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異世界転移!?一般女子ゲーマーが死にゲー高難易度虫ダンジョンの主人になりましたが、少しゲームジャンルと違うような?  作者: 吉田 亜蓮
第四章 人間の国

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生徒を集めよう! 豊穣の森編

 桑胡の魅惑のモフモフボディを堪能した次の日、凪は豊穣の森に向かった。


「ゴキちゃん達の道やっと通れたわね」


「あそこ、密集し過ぎて暑苦しいです。主人様がそばにいてくれて良かったですぅ。真白が一人なら通るの諦めてました」


「桑胡は流石に無理だったな」


 そして、凪は初めて豊穣の森にいるアの本体に挨拶をする事ができ、豊穣の森での生徒探しを始めた。


「ねぇ、凪ちゃん。私なんて生徒にいいんじゃない?」


 アは花茶がいなくなってから退屈な日々が続いた為、凪の計画が面白そうだから参加したがっていた。


「アさんは虫じゃないから意味ないですって」


「でも、でも、貴方の異世界の知識を学べるいい機会じゃない。ねぇ、私を生徒にしなさいよ」


「ア様は確か花茶様の新曲作りで忙しいってこの前言ってませんでしたっけ?」


「確か、真白だっけ、そうよ。花茶ちゃんの新曲を作っている最中なんだけど、そうね、刺激がない退屈な日々の中では新たなインスピレーションなんて生まれないのよ。だから、私を生徒にして、異世界の知識を学べれば、より最高の! 新曲が書けると思うのよね」


