トドメは猫次郎
灰土とパラディンボーンの戦いは灰土の勝利となった。
「にゃっ! パラディンボーン様!!!! にゃにゃにゃ!!!!!」
倒れたパラディンボーンを見て猫次郎はパラディンボーンに駆け寄った。
「腕が折れているにゃ! これなら、瘴気石を渡せば治るにゃね!」
猫次郎は岩の後ろに隠れて瘴気石を出し、瘴気石を口に咥えてパラディンボーンに渡した。
パラディンボーンは猫次郎が瘴気石を受け取り、瘴気石を噛み砕くと折れた腕が修復した。
パラディンボーンが立ち上がると猫次郎は彼の足に擦り寄りゴロゴロと喉を鳴らした。
「パラディンボーン様治ったにゃ〜。良かったにゃ〜」
パラディンボーンは猫次郎を抱っこして頭を撫でた。
「にゃ〜!? パラディンボーン様に撫で撫でされてるにゃ〜!? 至福だにゃ〜」
パラディンボーンは灰土に手を出し握手を求めた。
「はぁっ、はぁっ、ギリギリの戦いだったな。手合わせ感謝する」
灰土はパラディンボーンの手を握り返した。
灰土、パラディンボーン、猫次郎は観戦していた仲間の元へ向かった。
「俺っち感動したぜ! あんなに胸が熱くなるすげぇ戦い見た事ねぇっすよ!」
「パラディンボーン、カッコ、よかった、灰土、よく、頑張った」
「灰土さんお疲れ様です。僕の鱗粉で治してあげますね。どれどれ、えーと、灰土さん、腕折れてますね」
パラディンボーンは灰土の腕を触った。
「ぐっ、痛いから触らないでくれ」
パラディンボーンはすまないと頭を下げた。
「治しちゃいましょうね」
緑癒は鱗粉を灰土に振り撒くと傷が全て治った。
「にゃ〜、凄い回復スキルにゃ〜」
パラディンボーンは緑癒の顔を見ると、猫次郎を降ろして、緑癒の前で片膝をついて跪いた。
「カーライルさん僕はイーヤヘルドではないですよ。立ってください」
パラディンボーンは頭を上げた。
「まぁ、僕はイーヤヘルドの生まれ変わりなんですけどね! いや〜、久しぶりにカーライルの剣術見ましたよ。灰土さんは剣はあまり使わずに筋トレばかりしていたので、やはり、剣の技術はカーライルが上でしたね!」
パラディンボーンは頷いた。
「カーライル、僕達がここにきたのはパラディンボーン討伐依頼を受けたからなのですが、僕は親友であった貴方を殺す気はありません。ですが、貴方が浄化を望むのでしたら、僕の力でこの世から解放しますが、どうしますか?」
パラディンボーンは首を横に振った。
「嫌という事ですね。わかりました。ですが、それだと僕達の依頼が失敗してしまいます。なので、僕の妻が管理する森へ移住をお願いしたいのですよ」
パラディンボーンは緑癒が妻と発言した時、口が開けっぱなしになった。
「そうなんです。僕、結魂したんですよ!」
「俺も結魂した」
「俺も〜」
「にゃんだにゃんだ、こいつら全員既婚者だったのかにゃ」
「うん〜、主人様が〜俺の妻なんだ〜」
「僕の妻も主人様です」
「俺の妻も…主人様なんだ」
「にゃにか? 主人様は1人じゃなくて複数人いるのかにゃ?」
「主人様はただお一人ですよ」
「にゃー、にゃ? そういう事はにゃ〜。主人様は夫が3人いるのかにゃ!?」
「3人ではないですよ。さっき飛ばされた氷月さんも夫ですし、藍介さん、イデアさんも夫ですね。あと、妻も黄結姫さんと紅姫さん白桜ちゃん花茶ちゃんの4人の妻がいますね」
「にゃ〜!? 主人様っていう人は凄いにゃ〜」
パラディンボーンは驚きすぎて口が常に開いていた。
「それでですね。移住してもここの瘴気が残り続けるとスケルトンがまた発生してしまうのでここを浄化したいのですが、瘴気が濃くなった原因の瘴気石を猫次郎さんが地面に埋めまくってしまっていて、カーライルには瘴気石を掘り起こすのを手伝ってもらいたいのですよ」
パラディンボーンは頷いた。
「手伝ってくれるという事ですね」
パラディンボーンはもう一度頷いた。
「ありがとうございます。でしたら、早めに行動しましょう。猫次郎さん排便したところ覚えてますか」
パラディンボーンとウィザードスケルトンは排便したところ? とは? と2人同時に考えた。
「そんにゃの気分で埋めてたから忘れてるにゃ〜。にゃ〜でも、パラディンボーン様の近くには沢山埋めたと思うにゃ〜」
猫次郎はパラディンボーンが普段立っている岩の近くに行き地面を掘り起こすと瘴気石が10個現れた。
猫次郎は一個だけ口に咥えてみんなの元へ戻った。
「ほにゃ〜。俺のウンコだにゃ〜」
その猫次郎の発言によってパラディンボーンとウィザードスケルトンは固まった。
「猫次郎、それ、瘴気石、ウンコ、じゃない」
「にゃ〜、俺のウンコが瘴気石にゃんだ〜」
パラディンボーンとウィザードスケルトンは瘴気石を口に入れた事を思い出し、猫次郎と瘴気石を何度も交互に見て、パラディンボーンとウィザードスケルトンは突如、地面に倒れ、パラディンボーンとウィザードスケルトンはそれぞれ地面にネコジロゥと書いてその場で倒れたのでした。
「にゃ〜? どうして2人とも倒れたのかにゃ〜? もしかして! 瘴気石が足りなかったのかにゃ〜!? 仕方にゃいにゃ〜。出来立てほやほやをあげるにゃ〜」
猫次郎はその場で瘴気石2個を出し、パラディンボーンの口に強制的に入れ、ウィザードスケルトンはその様子を見ていた為、逃げようとした。
「カストル元気ないっすね! 瘴気石食ったほうがいいっすよ!」
スケルトンワイバーンに阻まれウィザードスケルトンは強制的に瘴気石を食べたのでした。
パラディンボーンとウィザードスケルトンは怒りよりも猫次郎のウンコを食べた衝撃でその場に立ち尽くした。
「これで元気ににゃれたにゃ〜!」
「猫次郎、ゆるさ、ない」
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