久しぶりに会えたのじゃ!
キャサリンは一度腹減りモードに入り暴走したが、フローゼラーの魔法の前では手も足も出ずに拘束された。
「腹が減ると暴れるとは難儀な体質なのじゃな」
キャサリンは3人に頭を下げて謝った。
「ご、は、め、ん」
「ハァーニィー、ご飯の準備が遅れてごめんよ」
「フローゼラー様のお陰で助かったでやんす! ありがとうでやんす!!!」
そうして、4人は無事に魔蟲の森に到着した。
「ここが禁足地! 魔蟲の森! 初めて来たのじゃ!」
「フローゼラーちゃん俺が案内してあげるよ」
「ごはん」
キャサリンはフローゼラーの手を引こうとしたミハエルを両手で捕まえ、彼を抱えたまま歩き始めた。
「ほぉ、良い森じゃな! エルフの森と大差ないの」
「エルフの森はどんな所でやんすか? この前エルフの客人がきたみたいでやんすが、あっしはそんなに話したことがないのでやんすよ」
「そうじゃのぉ、この森の違いは土地の魔力の違いじゃな。ここはエルフの森よりも魔力量が多いのが違いじゃな」
「土地の魔力でやんすか? うーん、あっしにはわからないでやんすね」
「ここで産まれた者にはわからぬのは当然なのじゃ」
「フローゼラーちゃんもうそろそろで洞窟に着くよ」
「もう着くのか、後で森も探索したいのじゃ!」
「その時は俺にエスコートさせて」
「ご!は!ん!」
「ぐはぁあああ!!! 振るのはやめてぇえええ」
キャサリンはミハエルを振った。
そして、洞窟へ着き、主人様の家まで5時間ほどかけて洞窟を歩き、4人は疲れ切っていた。
「もう、疲れたのじゃ」
「まぁ、ずっと歩き続けたでやんすからね」
「フローゼラーちゃん俺の背中に乗るかい?」
「ごはん」
「ハァーニィー、怒らないでくれよぉ」
「ごはん!」
キャサリンは怒りミハエルは落ち着かせる為にご飯を慌てて用意し始めた。
「2人は取り込み中でやんすからあっし達で主人様に会いにいこうでやんす」
「そうじゃな、仲が良くてよいのぉ」
サンザイとフローゼラーは主人様の家の玄関前まで来た時、庭の方から誰かの話し声が聞こえた。
「俺の飯の方がうまいって!」
「いや、俺のオムライスの方が美味いに決まってる」
「花茶はどっちも美味しいと思うよ!」
「いや〜、魚の串刺しよりも〜、ネルガルのアクアスピアの方が美味しいよ〜」
「ふーん、何やらあっちの方で話し声がするの? 見にいってみるか?」
「そうでやんすね」
フローゼラーとサンザイは庭へ行くとネルガルライネルの料理対決と垂れ幕が掲げられていた。
「ネル坊元気で何よりじゃ!」
フローゼラーはネルガルの姿を見た瞬間、彼に抱きついた。
「ぐへぇ!? え? フローおば様!?」
ネルガルはフローゼラーに抱きつかれて固まっていた。
「フローゼラー様じゃねぇか!」
「おー!って誰なのじゃ?」
「えっと、私の友人のライネル君です。あの、どうしてフローおば様がここにいるのですか?」
「温泉に興味があってな、あと、マッサージ機も気になるのじゃ!」
「休暇を満喫しにきたってわけですね」
「そうなのじゃ!」
凪は外が騒がしいので庭へ出てきた。
「もう、また料理対決しているの、ネルガルは生魚をそのまま突き刺さなきゃ美味しいのよ! って、ネルガル!? 貴方いつのまに彼女できたの!? って、この女の子誰!?」
「おー! 始めてましてじゃな! わしの名はフローゼラー! 魔王軍幹部の六翼担当の魔法研究所の所長でもあるのじゃ!」
「初めまして、魔蟲の洞窟の主人の凪と申します。まさか、こんな可愛い女の子が魔王軍幹部なんてびっくりしちゃったわ」
「あのぉ、凪さん、フローおば様は魔王軍の中で最高齢です」
「え? おば様? 最高齢!? イデアさんよりも歳をとっているの?」
「そういえばイデ坊と結魂したのであったな。ふむ、わしはイデ坊よりも年上じゃよ」
「ネルガルよりも年下にみえるわ」
「ありがとうなのじゃ! まぁ、わしの見た目はピチピチの14歳なのじゃ!」
「ピチピチって今の子達は使いませんよ」
「そうなのか? でも、ネル坊に会えて嬉しいのじゃ!」
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