結ぶのは得意なんです
ある日、黄結姫は藍介に買い出しをお願いされて外に出ていた。その時のスラム街は少しずつ建物が綺麗になっていき、人の往来も少しずつではあるが、増えてきていた。だが、元々はスラム街であるため路地裏に行くと、乞食や窃盗や強姦などの犯罪者や盗みを行わないと生きていけない子供達が数多くいた。
当時、藍介は彼らを働き手にしようと考え教育施設の建設、教育者を集めている最中であった。
「私のお仕事は〜、悪い人をやっつける!それが〜、お仕事〜」
黄結姫は藍介の秘書として彼をサポートしようとしていたが、それが、逆効果で黄結姫がミスをするたびに藍介の仕事を増やし続けていた。結果、スミスの提案で彼の下で働いていたアンナが藍介の秘書となり、黄結姫に何をやってもらおうか藍介が悩んだ末、スラム街の治安を回復をお願いしたのであった。
黄結姫が路地裏を歩き、悪い人がいないか確認していると、近くで女性の叫び声が聞こえた。
「ん! 悪い奴が現れたのですね!」
黄結姫が叫び声が聞こえた方向に走り出し、そして、彼女が見たのは、酷く汚れた服を纏った少女に男2人が少女の服を破いている様子であった。少女を必死に抵抗していたが、男の力では敵うはずもなく、少女の顔は3箇所に青いアザがあった。
「くそぉ、このガキ! 騒ぐんじゃねぇぞ!」
「まぁ、いいじゃねえか。無抵抗なガキをヤるのは面白くねぇからな。こう言うイキがいい方がそそられるぜ」
黄結姫は12歳ぐらいの少女が必死に抵抗しているところ確認すると、男2人に話しかけた。
「あのぉ、すみません。その子が嫌がっているので、その子の代わりを私がしましょうか?」
少女の服を破いていた男は振り返った。
「んだよてぇめ! って、マジかよ、めっちゃくちゃ美人じゃねぇか!」
「メイドさん溜まってるのか、それなら、俺達が楽しませてやるぜ」
「ありがとうございます。じゃあ」
黄結姫は少女に破れて布になった服を被せて、自分が持っていた籠を少女に渡した。そして、男達に聞こえないように彼女に話しかけた。
「この籠を持って逃げてください。悪い人は私がやっつけます」
「なんで」
少女は籠をもって一目散にその場から逃げた。
「まさか、こんな上物さんとできるって夢みたいだな」
「さぁ、俺達と一緒に仲良くしようぜ!」
「2人は仲が良いのですか?」
「ん? まぁな、俺とヤブンは何処でも一緒なんだよ!」
「おい、チッキン恥ずかしこと言うんじゃねぇよ。それじゃ、楽しみますか」
男2人はズボンを下ろし下半身を露わにした。
「まぁ、2人とも仲が良いのですね! それなら、安心して結んであげられますね!」
黄結姫は嬉しそうに手を叩いた。
「ん?」
一瞬の出来事で男2人は何が起こっていたのかを理解できていなかった。だが、何故か、男同士で抱きしめあっていた。
「はい、お終いです。私、結ぶの得意なんです。大好きな2人を結んであげることが出来て良かったです。それでは、後は2人で楽しんでくださいね」
黄結姫はその場から消えた。
「はぁ?」
ヤブンは下半身に痛みを覚え下を見ると、叫んだ。
「うわぁぁぁぁあああ!!!!! チッキン! 下を見ろ!!!」
「フェッ!?」
2人の局部が結ばれていた。その後、2人は強烈な痛みによって失神した。
黄結姫は籠を渡した少女を探した。
「あの子は何処まで行っちゃったのかしら?」
「メイドのおねぇちゃん! 大丈夫だったの!」
少女は籠を黄結姫に渡した。
「えぇ、あの2人は仲が良いので結んであげたんです」
「結んであげた?」
「それはもう置いておいて、お腹が減っているでしょ。お姉さんに付いてきてくれる?」
「何処へ行くの?」
「お腹いっぱい食べれて、お勉強ができるところよ」
「私、お金持ってない」
「大丈夫、えーと、貴方のお名前は?」
「サリア」
「サリアちゃん、私が仕える人はねここにいる人達を助けてあげようと考えているの。まだ、始まったばかりだけど、見て、前よりもここは綺麗になってきたと思わない?」
「んー、私、わからない」
「そうか、まだこの程度じゃ認識してもらえないってことかな。藍介さんに話してあげなきゃ」
黄結姫とサリアは手を繋いで藍介が建てた支援施設第1号店『ヤドリキ』へ案内した。
「黄結姫さんその少女はどうしたのですか!?」
男性の従業員が上着を少女に被せてた。
「この子をここに住まわせてあげたいの」
「かしこまりました。この子のお名前は」
「サリアちゃんよ。路地で男2人に襲われていたのよ」
「そうでしたか、サリアちゃん大変だったでしょう。もう安心してください。ここは沢山ご飯が食べれて安心して眠れる所ですよ」
サリアは黄結姫の後ろに隠れた。
「あらあら、怖かったでしょ。今日は私がそばにいてあげるわ。あの、お願いがあるんだけど、藍介様にこの籠を渡して欲しいの」
「かしこまりました。お部屋を準備いたします。こちらはどうぞ」
男は部屋に案内をして、サリアは初めてお風呂に入り、沢山ご飯を食べて、黄結姫と一緒にフカフカのベッドで眠りについたのでした。
「私はサリアちゃんを助け、その後も沢山の人間の子供達を助け続けたの!」
「すごい母さん〜。アレを結ぶのはヒヤッとしたけど〜、すごいよ〜!!!」
「殺さないでと藍介さんに言われていたので、結ぶのは大丈夫かなって、次々に現れる悪を結び続けてあげたら、いつの間にか治安が良くなったの」
「母さん凄いよ〜!!!」
白桜は爆笑していた。
「そりゃあ、そんな所結ばれるって分かったら悪いことなんてしないわよね!!!」
「黄結姫さん、素晴らしいですわ! 女性に乱暴をする男を去勢するなんて! 私もその悪を裁くお手伝いしたいですわ!」
灰土、緑癒、ネルガル、ライネルは顔が青ざめていた。そして、黄結姫さんを怒らす真似は絶対にしないと誓った。いや、そもそも、洞窟にいる女性は誰であっても怒らせてはいけないのだと、男達は再確認したのであった。
ブックマーク、評価いただけると嬉しいです。




