氷月VSパラディンボーンと取り巻きのスケルトン達 後編
氷月はパラディンボーンとの死闘を繰ら広げていたが、氷月はパラディンボーンに押されてきていた。
「ぐっ、なんだこいつ、まるで灰土を相手にしているようだ」
氷月はパラディンボーンから距離を取った。そして、パラディンボーンは体勢を屈め、一瞬で間合いを詰めると氷月の腹を切り裂き、氷月が着ていた腹部分の服が破れ氷月の見事な腹筋が顕になった。
「俺様の服を斬るなんて酷いじゃないか」
パラディンボーンは今までの戦闘経験によって氷月を殺した感覚があったが、目の前の男は生きていた。
パラディンボーンは再び剣を握った。
「ハッハー! 俺様をここまで追い詰めるとは! いいぞ! いい! よし! こうなったら俺様も本気にならなければならないな! お前に敬意を込めて! 俺様が扱える最強の魔法を放とう!!!」
氷月は空を飛び、上空に巨大な魔法陣を展開した。
それを見ていたウィザードスケルトンと猫次郎は驚いていた。
「にゃ!? にゃんだあにゃ〜!!!?!?」
「超位魔法、いや、神位魔法」
「にゃぁ〜!? 神位魔法!? そんな魔法存在するのかにゃ〜!?」
「これは、まずい、ここ、消し飛ぶ、猫次郎、その綺麗な石、沢山無いか」
「にゃ〜、にゃんか〜、名前が付いてから新たなスキルが出てきてだにゃ〜。何個でも作れるにゃ〜よ」
「沢山欲しい、あの魔法、星が降ってくる」
「星が降る? かにゃ? 危ないのは分かったにゃ〜、ほにゃ〜! 沢山使えにゃ〜!!!」
猫次郎はウィザードスケルトンに綺麗な紫色の石を沢山渡した。
ウィザードスケルトンはその紫色の石を噛み砕くだいた。
「これで、全盛期ほどじゃないか、これなら、あの威力を抑えられるな」
「喋りが滑らかになったにゃ〜」
「今まで魔力が足りなかったからな、瘴気石のおかげで魔力は充分回復した。あの男に言われた通り、火炎球以外の魔法を見せよう」
「にゃ〜、頑張って欲しいにゃ〜」
空を飛んでいる氷月は手を天に伸ばして詠唱を始めた。
「漆黒の空、漂う星の子よ、数多の時間を過ごした旅の最後、我の星に現れよ」
辺りは暗くなり、上空の魔法陣は金色に光り輝き、その魔法陣の奥から直径10メートルにもなる巨大な岩が現れた。
「隕石」
巨大な岩はゆっくりと魔法陣から現れ、魔法陣から出た岩は赤く熱しられていた。
「あんにゃの来たら死ぬにゃ〜!!?!?!?」
「炎の精霊、イフリート、我に力を貸したまえ」
ウィザードスケルトンは炎の精霊イフリートを召喚した。
炎が少年の姿へ変わった。
「おいおいおい!? まじかよ!? あんな魔法あんのかよ! 結構、かっこいいな! てか、久しぶりだなカストル!」
「久しぶり、リード」
「おうよ! で、あれを撃ち落とすのか?」
「威力を抑えたい」
「んじゃ! 久しぶりに派手にやりますか!!!」
「あぁ、頼む」
リードと呼ばれる炎の精霊イフリートとウィザードスケルトンは一緒に詠唱を始めた。
「煉獄の双柱、天を穿つ、矛となれ、ツインエクスプロージョン!!!」
氷月が放った隕石に2つの炎の柱が当たり、爆発し、隕石は3分割となった。
「おー! 俺様の魔法を割るとはな!」
「もう、魔力、ない」
ウィザードスケルトンはその場で倒れた。
「おい! カストル大丈夫か? あれ? てか、なんで、骨?」
「にゃ〜!? あの岩を割るのはいいけど、岩が降ってくるにゃ〜!!!!!」
パラディンボーンは地面を思いっきり蹴り、上空へ飛び、落ちてくる3つの岩の一つを粉砕した。
「うぉぉおおおお!!!! 俺っちやるっすよぉ!!!! どりゃぁあ!!!!」
2つ目の岩をスケルトンワイバーンが自身を高質化させて岩を粉砕した。が、スケルトンワイバーンはかなりのダメージを受け、そのまま地面に墜落した。
「もう、俺っち、動け、ない」
「にゃ〜!!!! まだ一個残ってるにゃ〜!!!」
そして、最後の一つは、ある男が高速で飛んできた。
「氷月!!!!! 何をやっているのだ!!!!!」
そう、飛んできたのは灰土であった。
灰土は粉々となった岩達を自身のスキルで集め、最後の一つの岩に纏わせて、ゆっくりと誰もいない場所に岩を落とした。
「す、凄いにゃ!!!! あの岩を操ったのにゃ!?」
「あの男、強い」
「俺っち、凄いもん見ちまったな」
灰土は岩を下ろし、辺りに被害がないか確認すると、元凶の氷月を捕えに向かった。
「おー!!! 俺様の魔法を割るとは見事だ! だが、まずい、これは、灰土に怒られてしまう!!! ひとまず、一度逃げてみるのも手か」
「誰から逃げるですか? 氷月様」
早くも氷月は灰土に見つかっていた。
「灰土!? は、早かったな。いやぁー! まさか、俺様の魔法が割られるとは思いもしなかった!」
「あの岩を割らなかったらこの辺りは全て吹き飛んでいました。岩が元の状態でしたら、俺のスキル『土風岩嵐』であっても操る事はできませんでした」
「そうだろう! 俺様の魔法は凄かっただろ!」
「褒めてませんよ。それに、この事は主人様に報告し、もちろん。ア様にも報告させていただきます」
「待ってくれ! 妻にはいいが、アだけにはやめてくれ!!!」
「いいえ、あれはやり過ぎです。岩が割れなかったら、今頃、俺と紫水、緑癒様にまで被害を受けていたでしょう」
「紫水と灰土がいれば安全だと俺様は考えたからこそあの魔法を放ったのだ。たまには魔法を使うのもいいな! ハッハー!」
「氷月様、いいや、氷月、俺達に被害が及ぶことを知ってた上であの魔法を使ったいう事だな」
「灰土と紫水は強いからな! 俺様は実力を知った上で、大丈夫だと信頼していたからな!」
「そうか、ア様、氷月が開き直っていますが、処罰はどうなさいますか」
「そうね、氷月、一旦、漆黒の空で頭を冷やしてきなさい」
「ア!? そんな筈は!」
灰土は懐から小石ほどの丸い水晶を取り出した。
「氷月が何かしでかした際、ア様に直接連絡が取れるようにとこの魔石を貰っていた」
「な!?」
「氷月、何もないところでちゃーんと反省しなさいよ」
アは地面から魔石の柱を作り、氷月に魔石の柱をぶつけ、氷月は物凄いスピードで天高く飛び上がった。
「それに、すぐに戻ってこれないように、手枷もね」
氷月の腕には魔石の手枷が付けられていた。
「俺様は!!!!! 楽しみたかっただけなのに!!!!!!!!」
氷月は漆黒の空で何日か漂うことになったのでした。
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