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異世界転移!?一般女子ゲーマーが死にゲー高難易度虫ダンジョンの主人になりましたが、少しゲームジャンルと違うような?  作者: 吉田 亜蓮
第四章 人間の国

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花茶の大冒険! 前編

 時は遡り、花茶が連れ去られる少し前、花茶はネルガルとライネルと一緒に街を探検していた。


「美味しそうな匂いがする!!!」


 花茶は走り出し、串焼き店で立ち止まった。


「これ10本ください!」


 花茶は金貨を店主に渡し、串焼き10本を買った。店主からお釣りをもらって食べながら移動すると、次は赤い果物を売っている店で赤い果物を100個購入した。


「おい! 100個は買いすぎじゃねぇか!」


「だって、これ美味しいんだよ!」


「まぁまぁ、俺がポーチに半分入れておくから」


 ネルガルがポーチに赤い果物を半分いれた。


「美味しいものがいっぱいで、花茶全部食べれるかな!」


「いや、今日で全部食べようとするな、腹壊すぞ」


「だって、美味しい匂いが沢山するんだもん」


「程々にしろよな。今日は久しぶりに藍介さんの手料理なんだろ」


「うん! お兄ちゃんの料理楽しみだな、あ! あれも美味しそう!!!」


 花茶は焼き菓子の店に向かった。


 花茶の走るスピードは2人よりも早く、2人は全速力を出さないと花茶を見失ってしまうほどであった。


「はぁ、はぁ、花茶ちゃん早すぎないか」


「ネルガル、これでへばってたらこれからの花茶の護衛なんて出来ねぇぞ」


「分かってるけど、早すぎだろ!」


「ネルガルとライネルは遅いね。花茶、もうお菓子買っちゃったよ! はいこれ! とっても美味しいよ!」


 花茶はネルガルとライネルにお菓子を一個ずつ渡した。


「ありがとう」


「いただきます」


 2人は焼き菓子を食べると、花茶はまた走り出した。


「花茶! 1人で行くんじゃねぇ!!!」


「花茶ちゃん! あっ、花茶様! 1人で行くのは危ないよ!」


 人が多い通りに花茶は走り出し、2人は花茶の後を追ったが、人混みのせいで花茶を見失ってしまっていた。


「やべぇ! こりゃ、やべぇぞ!!!」


「花茶様! 花茶様! 何処にいるんですか!」


「もし、これで花茶が見つからなかったら、俺ら」


「藍介様に怒られるな」


「それはやべぇぞ!!!」


 2人は必死に花茶を探し始めた。


 一方、花茶はと言うと。


「ライネルお兄ちゃん、ネルガルお兄ちゃん迷子になるなんて、花茶が探してあげなきゃ!」


 花茶は自分が迷子になったのではなく、2人が迷子になったと考え、2人を探し、狭い裏路地を歩いていた。


「ライネルお兄ちゃん! ネルガルお兄ちゃん! うーん? ここじゃなかったのかな?」


 すると、5人の男達の前を花茶が通り過ぎると、男達はヒソヒソと何かを話し始め、その男達の1人が花茶に話しかけた。


「嬢ちゃん1人でこんな所でどうしたんだい?」


「おじさん、聞いてよ。ライネルお兄ちゃんとネルガルお兄ちゃんが迷子になっちゃったの。だから、花茶が探してるの!」


「そうなのか、嬢ちゃんら偉いね。でも、嬢ちゃん、お腹減ってないかい?」


「んー、結構走ったから花茶お腹減ったー!」


「それなら、これをあげるよ」


 男は赤い果物を花茶に渡した。


「おじさんありがとう! いただきまーす!」


 花茶は赤い果物を食べた。


「美味しい!」


「そうだ、おじさん達、ライネルお兄ちゃん、ネルガルお兄ちゃんを探すの手伝ってあげようか」


「ほんと! おじさん達見た目怖いけど優しいんだね!」


「歩きながらじゃ大変だから、馬車に乗って探さないかい?」


「いいね!」


 花茶は馬車に誘導され、馬車に乗り込むと、馬車の中には手錠を付けた7人の子供が乗っていた。


「あれ? どうしたの?」


 すると、ドアが閉められ、馬車は動き始めた。


「うわっ! ビックリしたな。でも、これじゃあ」


 馬車の中から外が見れない作りになっていて、花茶はこれじゃあ、ライネルお兄ちゃんとネルガルお兄ちゃんを探さないと思った。


「ねぇ、ねぇ、これじゃあ外の様子見れないけど、どうやってライネルお兄ちゃんとネルガルお兄ちゃんを見つけられるの?」


 馬の手綱を引くおじさんに花茶は話しかけた。


「うるせぇ! 黙っていやがれ!!!」


「え?」


 馬車は猛スピードで進み、関所では、馬車の中を確認せずに馬車を通してしまっていた。


「うーーん? これは、花茶、悪いおじさんに捕まっちゃったってことかな?」


 状況を理解しきれていなかった花茶は馬車に乗っている男の子に話しかけた。


「ねぇ、あのおじさんって悪い人なの?」


「あいつらは子供攫いだよ。僕達は、もう、何日もここに閉じ込められてるんだ」


「ママー!!!」


「おうちに帰りたいー!!!!」


 子供達が泣き出すと、男はバンと馬車を叩き、子供達に罵声を浴びせた。


 子供達は怖がり何も言わなくなった。


「んもー! 花茶怒ったからね!!!」


「怒った所で子供の僕達じゃ何も出来ないよ」


「ん? 黄結姫さん?」


 花茶は急に黙り、黄結姫と思念伝達で話し始めた。


『花茶ちゃん! どうして、今まで反応してくれなかったのですか!!!』


『黄結姫さんごめんなさい。花茶、悪い人に捕まっちゃったみたい』


『今何処にいるか分かりますか?』


『うーん、分かんない。でも! 馬車に乗ってるのだけは分かるよ!』


『馬車ですね。今皆さん必死に花茶ちゃんを探しているので、待っていてください!』


『大丈夫! 花茶さいきょー! だから、子供達を助けて、悪い人をやっつける!』


『危ないことはしないでくださ』


『花茶! さいきょー!!!!!!』


『あっ!』


 花茶は子供の手枷を両手に持ち、力技で手枷を壊した。


「え? 嘘、鉄で出来てるんだよ」


「花茶は! さいきょー!!!!」


 花茶は次から次に子供達の手枷を破壊したのであった。

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― 新着の感想 ―
定番中の定番でした。簡単に連れ去れたのにね~。 ここから始まるんだね、最強伝説が……どこかの森で「あたいが最強!」と叫んでる氷の妖精といい勝負しそうです(笑)
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