花茶の新しいお友達
「主人様! お兄ちゃんが帰ってきてないの! どうしよう、あの糸吹きに食べられちゃったんじゃ‥‥。花茶あいつ倒しに行ってくる!」
私が庭で紫水の帰りを待っていたら花茶が慌てた様子で庭に入ってきた。
「花茶、落ち着きなさい、紫水から聞いたけど芋虫さんはいい人みたいよ」
「それなら、何でお兄ちゃん帰ってきてないの! 花茶お兄ちゃんの事探してくる」
今の花茶は何をしでかすか分からないから止めるしかなさそうね。
「藍介なら大丈夫だと思うんだけど、紫水が芋虫さんの所に行ってるから紫水帰ってくるまで私と一緒に待ってましょうよ。そうだ、美味しいりんご紅姫から貰ったから食べましょうか」
「うーん、この前、お兄ちゃんカマキリさんに襲われてたから花茶心配なの」
そうよね、前の事件もあったから不安な気持ち私も分かるわ。でも、紫水の言っていた芋虫さんは危ない子じゃなさそうなのよね。
「紫水を信じて待ちましょう」
「やっぱり心配だから探しに行ってくる!」
「主人様、おはようございます。今日も良い日ですね。と、花茶ちゃんそんなに慌ててどうしたのですか?」
「緑癒お兄ちゃん! お兄ちゃんがまた行方不明になったの!」
「なんと! 藍介さんまた迷子になったんですか!?」
「緑癒、話聞いてもらっていいかしら」
私は緑癒にこれまでの経緯を話した。
「そうだったですね、紫水が迎えに行っているなら大丈夫だと思うのですが、それなら、私が2人の事を迎えに行きましょうか」
「でも、藍介達がどこにいるのか分からないわよね?」
「4層目の芋虫と言ったらあの方だと思うので大丈夫ですよ。一度も話したことがないのですが、綺麗な石が沢山がある場所で一度見たことがあるのです」
「そこにいるって保証はないでしょ?」
「ですが、ここの次に安全な場所だと思うので一晩泊まる場所と考えればそこが妥当かと」
「それなら、緑癒、藍介達を見つけに行ってもらえないかしら?」
「えぇ、いいですとも」
緑癒は私だけに聞こえるように思念を飛ばしてきた。
『それに、今の花茶ちゃんを1人で探しに行かせたくないので主人様、花茶ちゃんの事頼みます』
「わかったわ」
「花茶ちゃん、藍介さんは僕が連れてきますので主人様と一緒に待っていてください」
「えー、それなら、花茶も一緒に緑癒お兄ちゃんに着いて行く!」
「紫水がいないので、主人様の護衛がいない状況は危険だと思うので、花茶ちゃんが主人様の護衛してもらえると安心して探しに行けるのですが」
「主人様の護衛! 花茶やってみたい!」
「それなら、花茶ちゃん主人様の護衛よろしくお願いします」
「うん! お兄ちゃんを連れて帰ってきてね!」
「はい、それでは、主人様行ってきます。その、帰ってきたらいつものアレお願いします」
「わかったわ。それじゃあ、緑癒よろしくね」
緑癒は藍介達の元へと飛び立った。
それじゃあ、りんご剥いてあげましょうか。
私は台所に行き、冷蔵庫からりんごを取り出し包丁を使って皮を剥いた。うさぎの形で作ってあげよーと。
「主人様! 主人様! これなーに?」
花茶はお皿に乗せたウサギりんごに興味津々だった。
「うさぎさんよ可愛いでしょ」
「可愛いね! これ食べていいの?」
「えぇ、食べましょうか」
「花茶、ウサギさん可愛くて食べたくないな」
「りんご食べなきゃ痛んじゃうから食べてほしいな」
「それでも、食べちゃったら無くなっちゃう」
「うーん、それなら、うさぎさんのぬいぐるみ作ってあげるわ」
「ぬいぐるみ貰えるの! やった!」
花茶はりんごうさぎを食べ始めた。
私は白いフワフワのうさぎのぬいぐるみを作って花茶にあげた。
「可愛い!!! 主人様ありがとう! 花茶うさぎさん大切にするね!」
「喜んでもらえて良かったわ」
花茶はうさぎのぬいぐるみをチョンチョンと足で触り、嬉しそうだった。ぬいぐるみ作戦成功ね!
凪が作り出したアイテム紹介
◾️うさぎのぬいぐるみ◾️
フワッフワッの真っ白なうさぎのぬいぐるみ。
花茶の新しいお友達になった。
花茶は住処に飾っている犬のぬいぐるみの隣に飾った。
凪は次のぬいぐるみ何あげようかなと考えている。
次のぬいぐるみ候補は猫か熊。
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