一方、主人様は 後編
凪は魔蟲の森に着き、銀次と金色丸が良くボードゲームで遊んでいる切り株に向かった。
すると、凪の予想通り銀次と金色丸、そして、珍しく、菊姫と百合姫も一緒に遊んでいた。
「あら! 菊姫と百合姫も来てたのね!」
菊姫と百合姫は主人様に気付くと彼女に駆け寄った。
「主人様! この人生ゲームはどうして男女でしか、結婚できないのですか!!!」
「え?菊姫、急にどうしたのよ」
「主人様! ここのマスは必ず止まってルーレットを回して1〜6がでたら、結婚ですよね! なのに、結婚できると思ったのに、異性限定っておかしいです!!! 私は女性と結婚したのです!!!」
「あー、別にゲームなんだから好きな性別で結婚してもいいんじゃない?」
「そんな! 主人様が決めたルールを破ることなんてできませんわ!!!」
「なら、付け足すわね」
凪は結婚マスの表示を変えた。
「これでよし、好きな異性と結婚する。にしたから、これで進めるわね」
「ありがとうございます! それでしたら、主人様を入れて、初めからやり直して遊びましょうよ」
「そんなぁ、オラ、今一番だったのにぃ。でも、主人様と遊べるなら、いいだべ」
「なら、主人様は何色の車にしますか?」
「そしたら、青色にするわね。よーし! 久しぶりに人生ゲーム楽しむわよ!!!!!」
「おー!!!」
そして、主人様は森の長達と人生ゲームで遊んだのでした。そして、ゲームの結果は。
「オラ、さっきまで一番だったのに、このマス酷すぎるだ!」
「ふぅ、わしは何とか借金せずにクリアできたわい」
「あたしがいっちばぁーーーーーん!!!」
「さすが百合ちゃん! 最後の怒涛の大金ラッシュ素敵だわ!」
「私が4位、くそぉ、借金してクリアとか最悪だわ!」
「ふふふ、私は百合ちゃんの後、これで、ゆりちゃんとのマイホームが買えてたらより良かったんだけど、2位だからいいわ!」
というふうに、人生ゲームの結果は1位百合姫、2位菊姫、3位銀次、4位凪、5位金色丸となった。
「でも、久しぶりに人生ゲームやると楽しいわね!」
「主人様に楽しんでもらえて良かっただぁ」
こうして、凪は森の朝達と遊び、夕方になると、偽ダンジョンへ向かった。
「蝋梅妃! 蝋梅妃! あと、ヤング! 偽ダンジョンの進行状況はどう?」
「主人様! 来てくれたのですね!!! 私、新たな罠のアイデアが出まして、その名も地獄のジェットコースター!!! 300キロで溶岩エリアを走行する地獄という所を再現した最速の罠となります!!!」
「ヤング、罠というより、アトラクションが増えてない?」
「そうですかね?」
「だって、メリーゴーランドにコーヒーカップ、何故か、観覧車があって、そして次はジェットコースター、偽ダンジョンというより、テーマパークよね!」
「何を仰りますか! メリーゴーランドとコーヒーカップは遠心力によって敵を吹き飛ばすと言う画期的な罠です! 観覧車はその様子を皆さんに見てもらう為につりました」
「ほら、やっぱり、楽しんでるじゃない!」
「主人様、我には考え付かない、ヤングは沢山の罠を考えてくれました。それに、我等の遊び場が少ないので、面白い罠も作りたいと言っていまして、だから、あのような罠を作ったのです」
「それも、それか、ヤングありがとうね」
「いえ! 主人様もどうぞ乗ってみてください!」
「後で試させてもらうわね。今日はただ寄っただけだから、今度罠を全て試してみてもいいわね」
「はい! その際はこのヤングめに案内をさせてください!」
「我も同行します」
「ネルガルとライネルが人間の国に行っちゃったから被験者がいないのよね。他の子達にお願いするのは可哀想だし、あー、あの子なら面白くなりそうだけど、死んじゃいそうだし、出来れば頑丈な子にお願いしたいわね」
「頑丈ですか、それでしたら、金色丸様なら頑丈ですよ!」
「金色丸ね、それも面白そうね。それじゃ、今日のご飯当番はチェルーシルさんだから、スイーツに期待大なのよ。じゃあ、また来るわね!」
「お待ちしていますわ」
凪は蝋梅妃とヤングに別れを告げて、家に帰り、チェルーシルの手料理を楽しんだのでした。
そう、凪は(暇だけど)新しい日常を送っていたのでした。
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