湖にゴー!
フローゼラーは休暇を取るために残っていた仕事を片付けて部下に引き継ぎを行い、万全の体制で休暇1日目を迎えた。
「サンザイ、お主が探していた布は買い集め終わったのじゃ」
「もう集まったのでやんすか!? ありがとうでやんす!」
「ふふふ、その分わしを魔蟲の洞窟に連れて行くのじゃ!」
「もちろんでやんす! 布集めの分、あっしに魔蟲の洞窟を案内させて欲しいでやんす!」
「あっ、この前話した石板があった湖経由でお願いしたいのじゃが、大丈夫か?」
「大丈夫でやんす! キャサリンさんの食料も十分に確保できやしたから、帰宅途中に喰われそうになる事はないと思うでやんす!」
「ハァーニィーも準備万端さ! さぁ! フローゼラーちゃん! 僕の体に捕まってくれ!」
「ごはん」
キャサリンはフローゼラーを自身の首に乗せて、羽を広げ、羽ばたき始めた。
「よし! レッツゴーなのじゃ!」
「ごっはんー!」
「白桜様に怒られなくてよかったでやんすぅ!!!」
「フローゼラーちゃん危ないから僕の体に捕まって」
「ごはん」
キャサリンはミハエルを地面に落とし、サンザイとフローゼラーを乗せて石板を見つけた湖へ向かった。
「俺だけを置いていくなんて酷いじゃ無いか!!!」
1人取り残されたミハエルはキャサリンの後を必死に追いかけたのでした。
そして、湖に到着するとフローゼラーはすぐさま湖に入った。
湖に入った瞬間、彼女の体は本来の姿へと変化した。
足は尾びれとなり彼女の身体には鱗が現れた。
「ちょっと底を見てくるからここでまっているのじゃぞ!」
「行ってらっしゃいでやんす!」
「はーい! ハァーニィー、そんなに怒らないでくれよぉぉぉ」
キャサリンはミハエルの行動に腹を立てていた。
「ご、は、ん!」
「ごめんって」
キャサリンとミハエルの喧嘩を眺めながら、サンザイは1人優雅に持参したコーヒーを飲み寛いでいた。
3時間ほど経つと、湖に潜ったフローゼラーは何の収穫もなかったので、湖から上がった。
「石板見つからなかったのじゃ、どうしてあの手紙だけこの湖にあるのか、謎なのじゃ!」
「戻ってきたんだね! おかえりー! 俺がフローゼラーちゃんの体を温めてあげるよー!!!」
ミハエルはフローゼラーに抱きつこうとしたが、キャサリンに阻止されてしまった。
キャサリンは布をフローゼラーに被せ、彼女を自分の力で潰さない様にとてつもなく力加減を気を付けながらフローゼラーの体を拭いてあげた。
「ありがとうなのじゃ!」
「ゴハン!」
「俺がやりたかったなぁ」
「懲りないでやんすな」
「ふぅー、少し休憩したら魔蟲の洞窟へゴーなのじゃ!」
「ゴーハーン!!!」
フローゼラーは少し休み、そして、魔蟲の洞窟へ向かったのでした。
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