主人様の抱き枕になって
俺は布団の中に入り、主人様が入ってくるのを待っていた。主人様は俺に何を聞きたいんだろう? でも、嬉しいな。
主人様が一緒に寝ようって言ってくれたの初めて〜♡
「紫水、布団から出てもらえないかしら?」
「え〜、どうして〜? 一緒に寝てくれるんでしょ〜? 布団の中で話そうよ〜」
「仕方ないわね。ちょっとパジャマに着替えてくるから待ってて」
主人様はそう言うと別の部屋に行き青色のパジャマに着替えた。青より、紫の方が似合うと思うんだけどな〜。もう少し可愛いパジャマ着て欲しいな〜。
「お待たせ、紫水もう少し端に寄ってくれない。私、布団の中入れないわよ」
「わかった〜」
俺は右半分を布団から少しだけ出した。主人様は掛け布団を持ち上げて布団の中に入ってきてくれた。
あ〜♡ 主人様と一緒の布団に入ってる〜♡ 主人様と一緒に寝てる〜。主人様と二人きり‥‥。
もしかして!?
主人様は俺とこ、こ、交尾してみたいのかな!?
いや、流石にまだそれは、ないよね。
でもさ、主人様にとって一緒の布団の中で寝るって俺が初めてだよね? それってさ、俺が一番安心できる存在で主人様に信頼されているって証だよね?
ヤバい、嬉しすぎて心臓が煩すぎる。
心臓がドクン、ドクンってめっちゃうるさい。
なのに、嬉しい。
なんだろう、この感情、苦しいのに嬉しい。
ずっと主人様と一緒に寝ていたい。
主人様に触れて貰いたい。
あ〜、もう〜。
好き〜♡
主人様、好き好き好き好き好き好き好き好き〜♡
主人様の体温が心地いい〜。
最高!
主人様は横になりながら俺に話しかけてきた。
「紫水、どうして藍介と喧嘩したの」
「えっ、それは、さっき話したよね」
「あの時はあまり詳しくは聞けてなかったし、紫水がどうして藍介を怒らすことを言ったのか分からないから教えて欲しいの」
なんで、二人だけの幸せな時間なのに藍介の話なんだよ。
でも、正直に話さないと主人様に嫌われそう。嫌われるのは嫌だな。
「ん〜、あの時は藍介が羨ましいって思ったんだ」
「羨ましいね? それはどうして?」
「だって〜、藍介は主人様に抱き付いて羨ましいって思ったんだ。主人様は藍介に甘過ぎるよ〜。俺だって〜、もっと主人様に甘えたいのに〜」
「それって、私に甘えたいから藍介に喧嘩を仕掛けたって事?」
「ん〜そうかも知れない」
「それでも、喧嘩するのは良くないと思うんだけど」
「あの時は俺もその、カッとなっちゃって藍介が気にしている事いっちゃったし、藍介のこと煽ったりしたから、その、俺、言い過ぎたなって反省してる」
「反省する事は大切よ。誰だってミスだったり、言いすぎて後悔する事はあるからね。紫水は今日色々なことを経験したと思うけど、今日の経験を忘れずにいて欲しいな」
藍介にストーカーって言ったの俺だったし、今日、俺は悪い子だったんだ。
「うん、藍介にもう一回謝ってみる」
「それがいいと思うわ」
主人様は優しく俺の頭を撫でてくれた。
主人様の手は温かくて、柔らかくて、ずっと撫でて欲しいって思うほど触ってくれる事が嬉しくて仕方ないんだ。
「それにしても、藍介と喧嘩するほど私に甘えたかったのね。それなら、紫水、私の抱き枕になってくれないかしら?」
「主人様〜抱き枕ってなに〜?」
「それは、こういうことよ」
主人様は俺の腹に抱きつくと右足を俺の体に乗せ、主人様の体の体温が感じられる程、強く、強く俺を抱きしめてきた。
「え、あっ、え!」
「ほう、流石に硬いわね。でも、抱き心地良いわ」
主人様はやっぱり、俺のことが好き?
ヤバい主人様の顔が俺のお腹の上にある。
主人様の体に俺の足が当たっちゃった。
主人様の体、本当に柔らかい。
死んじゃう。俺、死んじゃう。
急に主人様をこんなに感じるなんて、嬉し過ぎる。
もう、これは主人様は俺の事が好き。いや、愛しているんだ。
俺も主人様のこと愛してるし〜、主人様も俺の事愛してる〜。確か前に、藍介が言ってたけど人間って互いに愛し合わないと結婚っていうのができないんだよね〜。
もう〜、主人様は〜俺と結婚したいんだね〜♡
子供何人作れるかな〜?
そういえば〜、人間は卵産めないんだっけ〜、沢山子供は望めないかな〜。それでも〜、結婚さえすれば〜、あとは交尾沢山できるし〜、子供できなかったとしても〜俺が主人様を独占できるって事だよね〜。
藍介に謝った後〜、藍介に結婚の仕方教えてもらわないといけないな〜。
藍介ごめんよ〜。
俺が主人様と結婚しちゃって〜。
俺は絶対に主人様を幸せにしてみせるから許してね〜。
「紫水明日は早いからさっさと寝るわよ。おやすみなさい」
「え、あ、うん、おやすみなさい」
主人様は俺に抱きつきながら眠りについた。
主人様の寝息が体に当たって体がソワソワする。
眠りたくないな〜、ずっとずぅ〜と、主人様を見つめていたいな〜、でも〜、主人様温かくて〜、俺〜、眠くなってきちゃた〜。明日は早く起きないとだし〜、寝ようかな〜。
俺の寝相で主人様が潰れない様に水を使って俺の体を固定させから俺は眠った。
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