藍介の協力者
藍介が紫水に呼ばれ、白桜と一緒にギルドへ向かった。
「ちょっと! まだ、あたしの物件見つかってないんだけど!!!」
「緊急事態みたいですし、この件が解決したら物件探しを再開しましょう」
「分かっているわよ。それで、凪教の教会は出来たの?」
「それはですね。建物は完成しているのですが、肝心の主人様像が手配出来ていなくてですね。有名な彫刻家の方に一度お願いしたのですが、私が納得いく作品では無くてですね。こうなったら、主人様に作ってもらおうかと考えています」
「それなら! 魔石で主人様像を作ればいいのよ! 主人様の偉大さを広めることができるわ!」
「それは、それで、警備面が面倒になりそうですね」
「主人様像は魔石で作るべきよ!」
すると、馬車が止まり2人はギルドに着いた。
藍介と白桜はギルドの応接室に案内されると、氷月に首を掴まれたライアーが藍介に助けを求めた。
「藍介さん!!! やっと来てくれましたか! この状態で1時間以上拘束されていたんですよ!!!」
「ハッハー! 俺様なら一月以上このまま拘束する事も出来るぞ!」
「魔石精霊怖いです!」
「氷月さん拘束を解いてください。ライアーさんは鑑定眼が並外れていましてね。私がギルドに依頼をした時に主人様の偽造ステータスを見抜き、私の種族を知ってしまったのですよ。なので、後日話し合いを行い私の協力者となってもらったと言うわけです」
「藍介様、協力者は後何人いるのですか? 僕達も藍介さんの協力者を知っておかないと間違えて消してしまいますよ」
「緑癒からそのような事を言われるとは思いませんでしたが、まぁ、気付かれたのであれば消すのが得策ですからね。私の協力者は天才魔道具技師のテンサーさんと共同経営者のスミスさん、それと、ギルドマスターであるライアーさんの3名ですね。他には勇者教会の者を協力者として引き抜きたいのですが、そこが難しくてですね。あとは、奴隷商の方も味方につけたいのですが、彼等とは敵対関係なので難しいのですよ」
「今の所は3名が俺達の事を知っていると言うわけだな」
「はい、私達を知っている人は少ない方が良いですからね」
「それじゃあ〜、藍介の〜、秘書の子は〜知らないって事なのかな〜?」
「アンナには、教えてませんね」
「俺は〜、彼女には〜、教えてるかと思ってた〜」
「アンナさんは黄結姫さんと色々ありまして、私は彼女を信頼していませんからね。仕事面では、優秀ですが、性格がちょっと」
「へぇ〜、了解〜」
「ねぇ、話終わったかしら? あたしは早く従業員を住まわせる屋敷を見たいんだけど!」
「従業員? 白桜ちゃんはもう人を雇ったのか?」
「人間は雇わないわよ。あたしの配下達を働かせる場所を見つけないと、あの子達、仕事中毒で糸を大量に吐きまくるのよね」
「ん〜? どう言う事〜なの〜?」
「仕事が好きすぎて糸を出し続けるのよ。今は生産を待って貰ってるけど、早く仕事がしたいって、あの子達から思念が送られ続けているのよ。それが、もう、うるさくて、だから、早急に見つけてあの子達にこっちに移ってもらうわけよ」
「勤勉なのはいいですが、それは、それで、面倒ですね」
「そうなのよ。休みなさいって言っても、僕達の糸が主人様のために! って、言い始めて、糸を吐き続け、交代制にしても、休憩中に隠れて糸を吐くしで、もうね。休ませるのが大変なのよ」
「白桜ちゃんも大変なんだな」
「あの子達のやる気をサンザイに与えてやりたいぐらいよ」
「サンザイ〜?」
「私の配下で金管理が上手な奴なんだけど、目を離すとすぐに私利私欲に突き進むのよ。あいつ、あたしがいなくなったからって羽目を外してたらただじゃおかないわ」
と、白桜がサンザイの話をしている時、サンザイ本人はと言うと。
「主人様!!! ありがとうでやんす! すごくカッコイイでやんす!!!」
サンザイが丁度乗れる赤い車に乗っていた。
「白桜の仕事大変だったでしょ、あと、キャサリンの食糧面を解決してくれたお礼よ」
サンザイは車を操作し始めた。
赤い車はゆっくりと走り始めた。
「おー!!! 動くでやんす!」
「使い方はさっき教えた通りよ。オートマ車だから、シフトレバーは飾りで意味ないけど楽しいでしょ」
「レバーをガチャガチャするの楽しいでやんす!」
「喜んでもらえてよかったわ」
「大切に使うでやんす! ドライブ行ってくるでやんす!」
「安全運転で行ってらっしゃい」
「もちろんでやんす!」
サンザイは飾りのシフトレバーを動かし、車を走らせドライブを楽しんだのでした。




