それって、う○こじゃん
「主人様と〜結婚〜♡ 主人様〜♡ はぁ〜。最高に幸せ〜」
主人様に朝早く起こしてもらった俺は芋虫のいる毒道に向かった。
「あれ〜? 芋虫いないな〜? どこにいるのかな〜? う〜ん、あ! あそこにいるかな〜、いないから行ってみよう〜」
毒道に芋虫がいなかったから俺は一度だけ連れて行ってもらった綺麗な石が沢山ある場所に行くことにした。
「いた〜、いた〜、お〜い」
綺麗な石が散らばっている場所に芋虫と藍介がいた。
芋虫の目の前には等間隔に色々な色の綺麗な石が並べられていた。
「藍介〜、芋虫〜、昨日怒らせちゃってごめんなさい。俺が考えなしで行動したから主人様を危険に晒しちゃったし、藍介は普段主人様と仲良いから嫉妬しちゃってあんな事言っちゃった。本当に二人ともごめんなさい」
「いえ、私も大人げない事をしてしまいました。紫水、謝ってくれてありがとうございます」
「反省したんだなこれからは物事をきちんと考えてから行動するんだぞ。すまないが紫水、助けてくれないか」
「ん〜? 芋虫どうしたの〜?」
「主人様を怖がらせてしまったから、プレゼントを渡そうと考えているのだが、この通りプレゼントを選べずにいるんだ」
「そんなの簡単じゃん〜、自分が好きなの選べば良いじゃない〜」
「自分が好きな‥‥。それが、出来れば苦労しないさ」
「それか〜、主人様に似合うのを選べば〜? そうだなぁ〜、俺だったら〜、この紫色の石渡すかな〜」
俺は紫色の石を指した。
「アメジストですか、紫水らしいですね」
「この石〜、アメジストって言うんだ知らなかった〜」
「アメジストか、うーん、主人様は紫より他の色が似合うような」
「俺はアメジスト似合うと思うんだけどな〜」
「私はサファイアが似合うと思いますね」
「それなら、藍介様が選んだサファイアにしようかな。いや、やっぱり紫水が選んだアメジスト、ダイヤも美しいんだがな」
「ねぇ〜藍介〜。もしかして〜、芋虫ずっとこんな感じなの〜?」
「えぇ、昨日の夜からずっとあんな感じなんですよ」
「芋虫ならこれ! ってすぐに決められるかと思ってた〜」
「私も同じ考えです」
「紫水、藍介様二人だけで話してないで助けてくださいよ」
「消去法でアメジストとサファイアは選択肢から消して他の宝石で選んだらどうです」
「それなら、ダイヤ、ルビー、エメラルド」
すると、遠くの方から緑癒の声が聞こえてきた。
「藍介さーん、藍介さんはいますかー」
「私ならここにいますよ」
緑癒は俺達と合流した。
緑癒はどうしてここまできたんだろ?
「見つかってよかった。藍介さん、花茶ちゃんが探していましたよ。また、お兄ちゃん行方不明になっちゃったって大騒ぎしたんですから」
あー、そういうことか、藍介一晩泊まるとは、確か言ってなかったよね。前の迷子のこともあるし、そりゃあ花茶ちゃんからしたら慌てちゃうよね。
「そういえば、一晩泊まると話していませんでしたね」
「藍介様! 花茶様なら大丈夫って言ってたじゃないですか! 花茶様に嫌われているというのに余計嫌われてしまったじゃないですか」
「芋虫さんすみません、まさか大騒ぎになるとは考えてなかったです」
「主人様が花茶ちゃんを宥めてくれているので暴れなかったですが、あの時の花茶ちゃん怖かったですよ。糸吹きに食べられちゃうじゃないかって言ってましたね」
「糸吹き‥‥。完璧に嫌われてしまいましたね」
芋虫は壁に頭を押し当てて悲しそうだった。
「藍介さんもうそろそろ帰らないと、花茶ちゃんそこにいる方を殺しに来るかも知れないので早く帰ってきてください」
「わかりました。それでは、芋虫さん早く主人様のプレゼントを決めてください。あと、そこにあるタイガーアイを貰ってもよろしいですか? 花茶にプレゼントしたのですが」
「はい、ここにあるものは俺が食べた土に入ってた鉱石たちなので何でも持っていってください」
「待って〜、それって芋虫のうんこってこと〜?」
「俺の排泄物で間違いないぞ」
「紫水」
「な〜に〜藍介」
「このタイガーアイ、貴方のスキルで洗ってくれませんか」
「いいよ〜、他の石も全部洗っておく〜」
「紫水、俺の事も洗ってくれないか、糸を使って毒道の毒鱗粉を拭き取ってはいるが、主人様の前では清潔な状態で会いたいんだ」
「わかった〜。それじゃあ始めるね〜」
俺は芋虫の体を洗い、芋虫のうんこを全部洗った。
こんなに綺麗な石が芋虫のうんこなんてビックリしたよ。
「藍介様、主人様にあげるプレゼントどうしたらいいですか」
「芋虫さん目を瞑って歩いてみてください」
「はい」
芋虫はゆっくりと歩き始めコツンと前脚がダイヤに当たった。
「それが、貴方が主人様に渡すプレゼントでいいですね」
「ダイヤですか、それよりもルビーの方が」
「はい! 時間ないからそれで決定です。さぁ、帰りますよ」
「ですが、他の宝石の方が」
「とやかく言ってないで行きますよ」
「ほら〜、早く主人様に会いに行こ〜」
「紫水、俺はどんな感じで主人様に会えばいいんだろか、緊張してきて頭が真っ白になりそうだ」
「そんなの知らないよ〜。仕方ないな〜、俺が芋虫の事連れて行くから藍介と緑癒は先行ってて〜」
「紫水、芋虫さんの事任せましたよ」
「藍介さん僕に乗ってください」
「緑癒ありがとうございます。それでは失礼して」
緑癒は藍介を頭に乗せると主人様への元へ帰っていった。
「ほら〜、芋虫いくよ〜」
「紫水、その、まだ心の準備が」
「はぁ〜。この手は使いたくなかったけどやるか〜」
俺は芋虫の全身を水で囲って持ち上げ主人様の家へと向かった。
「おい! 俺は歩けるからこんなことするな」
「いやだって〜、時間かかりそうだからさ〜」
「やめろ、今すぐスキルを解除しろ」
「嫌だね〜。このまま連れて行く〜」
「このー!」
芋虫は暴れたが俺のスキルからは逃れられなかった。まぁ、俺の方が強いから逃げれるわけないよね。
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