「それなら、氷月に聞いた方が楽なんじゃないですか」


「そうね、あの子勝手に凪ちゃんの記憶を覗いてたみたいだし、漫画とかアニメが面白いって喜んでいたわね」


 豊穣の森を散策していると、1匹の手のひらサイズのてんとう虫が空から落ちてきた。


「ぎやぁぁぁぁぁ!?!?!? 死んじゃう!死んじゃうよぉぉおおおお!!!!」


「うわっ! ん?てんとう虫?」


 凪は茶色の帽子を被ったてんとう虫をキャッチした。


「た、た、助かった。助けてくれてありがとうございます!て!? 人間!? どうして!? ここは、人間なんてこれない楽園だって書いてあったのに!?」


「貴方、その言い方だと、ここの出身ではないのかしら?」


「はい! 僕は世界を旅をして珍しいものを見つけるトレジャーハンターなのです!」


「てんとう虫がトレジャーハンター?」


「主人様、トレジャーハンターって何?」


「えーと、世界を巡って宝物探しをする職業ってことかな?」


「それであってます! 僕は遥々エルフが住む森からここまで飛んで来たのですが、貴方は一体何者なんですか?」


「私は魔蟲の洞窟の主人!凪よ!」


「真白です」


「俺は黒常だ」


「私はここの豊穣の森の管理者アよ」


「魔蟲の洞窟、確か、豊穣の森に近くのダンジョンの名称ですよね」


 てんとう虫は帽子の中から地図を取り出した。


「待って!? 貴方、もしかして、この世界の地図もっているの!?」


「はい! トレジャーハンターにとって地図は大切な相棒ですからね!」


 てんとう虫は地図を広げて何かを確認していた。


「やっぱり! 本来なら魔蟲の洞窟を通らなければ豊穣の森にはこれない様になっているみたいですね」


「そんなこと分かるの?」


「ほら、ここに書いてありますよ!」


 てんとう虫は地図を凪に見せてくれた。


 地図には半透明の赤い点が点滅で表示され、現在地周辺の詳細な情報が書いてあった。


「すご!? この地図どこで見つけたの?」


「ふふふ、僕はトレジャーハンターですよ! なんて、言ってみましたけど、この地図と帽子はいつの間にか僕の持ち物になってたんです」


 アが発言した。


「もしかして、貴方、転生者なんじゃないかしら?」


「転生者ですか? そうなのですかね? 僕には分からないです」


「なら、どうしてトレジャーハンターを名乗っているの?」


「それは、うーん、どうしてだろう? でも、この地図を辿っていけば珍しい物を見つけ出す事が出来るのですよ! この前はそう! これこれ!」


 てんとう虫は帽子の中から禍々しいオーラを放つ石を取り出した。


「これは! 天魔てんまの遺跡と言う、ところから持ってきた、なんか危なそうな石です!」


「ちょっ!? 貴方!? なんて事なの!? それは、降臨石こうりんせきじゃない!?」


「降臨石?」


「降臨石っていうのはね、天使か悪魔を呼ぶことのできる力が凝縮された石のことよ。その様子だと、この石は悪魔を呼ぶものね」


「おー! 僕、鑑定スキルを所持していないので分からなかったです! それで、この石は貴重なアイテムですか?」


「もちろん貴重なアイテムよ。確か、少し前に邪教の

信徒が必死に探していたのがその降臨石なのよ」


「どうです! 僕のトレジャーハンターとしての実力は! えっへん! 僕! 凄いですよね!」


「そういえば、貴方の名前はあるの?」


「名前ですか? 僕には名前なんてありませんよ。下級のモンスターに名前なんてあるわけないじゃないですか」


「そうなの? それじゃあ、私が名前付けてもいいかしら?」


「僕の名前! そしたら、カッコいい名前がいいなぁ」


「私が名付けて大丈夫?」


「はい! カッコいい名前でお願いします!」


「カッコいいねぇ、そういえば、貴方の背中の模様黒い星が7つあるわね。ナナホシテントウ、ナナホシ、黒いナナホシ、でも、黒使うと黒常と被っちゃうから、七福しちふくなんてどう?」


七福しちふくですか?」


「そう、7つの福を呼んでくれるみたいでいいじゃない? 」


「七福、僕の名前は七福です! 名前を付けてくれてありがとうございます!」


「いいってことよ。それで、七福はトレジャーハンターでここに来たのよね? 次は何処に行くって予定ある?」


「いいえ、僕はここに来たら長く滞在しようかと考えていたんです。ほら、この森はこの世界一豊かと言われているので、美味しいご飯が沢山いそうだなって」


「えーと、テントウムシの主食は確か、アブラムシだっけ?」


「はい! ここなら沢山いるかなって」


「それなら、藍介の畑を任せてもいいかしら?」


「藍介の畑ですか?」


「そう、私もここに来るのあまり無いから藍介の畑をちゃんと見れてないんだけど、アブラムシが野菜にくっ付くのが嫌だったみたいなのよね」


「本当ですか! 僕に任せてください! 野菜を守って見せます!」


「ありがとう、あと、私ね」


 凪は例の件を七福に説明した。


「そう言うことなんですね。僕なんかが名前も貰って、その生徒になっていいんですか?」


「真白と黒常はどう思う?」


「主人様が気に入っているならいいんじゃないですか? 真白としては敵かもしれないので、監視を付けた方がいいと思います」


「真白の言う通りだな、突然現れた奴を信用するのは危険だな」


「監視ねぇ、それなら、アさんお願いできませんか?」


「えっ! 監視役私なの?」


「ア様が監視役なら安心できるな」


「真白もア様が監視役になるの賛成です!」


「もう、分かったわよ。七福の監視役は私がやるわ」


「アさん! 僕の監視役お願いします」


「監視対象にお願いしますって言われるのは変な感じだけど、まぁ、仕方ないわね。引き受けてあげるわ」


「アさん、ありがとうございます」


「でも、その代わりに私も生徒にしなさいよね」


「七福と一緒でという事で、アさんも生徒になってもらいましょうか」


「それじゃあ、今日は2人ゲットですね!」


「今日はこのぐらいで帰ろうかしらね」


「主人様、まだ生徒増やすんですか?」


「そうね、次は魔蟲の森に行ってカマキリ夫婦に話しかけようかなって、それで生徒集めはお終いにしようかなって考えているわ」


「キャサリンさんとミハエルさんなら生徒になってくれそうですね!」


「キャサリンを呼ぶのか、ご飯を用意しとかないといけないな」


「よし、今日は疲れたから帰りましょうか。アさん、七福、学校の件は生徒集めが終わったら連絡するからその時はよろしくね」


「分かったわ」


「はーい! その、僕、洞窟探検してみたいのですが、洞窟入っても大丈夫ですか?」


「皆んなには伝えておくから大丈夫よ。あっ、でも、偽ダンジョンの方を探検したい時は必ず私か、アさんに話してね」


「偽ダンジョン? 分かりました。でも、今日はお腹減ったので藍介さんの畑に行きたいです」


「なら、私が案内するわ」


 アは七福を連れて藍介の畑へ向かい、凪は全ての虫に仲間になった七福を説明して、家に帰ったのでした。

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― 新着の感想 ―
新たな転生者の登場でした。ナナホシテントウムシは益虫だけどそれ以外のテントウムシは大概が害虫だから良かったですね。 帽子から道具を取り出すか~。合言葉を言わないと♪ 「ハット!ハット!ハットっと!イー…
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