凪は暇すぎて焦りだす
主人様は洞窟の長達がそれぞれ人間の国で活躍する中、自分は暇ばかりしていいのだろうかと考え始めた。
藍介は普段通りに国を陥れる為に暗躍し、冒険者チームはパラディンボーン討伐に馬車で向かい。
白桜はやっと屋敷を購入し、家族の蜘蛛達(子分)と一緒に服製造を始め、紅姫は黄結姫と街の警備、そして、白桜が作った服のモデルや屋敷でのパーティーを催し、貴族との関係を構築し始めていた。白桜はデザイナーの他にも花茶のマネージャーを請け合い、花茶は週1回は必ずライブを行っていた。
ナバン家に奴隷として送られたネルガルとライネルは、と言うと2人は自分にできる範囲での情報収集を行なっていたのであった。
そんな人間の国での活躍をしている中、凪は居間で自分は何もしていないと考え始め、焦っていた。
どうしよう、私、アイテム作ってあげてるだけで何もしてないじゃない!!! いやだって、ダンジョンから外出れないんじゃ活躍とか出来ないし、アイテム作ってサポートしてあげることしか出来ないわよね。でも、ボードゲームで遊んだり、偽ダンジョンと言う名の遊園地に遊びに行ったり、私遊んでばっかりじゃない!!! これは、非常にまずいわ。私はこのダンジョンの主人! すなわち、この子達の手本なのよ。それが、遊び続ける日々なんて、ダメよ!絶対にダメ! よし!今からでも何か藍介達にしてあげられることは…。ないわよね。像は作って送っちゃったし、欲しい物は作ってあげられるけど、それぐらい、うわぁあわぁぁぁあ!!!! 主人としての威厳がぁ、それに、神様として崇められているんだから、こう、なんか、ねぇ、威厳がないと神様らしくないわよね! でもな、どうしよう、何をすれば、ん? そう言えば、どうして、藍介達は急に虫人に進化したんだっけ? 久しぶりに確認するか。
『クエスト取得』
ダンジョン評価:F取得条件
ダンジョンの侵入者を退治しよう
「そう言えば、クエスト取得久しぶりね」
ダンジョンの侵入者を退治しようか、藍介に言って罪人を送ってもらって追い払えばいいかしら? うーん、ダンジョン評価を上げれば長で無い他の子達も虫人に進化できるのかしら? それか、私との接触時間とか関係しているのかな?だとすると、洞窟の長達が私との接触時間が長いから完全な人間の姿になって、森の長達は虫の特徴を残した状態で虫人になったと言うことかしら? いや、でも、確か、神様にどっちになりたいか決めなさいって選択肢を提示されたとか何とか言ってたような? うーーーん? わからん、藍介じゃないから分からないわよ!
凪は居間で悩んでいるとムカデの黒常と真白が庭に遊びに来ていた。
「主人様! 主人様! 真白と一緒に遊びましょー!」
「俺は帰って寝ていたいんだけどな」
「黒常! ミーライちゃんから助け出してあげたのに恩を仇で返すなんて酷い!」
「うっ、それは、その、ありがとう」
『今日は銀次様から借りたこの! 人生ゲームで遊んで、主人様と擬似結婚生活を楽しむ為に手伝ってくれるって言ったよね?』
『分かった、分かったから、手伝う、手伝わせていただきます!』
「主人様! 真白と遊びましょー!」
凪は真白と黒常に気付き、庭に出た。
「人生ゲーム流行ってるわね」
「当然です! 主人様が作ったゲームですよ! 楽しいに決まってます!」
凪はふと頭にあるアイデアが浮かんだ。
そういえば、藍介は常に人手が足りないって言ってたわよね? もし、真白と黒常が虫人に進化したら藍介の手助けができるってことよね? そうよ! そうそう!私が出来ることがやっと分かったわ! この子達を虫人に進化させる事よ! そうなれば、賢い子を集めて私と一緒に暮らしてみたら虫人になれるんじゃないかしら! それに、虫人に進化しなくても人間社会を教えれば人間の国でも活動出来るようになるわよね。一部の蜘蛛の子達は白桜の元に向かっているし、よし! 善は急げよ! 虫人になりそうな子達に声掛けをしなきゃ!
「ねぇ、真白と黒常、今日は人生ゲームで遊ぶんじゃなくて、私の用事を手伝ってくれないかしら?」
「主人様をお手伝いできるのですが!? やったー! 真白は主人様のお側にいれるだけで嬉しいです!」
「なら、俺は護衛役か」
真白は体を直立に立たせて、凪は真白に右手をかざした。真白は凪の手から腕に巻きつき、黒常は左手に乗った。
「よし! 学校の生徒を集めるわよ!!!」
「おー!」
「学校? 主人様は学校を作るのですか?」
「学校と言っても建物は作らないわよ。私の家で住み込みで人間の国について学んでもらうのよ」
「主人様の家に住み込み!? はい! 真白! やります! 生徒になります!!!」
「いや、俺はめんどくさそうだからやめておく」
「黒常も一緒にですよね?」
真白は黒常に圧をかけた。
「いや、俺は面倒ごとは」
「こく〜じょ〜う〜、生徒になりますよね?」
「いや、だから、俺は」
「なりますよね?」
「分かった、分かったって、俺もやればいいんだろ!」
真白の圧が強く、黒常は渋々承諾したのでした。
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