人様は手を握り返した。
「にゃ〜。他にはスケルトンビースト達があっちにいるにゃ〜」
主人様と金色丸は猫次郎の案内でスケルトン達に挨拶を済ませたのでした。
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