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終焉の獣

 ラトムの幻存太陽ラークルジョンから逃げ続けていたイデアは逃げても埒が明かないと意を決して幻存太陽ラークルジョンに受けて立った。


 イデアは炎の球体に向かって口から魔力を放った。


 黒い魔力と炎の球体はぶつかり合いイデアの魔力がお仕返し始めたが、ラトムはその姿を傍観していた。


「僕は絶対に負けない!!!」


 見事、イデアは幻存太陽ラークルジョンを打ち消した。が、ラトムは次の幻存太陽ラークルジョンを放った。


「魔力どんだけあるんだよ! 普通、こんなの1発打ったら魔力切れ起こすって!!!」


「我をそこら辺の巨人と同じにするな。我はこの星を守るために産まれた神なのだ」


「自分で神なんて名乗るの恥ずかしいんじゃない!」


 イデアは反論したが、自分も神獣だと名乗った事をすっかり忘れてしまっていた。


「お前も神獣だって、いったじゃないか……。おっと……。我と同等の力を持つ獣よ。何故、お前は人間を助ける」


「そんなの決まってる! 僕に愛を教えてくれたから!」


「愛か、愛ゆえに俺は……。後戻りなんて出来ない」


 イデアは炎の球体から逃げながらラトムに魔力を放った。


 ラトムは杖を一振りしただけでイデアの魔力を打ち消した。


「我を殺すことなどできぬぞ!」


「僕は不死、僕は生き返る。痛みなんて、へっちゃらだ!!!」


 イデアは炎の球体目掛けて突進し魔力を込めた爪で引き裂こうとした。


 熱で体は焼け、そして、不死の力で再生し、何度も、何度も、焼け死にそして、生き返った。


 7度目の焼け死にを経験した時、知らない声がふと聞こえた。


『君はこんな所で油売っているから君が本来護るべき物がなくなってしまったよ。それでも、君は彼を倒したいのかい?』


「た、お、し、たい」


 すると、イデアの尻尾が鎌へと変化した。


 イデアは体を丸め尻尾の鎌で炎の球体を切り裂いた。


『君はこれから長い旅をする。君の誓いを忘れないでね。はぁー、ゼス君に怒られちゃうな』


 フローゼラーはイデアが最終局を迎えた事に力を入れて語り出した。

 

「イデアは新たな力を手に入れたのじゃ。尻尾が急に鎌となり、災厄ラトムの魔法を切り裂き、災厄ラトム体を切り裂いたのじゃ!!!」


 それを聞いていた花茶とライネルはフローゼラーの迫力に拍手を送った。


「おー! でも、どうしてイデアおじちゃんの尻尾が鎌に変化したの?」


「それは、わしにも分からないのじゃ。鎌もまた新たなスキルと言ったところじゃないかのぉ」


「それで、それで、イデアおじちゃんは勝ったんだよね!」


「そうじゃよ。ラトムは地上に落ち、巨人達は神が死んだ事を嘆き、悲しんだ。そして、絶対的な力を持つラトムがいなくなったと分かった人々は、ラトムが居なくなり、散り散りとなった巨人達を倒し、巨人はこの世からいなくなったのじゃ。そして、巨人族の繁栄に終焉に導いた獣として、イデアは終焉の獣と言われるようになったのじゃ」


「巨人さん可哀想」


「そうか、それだけの事をしてきたんだ。自業自得って奴じゃねぇか」


「話はこの辺して今日は一緒に寝るのじゃ!」


 フローゼラーは花茶に抱きつき、花茶とフローゼラーは一緒の布団で眠り、ライネルは藍介の布団を借りて眠ったのでした。


 神アートは青雷から連絡が来て仕方なく青雷に対応していた。


「ねぇ、アート君、僕はいつになったら人の姿になれるのかな?」


「そう言われても、青雷君はまだ魔王より弱いだろ。そんなんじゃ、人の姿になれないよ。もっと修行頑張りな」


「えー!!! 僕蜘蛛8刀流なかなか様になってきたんだよ」


「8刀流って、それって動きづらいでしょ」


「そうかな?」


「僕は仕事あるから切るね」


「あっ、アート君僕もっと話した」


「ふぅ、僕が干渉したとバレたらシンカちゃん怒るだろうな。まぁ、前にゼス君にめっちゃ怒られたけどさ。だって、彼は僕の最高傑作だからね!」


 神アートは新たな種族を考え始めたのでした。

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― 新着の感想 ―
神々の黄昏にて世界を焼き尽くした炎の巨人みたいな事はしなかったのですね。 ……信念がぶつかり合ったらこうなるんだよな~。 蜘蛛8刀流……どんな風に戦うのかな?足を刀代わりにしたら立ってられない時があ…
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