なかなか決まらないプレゼント
私は芋虫さんの住処に一晩泊まらせて貰い、朝早く起きて、芋虫さんが主人様と会うための準備をしていました。
「芋虫さん、主人様に渡すプレゼント選び終えましたか?」
芋虫の目の前には沢山の宝石が散らばっていた。
「藍介様、主人様は金、ダイヤ、ルビー、サファイア、エメラルド、どれが一番好きですか」
「まだ、決めてなかったのですか、私は昨日言ったじゃないですか、主人様の好みはわからないって」
「ですか、とても賢い藍介様なら主人様の好みを知っているはずじゃ」
「それは、ご飯の好みであって、鉱石の好みはわからないです。人間は宝石を好むと言いますし、宝石の中から貴方が主人様に似合うと思う物を選べば良いんじゃないですか。確か昨日はルビーを渡すといっていましたよね」
「ルビーよりもダイヤの方が美しい気がして、いや、ダイヤよりもサファイア? エメラルドも綺麗だ。 ん、アメジストもいいな。もう、俺じゃあ決められない。よし! 宝石全部渡そう!」
「そんなに一杯持っていけないですよ。そうですね、考え方を変えましょう。主人様に会う約束をした時に主人様に宝石を一つずつ渡すと言うのはどうです。そうすれば、全部の宝石を渡すことができますし、主人様の好みがわかるかも知れませんね」
「おー! では、最初はどの宝石を渡せば良いのですか」
「だから、それを自分で決めなさいっと言ってますよね。私が決めたら意味がないので、貴方が選びなさい」
「最初のプレゼントは大切だと思うのです。だから、藍介様。お願いします。一緒に決めてください」
「ダメですって、もう、昨日まであんなに勇ましかったのにプレゼント選びでこんなに時間がかかるとは思いませんでしたよ」
「主人様に嫌われていると考えると、プレゼントを渡すのが怖くて」
「だから、主人様に状況を説明すれば主人様は分かってくれますって、クヨクヨしないで早く決めてください」
「藍介さまぁー。お願いします。主人様が好きそうなの教えてください」
「だから! 私もわからないですよ!」
芋虫さん、もう、何度も同じこと言わせないでくださいよ。
主人様に好かれようと必死なのはわかりますが、プレゼント選びで夜が明けるなんて。
私は主人様からもらった懐中時計を取り出し時間を確認した。現在朝の6時、後30分経っても選べなかったら、芋虫さんに目を瞑ってもらって歩いた先にある宝石を持って行かせることにしましょう。
凪が作り出したアイテム紹介
◾️懐中時計◾️
藍介は朝起こす時にいつも本を取り出し時間を確認していた為、時計が欲しいとお願いしたら作ってもらえた。
主人様からもらったバックに大切に保管している。
凪は腕時計を作ってあげようと考えたが、藍介の腕が細過ぎるため断念した。
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